生物学に「適者生存」という概念があります。「生物は環境に最も適した者が生き残る」というもの。
有名な例えは「キリン(长颈鹿)の首」です。キリンの首はなぜ長いのか。適者生存で考えると、首が長くなったほうが遠くまで見渡せて外敵から身を守れるし、高い木の葉っぱを食べやすくなるから。環境がキリンの首を長くしたのだ、と考えます。
これとは対照的なのが「運者生存」の概念で、文字どおり「運のいい者が生き残る」というものです。( ア )魚のマンボウは一度に約2.7億の卵を産み、このうち親になるまで成長できるのは1~2匹といわれています。
適者生存で考えると「生き残った1匹はほかの卵より環境に適していたのだ」となり、運者生存で考えると「生き残った1匹はほかの卵より運がよかったのだ」となる。この場合、無数の卵のうちのたった1匹だけに、遺伝的な適合性があったと考えるのは奇妙で、非常に不自然です。この1匹が生き残ったのは、まさに(イ)からにほかならのです。
長い長い時間や種全体の存続、といったマクロ的な(宏观的)視点からみると、やはり適者生存説は現象をうまく説明しています。しかし、人間の一生くらいの短い時間や、比較的少ない個体数といった集団の規模での現象を観察すると、運者生存が当てはまる(符合)ケース(事例)が少なくありません。
さて、「運者生存」というと、自分には、何もできることはない、努力して何とかなるものではないのではないかなどと思うかもしれません。しかし、私はそう思わないのです。運·不運というのは、誰の身にも公平に起きていて、その運をどう生かすかを少なくとも人は主体的に関わっていける、というのが私の考えです。
1.「適者生存」に当てはならないのはどれか。A.温室で育った菊の花は春節に咲いた。 |
B.恐竜は絶滅したが、鰐はまだ生き残っている。 |
C.野生のパンダの数はだんだん少なくなっている。 |
D.マンモス(猛犸象)は消えたが、象はまだ地球に生存している。 |
A.しかし | B.そして | C.例えば | D.だから |
A.奇妙であった |
B.運がよかった |
C.環境に適していた |
D.個体数が少なかった |
A.長い時間から見れば、運者生存の例が多い。 |
B.種全体の存続を観察すれば、運者生存の例が多い。 |
C.マクロ的な視点から見れば、運者生存の例が少なくない。 |
D.個体数の少ない集団を観察すれば、運者生存の例が少なくない。 |
A.「運者生存」は不公平だ。 |
B.「運者生存」だから努力しても無駄だ。 |
C.人間は主体的に自分の運を生かすことが可能である。 |
D.運がいつ起きるか分からないから、人生を運に任せるしかない。 |
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【推荐1】従来、旅行業にとって顧客を喜ばせることは難しくなかった。自分の行ったことがないところに行きたい、見たことがないものを見たい、食べたことのないものを食べたいとのが主なニーズであったし、長い休みの存在自体が旅行の動機になり得たからだ。だから参加者の多くは、そこに行って、そこそこの観光ができれば、十分に満足した。旅行会社は、価格を抑えるために人々を大量に効率良く送客すればよかった。北海道や沖縄、グアムやハワイ、アジアのリゾート地…場所の魅力を繰り返し伝えて刺激し続ければそれでよかった。
(ア)、そうして多くの人がさまざまな場所に出掛けるようになると、今度はただ行くだけでは満足しなくなる。目的が必要になる。行ってどうするのか、何ができるのかという目的が重要になる。(中略)
この流れは現在も続いており、旅の動機づけとしては重要な視点となっている。ただ、残念ながらそういうことをマス(集团)としてとらえることが、価値観の多様化のなかで難しくなってきている。個々の目的を一つに束ねてマスの企画にすることが難しいのだ。ブームが発生しづらくなっている状況と原因は同じであろう。
(近藤康生『なぜ、人は旅に出るのか』ダイヤモンド社による)
1.文中の「自分」は誰のことを指すか。A.自分自身 | B.旅行会社 |
C.筆者 | D.客 |
A.高くても遠い場所でのんびり過ごせればよかった。 |
B.経験したことのないことができればよかった。 |
C.気に入った場所に繰り返し行ければよかった。 |
D.近くて安い場所に短期間行ければよかった。 |
A.しかし | B.それに | C.なぜなら | D.それで |
A.一回の旅行でさまざまな場所へ行けるかどうか |
B.観光するだけで満足できるかどうか |
C.行ってしたいことができるかどうか |
D.新しい場所へ行けるかどうか |
A.個々のニーズに合った団体旅行を考え出すこと |
B.魅力を感じてもらえる場所を探し続けること |
C.旅行に行こうという気持ちにさせること |
D.価格を抑えた団体旅行を企画すること |
【推荐2】読書は、本の書き手や登場人物の言葉が自分の中に根づくことで、人生を豊かにしていくことができるものです。読書で言葉を増やしていけるのです。一方で、他者が自分の中に入り込む怖さもあります。自分より遥かに思考力がある人の考えを読み、その人が深く入り込んできたら……。自分がなくなってしまうくらい影響を受けるかもしれません。読み方を間違えれば危険でもあるのです。(中略)
