日本ではよく、「若者はもっと個性を発揮すべきだ」とか、「個性を磨くべきだ」などと言われます。けれど私は、そういう言葉にはあまり意味がないと思っています。
また、日本では「個性」という言葉が主に人の外観に関して使われることにも、私は違和感を持っています。たとえば、「個性的なファッション、個性的なヘアスタイル」は「人がアッと驚くような奇抜なスタイル」であることが多いでしょう。
(中略)
このように考えると、「個性=人より目立つこと」と、多くの人が錯覚しているのではないかと思います。
でも、根本的なことを言ってしまえば、この世に生まれた人間は一人残らず全員、それぞれの個性を持っています。だから、誰かに「磨きなさい」と命令されて、義務のように磨く必要などないのです。
あなたが生まれ持った個性は、明らかにあなただけのものです。世界中に、あなたと同じ個性を持つ人など誰一人としていないのですから、「他の人はどうかな?」とキョロキョロすることは不必要だし、他人の真似をする必要もありません。真似しようとしても(ア)のが、個性というものなのです。
あなた自身が「楽しい、面白い、不思議だ、ワクワクする、ドキドキする」と感じ、心から求めているものを優先すれば、それでいいのです。「磨く」とか「発揮する」などと意識しなくても、自分が本当に好きなもの、興味があることに気持ちが向かっていけば、自分の世界がどんどん広がっていく。それが本当の意味で「個性を磨く」ということです。
1.文中に「そういう言葉にはあまり意味がない」とあるが、それはなぜか。A.「個性」という言葉が主に人の外観に関して使われるから |
B.人間はそれぞれの個性を持っていて、義務のように磨く必要がないから |
C.人より目立てば良いから |
D.自分の世界がどんどん広がっていくから |
A.本来の意味とは違う使い方がされている。 |
B.意味がないと思っている人が多い。 |
C.主に若者に対して使われている。 |
D.人によって使い方がさまざまだ。 |
A.真似しようとしない |
B.真似できるようになる |
C.真似できればよい |
D.真似できない |
A.他人には理解できないものである。 |
B.人より目立つことで発揮できるものである。 |
C.人間なら誰でも持っているものである。 |
D.ファッションを通して主張できるものである。 |
A.自分の心に従って、関心があることを追い求めること |
B.自分が好きかどうかより、個性的に見られるかどうかを優先すること |
C.周囲の意見を参考に、無理なく自分の世界を広げること |
D.どんな物事にも、楽しさや面白さを見つける努力をすること |
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【推荐1】部下に対して、ほめた方がいいのか、叱った方がいいのか、心理学的に言ってどちらが効果的か、などと質問されることがある。部下の扱い方というものはなかなか難しいので、心理学の知恵によって、よい方法を知りたいと思われるのであろう。ほめるとつけ上がる、叱るとシュンとして何もしなくなる、一体どうしたらいいのか、などと言われる人もある。
心理学者で、このような疑問を解くために実験をした人がある。グループを三つに分けて、どれにも同じような単純な仕事を与え、終わった後で第1のグループは結果のいかんにかかわらず、よくできたとほめる。第2のグループは、全員に対して、もっとできるはずだと思っていたのにと叱る。第3のグループは、ほめも叱りもしない。そうして翌日はまた似たような課題を与え、前日よりどの程度進歩したかを見る。そうすると、ニ日目は叱ったグループが一番よく進歩し、次はほめたグループ、何も言わなかったグループ、ということになる。
ところが面白いことに、これを続けてゆくと、ほめるグループは進歩の上昇率が高く、叱るグループを抜いてしまうのである。人間は叱られると、一度は頑張るが、あまり続くと――それでも上昇するのだが――上昇率はそれほどでもなくなる。何も言わないグループは前二者に比べると上昇率は一番よくない。つまり、何も言わないのに比べると、叱ってばかりいる方がまだましだ、というわけである。
この実験結果から、( ① )と良いと結論するのは、少し性急すぎるようである。この実験は単純な課題に対して行なったので、課題の種類によっては結論が異なるかも知れない。( ② )、この実験には、( ③ )、というグループは含まれていない。おそらく、正解は「適切にほめ、適切に叱る」のが一番良いということになろうが、この適切にというところが、実際にどうするのか誰しも解らないのが困るところである。
(河合隼雄『働きざかりの心理学』新潮社による)
1.「このような疑問」とあるが、どのような疑問か。A.部下にどのような仕事をさせるのが適当かという疑問 |
B.心理学の知恵によって部下の扱い方がわかるかという疑問 |
C.心理学者は、部下をどのように叱っているのかという疑問 |
D.部下は、ほめた方が効果的か叱った方が効果的かという疑問 |
