日本の家屋の特徴は何だろう。日本列島、沖縄から北海道まで気候もずいぶん違うので、その土地その土地に合った家がある。
ここでは東京辺りの家について考えてみよう。東京の冬は寒くなっても零下5、6度ぐらいだから、暖房器具のなかった時代でも、囲炉裏で火を燃やし、着る物を重ねるとか(ア)、寒さを凌ぐことができる。だから、家自体の寒さ対策はあまり考えられてこなかった。
しかし、夏は東京でも気温が高い(イ)、湿度も高いため蒸し暑く、また、着る物で調節することもできず、家自体の構造を工夫して、涼しく過ごせるようにした。壁を少なくして、ふすまや障子を取り外せるようにした。そうすることで、風通しがよくなり涼しく過ごすことができる。
もう一つの特徴は、昔の日本家屋の大部分の材料が木材と紙であることだ。どの地域でも、家を建てるには身近にある材料を使う。雪と氷しかなければ、それで家を作るしかない。木や竹があればそれが材料になる。日本の場合は建築に適した木材が身近に豊富にあり、手に入れるのが比較的容易だったので、家の骨組みや柱に木材を使ったのである。石が手に入りやすいところでは、石を土台や壁に利用している。
さらに、日本の家屋の特徴には自然災害に強いことも挙げられるだろう。地震や台風などの災害を想定して、各地で工夫されてきた。
41.
文中の(ア)に入れるのに最も適切なものはどれか。42.
文中の(イ)に入れるのに最も適切なものはどれか。43.
「壁を少なくして、ふすまや障子を取り外せるようにした」は何のために役たつか。A.寒さを防ぐため | B.火事を防ぐため |
C.地震から身を守るため | D.風を通すため |
44.
文中にある「それ」は次のどれか。45.
「昔の日本家屋の大部分の材料が本材と紙である」のはなぜか。A.本材と紙は軽いから |
B.本材と紙は台風に強いから |
C.日本は昔から建築に適した本材が豊富だったから |
D.本材と紙は風を通しやすいから |