言葉を使っているというのもポイントで、著者の思考をなぞる(临摹)ことができてしまう。それだけ深いレベルで影響を受けやすいのです。そう考えると、場合によっては「批判的に読む」ことも必要でしょう。ただ注意したいのは、何でも批判的に読めば思考力が深まるわけではないということです。著者の思考、世界観をいったんはそのまま受け入れるほうが得るものは大きいはずです。「どっぷり(浸透)読書」も、それはそれでいいものです。その世界にどっぷりはまる(陷入)ことで、思考が深まる面もあります。そのうえで批判的に読みます。ちょっと離れたところから見るような感じです。この視点は、様々な本を読んでいるうちに自然と身につくものでもあります。
一人の作家に入れ込んで(热衷于)、その作家のものばかり読んでいると、どうしても視点が偏りがちになります。その作家しか受け付けない、というのではやはり思考も深まりません。違うタイプの作家のものを読んだり、違うジャンルの本を読んでいると、同時にいくつかの視点を持てるようになります。
1.文中に「危険」とあるが、どのような点が危険か。A.著者の考えに疑問を持つこと |
B.著者の考えに支配されてしまうこと |
C.著者の考えを読み間違えてしまうこと |
D.著者の考えを理解することで満足してしまうこと |
A.著者の視点がすぐに身につくから |
B.著者の問題点に気づくようになるから |
C.自分の考えも深まることがあるから |
D.自分の考えを著者に近づけることもできるから |
A.人生を豊かにしていける | B.言葉を増やしていける |
C.思考力を深めていける | D.視点が偏りがちになる |
A.視点が偏らないように、様々な種類の本を読むことが大切だ。 |
B.思考を深めるには、偏りのない視点で書かれた本を読むことが必要だ。 |
C.一人の作家を理解するには、その作家の違う種類の本を読んだほうがいい。 |
D.作家から影響を受け過ぎないように、常に批判的に読まなければいけない。 |
A.批判的な読書 | B.正しい読書のやり方 |
C.思考力の深め方 | D.言葉の増やし方 |
【推荐3】今年は海外で年末年始を過ごした。そこには紅白歌合戦もなければ、大晦日の夜の鐘の音も聞こえてこなかった。そこで、今回は日本と欧米との年越しの違いが気になった。
そのもっとも大きかったことは、日本の年末年始が、大晦日に大きな意識があって、新年は次のものであることだった。
日本人は年末が近づくと忘年会をやる。過去を捨てようと、一生懸命である。また大晦日の終曲は、まだまだ紅白歌合戦である。何しろ、出場できなかった女歌手が、人気回復に特別な写真集を出すほどらしい。そんな記事を週刊誌で読んだ。
そして大晦日の夜の鐘の音。この暗い感じは、どうも好きになれない。ところが今回年末を過ごした所では新年を迎えて、海上の空に花火が打ち上げられた。まあまあの豪華さだった。
また大晦日のカウントダウン(倒计时)は欧米にもある。とくにヨーロッパの田舎では12時のキスば今でもあるらしい。
しかしそれにしても、欧米でも忘年会にあたる英語はないし、クリスマスの飾りはクリスマスが済んでもそのままお正月に人るから、街の風景は変らない。それでこそ欧米人から来るカードに「クリスマス、おめでとうございます!新年、おめでとうございます!」と書いてあることも納得できる。
やはり重点の置き方はヨーロッパとアジアで違い、さらに中国と日本でも違って、日本はいちばん、ゆく年(旧年)に重さがあるように思える。
一年間の反省や勘定の清算も大いに結構だが、どちらかといえば、もっと前向きに年のあらたまったことのほうを大事にしたいと思うが、どうであろう。とくに近ごろ、日本人は景気が悪くて元気が出ない。そんな時は忘年会をやめて新年会だけにしよう。紅白歌合戦は「明けましておめでとう」を強調したものを、年が明けてからやろうではないか。そして新年の日の出や初詣で(新年初次参拜)に出かけもするし、テレビやラジオも、熱心にそれを放送してほしい。
これが私の新年の夢である。
1.文中の「日本と欧米との年越しの違い」の中で、もっとも大きいのはどれか。A.日本は大晦日の過ごし方を重視するが、欧米はカウントダウンを重視する。 |
B.日本はお正月の雰囲気を重視するが、欧米はクリスマスの飾りを重視する。 |
C.日本は忘年会のある年末を重視するが、欧米は年末と年始を同様に重視する。 |
D.日本は過ぎ去って行く年を重視するが、欧米は新年を迎えることを重視する。 |
A.紅白歌合戦に出場できなかった女歌手が、人気回復に写真集を出すこと |
B.大晦日の夜の鐘の音が暗い感じを与えるから、好きでない人が多いこと |
C.日本の大晦日の終曲として、歴史を持つ紅白歌合戦がまだ続いていること |
D.過去を捨てようと、日本人は年末が近づくと一生懸命に忘年会をやること |
A.欧米ではクリスマスの飾りはきれいだから、新年に人った後も撤去しない |
B.忘年会に当たる英語がないから、欧米人のカードにはその意味の表現もないこと |
C.欧米人のカードに、クリスマスと新年とのお祝いの言葉が一度に書かれること |
D.欧米人はとくに田舎では、忘年会のかわりに大晦日の12時にキスを交わすこと |
A.新年の日の出にみんなの夢を託して好景気になってほしい。 |
B.年末には一年間の反省や勘定の清算を大いに行ってほしい。 |
C.年末の行事より新年を祝う行事をもっと熱心に行ってほしい。 |
D.欧米や中国のような祝い方で年末年始の行事を行ってほしい。 |
A.過去の一年への反省が新年を祝うよりもっと重要だということを認識すべきだ。 |
B.過ぎ去って行く年に重点を置いている日本はもっと新年に期待をかけるべきだ。 |
C.欧米の年末年始の考え方は日本の風習と合わないので取り人れるべきではない。 |
D.中国の新年を祝う習慣などは日本とほぼ同様であることを忘れるべきではない。 |