A.叱ったグロープの方がほめたグループより進歩したこと |
B.叱ったグロープもほめたグループも結果的には同じように進歩したこと |
C.何も言わなかったグループが三つのグループの中で一番進歩しなかったこと |
D.初めは叱ったグループが一番進歩したが、その後ほめたグループに抜かれたこと |
A.ほめてばかりいる |
B.叱ってばかりいる |
C.何も言わないでいる |
D.ほめたり叱ったりしている |
A.しかし | B.それで | C.したがって | D.それに |
A.いつも叱る |
B.いつもほめる |
C.ほめたり叱ったり |
D.ほめも叱りもしない |
【推荐2】お金を持っていると問題が解決できるような気がする。実際には、お金自体が問題を解決するわけではなく、お金を受け取ることで何かを行う人々がいるからこそ、問題が解決される。例えば、「食べ物」をお金で買うことができる。しかし、お金自体を食べることはできない。お金と交換できる「食べ物」は、製造過程や流通過程を経て、お店で適切に管理されて、その全てのプロセスに関わる人々がいるからこそ、お金と商品を交換できることができる。(ア)、お金自体に価値はない。
しかし、お金には確かに力がある。それは「選択の力」である。もし高級食材を選びたいのであれば、多くのお金を払うことで、その選択が可能になる。このように、お金が私たちに選択をさせる力を持っていることは確かである。
ジンバブェ(国名,津巴布韦)の例を取り上げると、お金の価値が下がり、「お金」をたくさん持っていても、それによって生活水準が向上するわけではない。生産力や、それを支える社会の仕組みがなければ、お金の価値は失われてしまう。また、お金を貯めることの真の価値についても考えさせられる。もし全ての人が老化し、働く人がいなくなったら、どれだけのお金を持っていても、意味がなくなってしまう。
1.文中に「問題が解決される」とあるが、どうやって解決するか。A.お金をたくさん持っていると問題が解決できる。 |
B.人々はお金を利用して行動することで問題を解決する。 |
C.お金を貯めることで問題を解決する。 |
D.お金をたくさん作ると問題を解決する。 |
A.また | B.ところで | C.つまり | D.それに |
A.お金で高級食材を買うこと | B.お金を貯めること |
C.お金の価値が下がること | D.お金をたくさん持つこと |
A.お金の価値がない。 | B.意味がわからない。 |
C.ものが食べられない。 | D.お金の価値が下がる。 |
A.お金の選択力 | B.お金と商品 |
C.お金を貯めること | D.お金の本当の価値 |
【推荐3】わたしは毎日自転車に乗っているが、怖い思いをしたことが何度もある。狭い道路を自転車で走っていたときのことだ。車がわたしのそばぎりぎりの所をスピードを出して通り過ぎていき、わたしは倒されそうになった。とても恐ろしかった。その反対に、わたしの自転車が、もう少しで、歩行者とぶつかりそうになり、あわててブレーキをかけたこともある。もし、ぶつかっていたら、大怪我をさせたかもしれないと思うとぞっとする。
自転車が車とぶつかった場合、自転車に乗っている人が受ける被害はとても大きい。車を運転する人は(ア)車体で守られるが、自転車の人は、自分の体を守るものが何もないからである。車にはねられると、自転車に乗っている人は道路に投げ出されてしまうのである。
逆に、自転車が歩行者に被害を与える可能性あるということも考えなければならない。ゆっくり走っていても、ちょっとした不注意で、歩行者を強い力で地面に倒してしまうことがあるのだ。自転車に乗る人は規則を守って乗るべきである。携帯で話しながら乗ったり、歩道の真ん中を走ったりしてはいけない。
(イ)、車、自転車、歩行者は、それぞれが具体的な被害を想像できる力を持つことが望まれる。特に、車を運転する人は、自転車に乗る人はいつも危険を予測することが求められるのである。
1.筆者が自転車に乗っていて怖い思いをしたのは、どんなときか。A.ブレーキをかけたが、歩行者とぶつかってしまったとき。 |
B.車がそばを通ったときに、はねられて道路に逃げ出されたとき。 |
C.車に倒されそうになったときと、歩行者とぶつかりそうになったとき。 |
D.歩道を走っていて歩行者を倒してしまったとき。 |
A.しっかりした | B.はっきりした |
C.ゆっくりした | D.さっぱりした |
A.乗る人の体を守るものがないから、規則を守らなくてもいいもの。 |
B.車との事故では被害を受けるが、歩行者には被害を与える可能性があるもの。 |
C.歩行者にだけ気をつけて、注意して走らなければならないもの。 |
D.車や歩行者と比べると、具体的な被害を与えないもの。 |
A.すると | B.ところで | C.つまり | D.そして |
A.車に追い越されるときはブレーキをかけること。 |
B.大怪我をするので、あわててブレーキをかけないこと。 |
C.歩行者に被害を与えるので歩道を走らないこと。 |
D.いつも危険であることを考えながら乗ること。 |