間接的にでも政治的な活動をしている若者が増えているという。彼らはどんな動機で政治活動を始めたのだろうか。たずねてみると、「ほかの人と関わりを持ちたいから」という答えがよく返ってくる。人との関わりを求めて政治活動をするのかと、一瞬驚いたが、考えてみれば驚くことではなさそうだ。地域共同体の力が強かった時代は、地域の人との関わりを強制される面があり、自分から人と関わりを持とうとすることはあまりなかった。しかし、今は違う。
また、「趣味やボランティア活動の延長で、政治に出会った」という話も聞く。日常の仕事から離れてサークル活動やボランティア活動をする中で政治に出会い、自然な流れでその活動に入っていったというケースだ。
以上は、仕事以外の生きがいを求めて政治に目を向けた例といえるだろう。
(ア)、「就職先として政治の場を選んだ」というケースもある。政治家の公的な秘書、その秘書が雇う人、事務所の職員など、その周囲にはかなりの職がある。政治家の任期が終わり、次の選挙に落ちれば職を失うことになるが、任期中は安定している。特に参議院の議員の任期は6年だから、その秘書も6年は仕事があるわけで、一般的なアルバイトなどと比べればはるかによい。こうした選択は、長期的な就職先を見つけることが困難な時代を反映しているといえるだろう。
1.「一瞬驚いた」とはなぜ驚いたか。A.間接的にでも政治活動をしている若者が増えているから |
B.政治活動を始めた動機がいろいろあるから |
C.人と関わりを持ちたくて政治活動を始めるという答えが多いから |
D.地域の人との関わりを強制される面が今まであるから |
A.以前は若者の答えを聞いて驚いたが、今ではその理由がわかっているので驚かない。 |
B.今は他人との関わりが強制されないので、自分から関わりを求めるようになった。 |
C.以前は地域の人と関わらなくてもよかったが、今は関わる必要がある。 |
D.今はほかの人と関わる必要がないので、政治的な活動がしやすくなった。 |
A.政治的な活動を始めた。 |
B.政治家として活動することに決めた。 |
C.政治家としてボランティア活動を始めた。 |
D.ボランティア活動が好きになっていった。 |
A.そのため | B.たとえば | C.いっぽう | D.たしかに |
A.若者の政治的な活動は、単なる趣味の延長に過ぎないと考えることができる。 |
B.ボランティア活動に人との関わりを求めるなら、政治活動で自己実現したほうがいい。 |
C.政治に関わる職は安定しているから、若者はもっと政治活動に目を向けるべきだ。 |
D.若者が政治活動に入るのは、生きがいや就職先を求めているからである。 |
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【推荐1】(注 1) 将棋の世界も①大変な勢いで変化しています。ルールは400年以上も変わっていませんが、コンピューターによる情報の波は将棋の研究方法を明らかにスピードアップさせ、局面のかなり先まで読みきるという状況を作り出しました。
たとえば若い棋士たちが集まって一つの戦型を徹底的に研究し、分析して体系的に学ぶことが当たり前になってきた。もちろん若い棋士に限らずプロは常に研究や勉強を続けます。しかし、かつては個人と個人のぶつかり合いと考えられていた将棋が、新しい時代を向かえ進化してきたとも言えます。
新しい手はたちどころに知れ、研究、分析によって学術的な領域にまで組み込まれてきたのです。
確かにスピードは速くなり、情報量の(注 2)格段に多くなった。でも、その最先端から逃げたくはありません。研究して尽くされている戦型を知らなかったばかりに負けたなどということが、プロにはあってはならないと思います。
私が過去に苦労して学んだ戦法は実践では役に立たなくなりましたが、大局を見るために生きてきます。その現実に向き合うことが大切だと思いますね。( ② )一瞬たりとも気を緩めず、最先端の将棋の勉強をやり続けていかなくてはなりません。たとえばアマチュアの大会で対局の相手をしているときでも、見たことのない手であれば分析を(注 3)怠りません。私が勉強をしている他に、どこで新しい手が生まれているか、(注 4)予断を許さないからです。本当に時代は音を立てて動いていると感じますね。
