8 . 車のカギを拾った。うちの隣のマンションの駐車場の入り口に落ちていたから、おそらくそこに住んでいる人のものだろう。困っているかもしれない。早く届けてあげたい。などと考えているうちに、私は、小学生のころ、家のカギを落とした時のことを思い出した。
落としたことに気づき、私は、泥棒がそのカギを拾うことを想像した。泥棒は、夜中に近所の家を一軒一軒回り、カギの合う家を探す。( ア )、泥棒は私の家にたどり着く(走到)。カギ穴にカギを差し込んで(插进)玄関を開け、泥棒は家の中へ入ってくるのだ。私はすっかり怖くなってしまい、親に頼み込んで、とうとう家のカギを付け替えてもらった。
さて、この車のカギだが、いっそ、夜中に駐車場に行って、一台一台車のドアに差し込んでみようかと、私はそう思った。そうすれば、いずれ持ち主(主人)が分かるかもしれないが、まさかそんなことはできない。私はいったんカギを持ち帰った。紙に「車のカギを拾いました」と大きく書き、透明ファイル(文件夹)にカギと一緒に挟み、駐車場とマンションの間の通路に吊るしておいた。
2 日後、ファイルの中から紙とカギがなくなっていた。そして、かわりにメモが入っていた。そこには、こう書かれていた。「ありがとうございました。助かりました。あきらめていました。」
1.
文中に「困っているかもしれない」とあるが、誰が困っているのか。A.マンションの人 | B.カギを落とした人 |
C.泥棒 | D.筆者 |
2.
文中に「家のカギを落とした」とあるが、その結果としてどうなったのか。A.泥棒に拾われた | B.泥棒に入られる夢を見た |
C.新しいのに替えてもらった | D.しかたなく引っ越しをした |
3.
( ア )に入れるいちばんいいのはどれか。4.
文中の「そんなこと」とはどんなことか。A.一軒一軒聞いて回る | B.一個一個比べてみる |
C.一人一人聞いてみる | D.一台一台差し込んでみる |
5.
文中に「あきらめていました」とあるが、カギの持ち主はなぜそう思っていたのか。A.落としたカギが戻るのをずっと待っていたから |
B.落としたカギはもう戻らないだろうと思っていたから |
C.時間がずいぶん経って、もう待てなかったから |
D.時間があまり経たないうちに戻ってくるとは思わなかったから |