人工物は人間がある意図のもとにつくり出されたものであるのにも関わらず、その社会に与える影響は設計者の予想を越える場合があり、人工物が人間社会の舵とりを行う(注 1)現象が起きている。たとえばコンピューターは 「計算機」という日本語が示すように、当初は計算を行う機器として製作されてきたが、現在ではデ一タベ一ス(注 2) やコミュニケ一ションなど、さまざまな用途に用いられ、生活環境を大きく変えてきている。
このように現代における人工物の大きな影響力を考慮する時、設計者はこれまで以上に人工物のもつ社会的意味を頭に入れ、積極的に設計者の意図を人工物にもたせていくことが必要だと思われる。 これからの科学技術、そしてモノ作りにとって何より必要なのは、いったい、これからわたしたち一人一人がどんな生活を送り、どのような社会を作り上げたいのかというビジョン(世界観·価値観)であり、設計者は常にこのビジョンがどのようなものであるか考え、人工物にその価値観をもたせることが必要だと思われる。
しかし、設計する人々は、一方では、自分の考えとは別に社会の欲する製品を設計することが要求される。マ一ケットニ一ズのない製品は売れないからである。こうした場合に設計者が自分の価値観をマ一ケットニ一ズとうまく調和させる(注 3)ために、設計者の価値観が購買者(注 4) の価値観とのなんらかの共通性をもつ必要がある。( ア )設計者は社会の状勢(注 5) をよく理解し、将来の社会についての予測をたて、人々の価値観を調査したうえで、設計者としてのビジョンをもつことが求められるだろう。
(注 1)舵とりを行う:進む方向を決める(注 2)デ一タベ一ス:ある目的に合わせて集めた大量の情報
(注 3)調和させる:合わせる
(注 4)購買者:ここでは、消費者
(注 5)状勢:状況
1.現在、コンピューターの使用領域は何か。
A.計算を行う | B.データベースをする |
C.コミュニケーションをする | D.以上の三つを含む色々な方面 |
A.人工物が設計者の意図に反した使われ方をされている |
B.人工物が人間を補助することで社会が成り立っている |
C.人工物が設計者の予想以上に社会に影響を与えている |
D.人工物の製作に社会は大きな影響を与えている |
A.一つの人工物にさまざまな用途をもたせること |
B.現代の最も進んだ科学技術を取り入れるこ |
C.将来の生活や社会に望むことを人工物に反映させること |
D.人々の価値観を変えるような人工物を考えること |
A.そのために | B.そこで | C.しかし | D.それなら |
A.自身の価値観を捨てて、消費者に共通する価値観を優先する |
B.社会の状況を調べて、自身の価値観が正しいことを確認する |
C.マ一ケットニ一ズの変化を考慮しながらも、自身の価値観を優先させる |
D.消費者のニ一ズを調べて、消費者と自身の価値観に共通性をもたせる |
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【推荐1】「いたずら」は探索欲求に基づく行動ですから、これを充分に許容することが、意欲を盛んにしますし、自発性を育てるために必要です。しかし、「いたずら」は、その種類によっては大人に迷感がかかることになります。ですから、大人に迷感を及ぼすようなことはだんだんやめてもらうことが、社会的適応の能力を育てるために必要です。そうでないと、野放図な(散漫放纵)子供、つまり放縦児ができ上がってしまいます。しかし、「いたずら」をさせないようにすれば、自発性の発達は止まってしまいます。ですから、自発性を育てながら、自己統制の力を育てなければなりません。その際に、「いたずら」を悪いこととして「いたずら」のできない子供にしてしまっては、子供の自発性の発達は止まってしまいます。この二つの問題の前に立たされて、お母さんはどのようにしたらよいのでしょうか。
それには、子供に「いたずら」をされた後の処置が大切です。ともかく「いたずら」をされて困っている人のいることを教える必要があるのです。
( ア)、孫に「いたずら」をされた後、私は口癖のように「これ、おじいちゃんの大事、大事よ」と真剣になって訴えました。そのようなときに、孫は私の目を見詰めます。そして、おじいちゃんがとても困っているということを感じ取ってくれるのです。これが共感というもので、祖父とその孫との情緒的な交流が充分に実現できてさえいれば、必ず聞き入れてくれるのです。そして、同じ系列の「いたずら」はしないようになります。
1.筆者は「いたずら」と子供の成長にどのような関係があると述べているか。A.「いたずら」は意欲を盛んにするため、野放図な子供に育つことはない。 |
B.「いたずら」は子供のころは楽しいが、大人になると楽しくなくなる。 |
C.「いたずら」は子供の自発性を抑え、社会的適応能力の発達を促す。 |
D.「いたずら」は自発的な子を育てるが、社会に適応できない子にする恐れもある。 |
