川の水がなぜなくならないか、考えたことがあるだろうか。
水は上から下へと流れている。だから、①いつかなくなってもよさそうなものなのに、なくならないのはなぜだろう。
日本は地形が急峻で川は短い。いくつもの国境を越えて海に流れつく大陸の大河とは、まるで性質が違う。「日本の川は滝だ」といわれる由縁である。
そんな急流の川だから、雨が降っても1日で海に捨てられ、あとはたちまち乾いてしまってもいいはずである。それなのに、冬の間、1か月も2か月も雨がなくても川の水はなくならない。利根川も木曽川も筑後川も、流れているのはなぜなのか。②そんな不思議をあなたは考えたことがあるだろうか。
それこそは森林のおかげである。森林の土壤が雨を受け止め、その水は地下に渗み込み、ゆっくりと地下を移動し、何十年、ときには何百年もの歳月をかけて地表に湧き出てくる。その湧き水の集まりが川なのだ。日本列島がもし③( )だったら、水は存在しないはずである。水は土壤の産物なのである。
その土壤は日本では、大昔から先祖たちが手をかけ守り育ててきた「労働の産物」であった。日本の植林の歴史は、稲作が始まりよりはるか以前の6000年もの昔に遡ることができる。そして、今日まで、連綿として「木を伐っては植える文化」が受け継がれてきたのである。
26.
①「いつかなくなってもよさそう」とあるが、文中ではどんな意味か。A.なくなったら困る。 |
B.なくなっても大丈夫だ。 |
C.いつか乾いてしまうだろう。 |
D.乾いてしまう可能性はぜんぜんない。 |
27.
②「そんな不思議」とあるが、どんな不思議か。A.川がたちまち乾いてしまうこと |
B.川が滝のように流れていること |
C.利根川も木曽川も筑後川も流れていること |
D.雨が降らなくても川の水はなくならないこと |
28.
③( )に入れる最も適当な言葉は次のどれか。29.
日本の川の特徴は次のどれか。A.短くて流れの速い川が多い。 |
B.長くて流れの穏やかな川が多い。 |
C.国境を越えて流れていく川が多い。 |
D.雨が降らないと水がなくなる川が多い。 |
30.
この文章では土壤、植林、川の関係はどうなっているか。A.川→植林→土壤 | B.植林→土壤→川 |
C.土壤→植林→川 | D.土壤→川→植林 |