35歳になる私も、③20前半の頃には時代のスピードについていくために努力するという感覚はありませんでした。そのときの自分のペースが自分に力であり、そのまま未来がずっと続いていく気がしました(中略)。しかし、変化は確実に起きる。若い人には今、時間の観念がほとんどないかもしれませんが、時代は走っていくし自分は年を重ねます。④その現実に向き合うことが大切だと思いますね。
将棋は続けたくて(注 5)漠然と(注 6)師匠 についたのが、11歳、小学校5年生のときですから、将棋を一生職業にするという意識は全くなかったし、他の仕事につくという夢も一度くらいは考えてみたかったのですが、ただその厳しい一つの世界にずっと身をおいてきたから、時代についていくことがえできたとも言える。進化し、技を磨き続けることがかなったのだと思います。
あなたがどうのような仕事を選ぶにしても、列に加わったからには勉強し、努力し、走らなければならない。でもそれが社会や時代とともに生きるということなのではないでしょうか。働かないで自由に暮らす選択をしたら、その時間は失われていく。私のように好きな将棋の道を選んでもそれは同じことなのです。
(羽生善治「サバイバルは当たり前」朝日新聞 2006 年 1 月 29 日)
(注 1) 将(しょう)棋ぎ:二人で向かい合い、平たい盤(ばん)面(めん)の上に置いた駒こまを動かして行うチェスに似たゲーム。 勝つためのさまざまな駒の進め方と全体の形を「戦型」と言い、駒の動かし方を「手」と言う。「王」 の駒を囲んだ状態にした方が勝ちとなる。実際に試合をすること「対局」と呼ぶ、全体がどう展 開するかを「大局」と言う。
(注 2)格段:全然違うこと
(注 3) お怠こたる:なまける
(注 4) 予断を許さない:事前に判断することができない
(注 5) 漠然:はっきりとしないこと
1.「① 大変な勢いで変化しています」とあるが、なぜ変化しているのか。
A.コンピューターを使って情報を集めたり分析したりすることができ るから |
B.通信技術が発達し、インタネットで将棋の指し方を調べられるようになったから |
C.若い棋士たちが集まって作った研究会の活動が許可されるようになったから |
D.将棋についての研究が学術的、体系的に知られるようになったから |
A.しかし | B.その上で | C.したがって | D.一方 |
A.自分が好きなことだけに関心を向け、時代の流れを見て努力したことはなかった |
B.自分の発想を重視してやっていたので、時代の変化について考えた事はなかった。 |
C.時代や対戦相手のことは全く気にしないで、自分の思う通りに将棋を指していた。 |
D.時代の速さを意識せず、 自分の能力にしたがって進めば時間が流れると思っていた。 |
A.時代のスピードについていくために努力すること |
B.自分のベースと時代の速さの差を見極めること |
C.若いときは時間について考えていないこと |
D.若い人も年を取るし、時代の変化は速いこと |
A.ただ好きな将棋を続けたいという気持ちだけがあった。 |
B.今まで将棋を続けているとは全く予想していなかった。 |
C.ずっと将棋をしていたから時代についていけたと思う。 |
D.他にやってみたい仕事があったが、途中であきらめた。 |
【推荐2】私の少年時代は、自然の中で小さい子供も年上の子供も一緒に群れて遊んでいた。これは(ア)1950年代半ばまでは日本ではごく普通に見られた日常の光景だった。子供が群れるのは一つの自然なのだ。
群れただけでなく、自分たちで遊びや喧嘩のルールを決めるなど、大人に干渉されない子供だけの自立した世界を作り上げていた。そこでの生活を通して、子供は生きていく上で大事な社会性を身に付けてきたわけだ。(イ)、高度成長を経て、子供を取り巻く環境がすっかり人工的になってしまった。自然が壊されて、身近にいた動物や昆虫、植物がいなくなっただけでなく、核家族と少子化が進み、「群れる」という子供の内なる自然まで失われたのだ。