A.探索欲求といたずら | B.自発性の発達と社会性の育成 |
C.野放図な子供と社会的適応の能力 | D.いたずらさせることと許すこと |
A.たとえば | B.ところが | C.けれども | D.それでは |
A.孫が「いたずら」をした後、訴えること |
B.孫が「いたずら」をした後、「私」の目を見詰めること |
C.孫に「いたずら」をされても、「私」が許してあげること |
D.孫に「いたずら」をされた後、「私」が困ったことを感じさせること |
A.「いたずら」は悪いことだと教え、やめるように厳しく注意する。 |
B.「いたずら」は人に迷惑をかけることがあると感じ取らせる。 |
C.「いたずら」は子供の成長に必要なので、見ないふりをする。 |
D.「いたずら」をされた人の気持ちを詳しく説明させる。 |
【推荐2】私たちは物質的に満たされていますが、大切にするべきものをまだ理解していないかもしれません。
お金で買えないものも( ア )とするのは自分や他人を大事にするのと同じ方向を向いていると思います。
私は毎朝、新聞配達をしているのですが、収入を得ることは本当に大変です。雨の日でも体調が悪くても、読者に迷惑をかけてしまうため、休むことはできません。無事一ヶ月の給料がもらえた時は金額よりも充実感や達成感で嬉しくなり、また来月も頑張ろうという意欲が湧きます。受身で与えられるものと、自分の手で獲得したものとの違いが大きく、労働して得た金銭は使い方も慎重になり、無駄遣いはしたくなくなります。
お金の使い方には人間性がそのまま出てくると言います。
価値観は無限ですが、間違ったお金の使い方をすれば、世界は乱れます。未来のための貯金や困っている方への寄付などは理想の使い方です。
本当の美しさはすべてを大切にして暮らす人の心にあるはずです。社会を豊かで平和にする責任がある私たち。人やお金の関わりを通し、学びながら一瞬一瞬を輝かせ、成長したいですし、多くの人が幸せになれる方法も考え続けたいです。
1.文中の( ア )に入れるのに最も適当なものはどれか。。A.よく保存しよう | B.やさしくしよう |
C.大切にしよう | D.きれいにしよう |
A.収入を得たいから | B.読者が待っているから |
C.元気がないから | D.嫌な天気だから |
A.受身で与えられるから | B.自分の好きなものが買えるから |
C.自分の力で得た給料だから | D.両親から小遣いをもらわないから |
A.給料が少ない人 | B.入院している人 |
C.子供の多い人 | D.日常生活や病気などに悩んだ人 |
A.お金の正しい使い方を多くの人に知らせる責任 |
B.自分の力で金銭を得る責任 |
C.多くの人に幸せな毎日を送らせる責任 |
D.戦争のない世界を守り、豊かな社会を作る責任 |
【推荐3】人付き合いについて考えるとき、中国に古くから伝わる荘子の言葉をよく思い出します。言わば、「君子の交わりは淡きこと水の如し、小人の交わりは甘きこと醴の如し」です。
分別のある立派な人は水のようなさっぱりとした付き合いを好むが、そうではない人物は甘酒のようなベタベタ(黏試,黏人)とした付き合いをするという意味だと言います。
これこそ僕が求める人関関係です。
人はすべて「個」として存在し、たまたま同じ時代、同じ場所をすれ違う(擦肩而过)縁で出会うものです。深入りすることなく、あっさりと、その刹那の交流を喜びたいです。これで、お互いの「個」の尊重となり、細く長く続く信頼へと繋がるのではないかと思うのです。
(ア)、ベタベタと密着するように相手の世界に近づこうとし、同調や独占を求める関わり方は長続きせず、破綻へと向かうでしょう。ところが、世間には甘酒のようなベタベタとした付を合いを求める人が少なくありません。そんな人は「個」としての自立が不完全で、誰かと密着して寄り添わなければ不安に感じてしまうのです。私はその不安に理解は示しますが、巻き込まれるのはまっぴらごめん(恕难从命)です。
1.「そうではない人物」とはどんな人か。A.君子 | B.小人 | C.荘子 | D.筆者 |
A.水のようなさっぱりとした付き合い |
B.甘酒のようなベタベタとした付き合い |
C.他人との付き合いをしないこと |
D.友達同士で同調や独占を求めること |
A.そのため | B.逆に | C.だから | D.それに |
A.「個」としての自立がないから. |
B.人との付き合いが好きだから. |
C.相手の世界に近づき、同調や独占を求める関わり方を長続きしたいから |
D.不完全な自立で、他人と密着して寄り添わなければ不安に感じるから |
A.ベタベタとした付き合いを好む方は「個」としての自立を持っていない |
B.筆者は人間関係ではベタベタとした付き合い方もする |
C.筆者はベタベタとした付き合いを好む方の不安が理解できる |
D.さっぱりとした付き合いを好む方が少ない。 |