わたしはちょうど20歳の時に、日本に来ました。当時のわたしは「おはようございます」「こんにちは」など、挨拶程度の日本語しかできませんでした。しばらく外に出るのがとても怖く、(ア)ずっと家の中にいて、朝から晩までテレビばかり見て過ごす毎日でした。
だんだん日本の生活に慣れてきたころ、看護師として働いてみないかと言われました。わたしは子供の頃から看護師になるのが夢で、そんなわたしの気持ちをよく理解してくれているおじさんからの話でした。わたしはあまりにも急な話で、すぐには答えることができませんでした。二の足を踏んでしまった本当の理由は言葉の問題でした。
しかし、これは看護師になるいいチャンスですから、わたしは心配しながら病院で働き始めました。絶対にやっていこうという気持ちで努力しましたが、看護師という仕事に完全に慣れるまでにはとても時間がかかりました。(イ)ポケットにいつも電子辞書を入れて仕事をする毎日が続きました。
今でもはっきり覚えていますが、(ウ)それは、自分がようやく立派な日本語の会話ができたと思えた日のことです。仕事が終わって、寮に戻り、嬉しさのあまりとうとう大きな声で泣いてしまいました。嬉しくて涙が止まりませんでした。わたしは立派に日本語が話せた嬉しさで胸いっぱいでした。そして、これからも頑張っていこうと思いました。日本で看護師として働いたことはいつまでも忘れられない思い出として残るでしょう。
61.
(ア)の「ずっと家の中にいて」とあるが、その理由は次のどれか。A.日本に来たばかりだから。 |
B.日本のことは詳しくないから。 |
C.日本語がちょっとしかできないから。 |
D.日本のテレビ番組を見るのが大好きだから。 |
62.
(イ)の「ポケットにいつも電子辞書を入れて仕事をする」とあるが、その理由は次のどれか。A.電子辞書は軽いから。 |
B.電子辞書は仕事中でも使うから。 |
C.電子辞書は高いから。 |
D.電子辞書を大事にするから。 |
63.
文中の(ウ)「それ」の指すのは次のどれか。A.もう日本の生活に慣れたこと |
B.看護師になったこと |
C.日本語でうまく話すことができると感じた日のこと |
D.病院の仕事はもう慣れたこと |
64.
この短文にテーマをつけるなら、もっとも正しいものは次のどれか。A.忘れられない夢 |
B.日本の病院での仕事のこと |
C.日本での生活 |
D.日本語の勉強とわたしの努力 |
65.
筆者のもっとも言いたいことは次のどれか。A.看護師になることはわたしの夢です。 |
B.日本の病院での仕事は苦しいです。 |
C.努力すれば、夢が実現できます。 |
D.日本語の学習は絶対必要です。 |