家族や兄弟の少ない子供たちは、物余りと情報過多、そして、競争社会の中で、塾や習い事に忙しく追われ、家の中に閉じこもってゲームをしたり、テレビを見て過ごしたりしている。かってのように異年齢の子が群れて遊ばなくなったために、人生で一番重要な社会性を育む機会のないままに大きくなってしまうところに、今の教育の深刻な問題の要因があるように思う。
もはや自然発生的に群れて遊ぶことは無理である以上、大人が群れる場を仕掛けていくしかない。教育の現場では、すでにそれに気づいているところもあるようだ。例えば、小学校では、同級生だけで遠足に行くのをやめて、1年から6年までの小集団単位で行くとか、給食のときには、一つのテーブルに1年から6年までが一緒に座り、6年生の子が箸の持ち方を教えたり、「後片付け!」と指導したりする。上の子が言うほうが先生が言うよりずっと効果がある。
1.文中の(ア)に入れるのに最も適当なものはどれか。A.私に限ったことで | B.私に限ったことではなくて |
C.子供に限ったことで | D.子供に限ったことではなくて |
A.しかし | B.たとえば | C.また | D.ところで |
A.子供の身近にいる動物や昆虫や植物のこと |
B.大人に干渉されない子供だけの自立した世界を作り上げること |
C.家で1人でゲームをしたり、テレビを見たりする子供の集中力のこと |
D.塾や習い事に通い、ほかの子供に負けたくないと言う競争意識のこと |
A.今の子供が昔のように群れて遊ぶ事は無理であること |
B.核家族、少子化は子供の教育に深刻な問題をもたらすこと |
C.大人になると、社会性を身に付ける機会がなくなってしまうこと |
D.大人が子供の群れる場を作ってあげなければならないこと |
A.先生は言わないで上の子が指導するというルールを先生が作ったから |
B.小集団の遠足に先生は行かないので、上の子が指導しなければならないから |
C.違う年齢の子がいる子供社会では上の子の教えを聞くのがルールだから |
D.上の子は塾や習い事に忙しく、早くしないと次のことができないから |
【推荐3】これまでの教育では,人間の頭脳を倉庫のようなものだと見てきた。知識をどんどんためる。倉庫は大きければ大きいほどよろしい。中にたくさんのものが入っていればいるほどけっこうである。
人間の頭はこれからも,一部は倉庫の役を果たし続けるが,それだけではいけない。新しいことを考え出す工場でなくてはならない。倉庫なら,入れたものをなくさないようにしておけばいいが,ものを作り出すには,そういう保存保管の能力だけでは足りない。工場にどんなものでも入っていては作業能率が悪い。必要でないものは捨てて広い( ア )をとる必要がある。そうかといって,すべてのものを捨ててしまっては仕事にならない。整理が大事になる。
倉庫の整理はそこにあるものを順序よく並べることであるが,( イ ),工場内の整理は,作業の邪魔になるものを捨てることである。
この工場の整理に当たるのが忘却である。人間の頭を倉庫として見る場合,忘却は危険だが,人間の頭を工場としてみる場合,能率をよくしようと思えば,どんどん忘れることが必要である。
1.「これまでの教育」では人間の頭をどう見てきたか。
A.倉庫のようなものだ。 |
B.工場のようなものだ。 |
C.頭が大きければいいものだ。 |
D.新しいことを考え出すものだ。 |
A.継続の能力 |
B.作業の能力 |
C.保存保管の能力 |
D.製品生産の能力 |
A.態度 | B.空間 | C.時間 | D.立場 |
A.あるいは | B.たとえば | C.それでは | D.それに対して |
A.倉庫と工場の整理をしてはいけない。 |
B.知識を勉強する時,忘却が必要である。 |
C.知識を整理する時,忘却も必要である。 |
D.人間の頭は倉庫とまったく同じである。 |