2 . 母は私のことを「年寄りの恥かきっ子(丢脸的老来子)と言って、いつも恥ずかしそうに笑った。私は母が42歳の時に生まれた。父は私が生まれる3日前まで母の妊娠を知らなかったそうだ。母が着物の帯をきつく締めて、お腹が目立たないようにしていたという。けれども、私は無事に生まれてきた。母の話では、父は大喜びだったという。私が虚弱に育ったのは、両親に溺愛されて、食べ物の好き嫌いが激しかったからだ。風邪を引くと、母は焼いたにんにくを私に食べさせた。小学校も入学が一年遅れた。
小学校は、行ってからも病気でよく休んだ。一年生になったばかりで腹膜炎にかかり、一学期の大半を休んだ。母は一日おきに私を市立病院に連れて行った。
病院までは母と私の足で歩いて30分もかかった。夏が来ていて、私は冷たいものを飲みたかった。病院の先生は母に、「アイスキャンディー(冰棍)はいけない、アイスクリームにしなさい」と注意した。病院の帰りに母はアイスクリームを(ア)くれた。母は私が食べ終わるのをじっと見ていた。
病院の行き帰りに母とどんな話をしたのだろう。もう記憶にいはないが、今は、ときに私の手を引いていたに違いない母の優しさを感じる。母の目は実に優しかった。
1.
文中に「恥ずかしそうに笑った」とあるが、その理由はどれか。A.私は無事に生まれてきたから |
B.私は母が42歳の時に生まれたから |
C.父はずっと母の妊娠を知らなかったから |
D.母がお腹が目立たないようにしていたから |
2.
文中に「母は一日おきに私を市立病院に連れて行った」とあるが、それはなぜか。A.私が腹膜炎にかかったから | B.私が一学期の大半を休んだから |
C.私が病気でよく学校を休んだから | D.私が小学校の入学が一年遅れたから |
3.
文中の(ア)に入れるのに最も適当なものはどれか。A.食べて | B.食べない | C.食べられて | D.食べさせて |
4.
文中に「母は私が食べ終わるのをじっと見ていた」とあるが、その時の母の気持ちはどれか。A.早く食べてほしいと思っていた。 | B.いつ食べ終わるかと考えていた。 |
C.早く治ってほしいと思っていた。 | D.もっと買ってあげようと思っていた。 |
5.
文中に「もう記憶にいはない」とあるが、何が記憶にないのか。A.母が私の手を引いていたか | B.今母がどんな目をしているか |
C.病院で母と先生がどんな話をしたか | D.病院の行き帰りに母とどんな話をしたか |