【推荐1】「搭子」とは、一種の新しい人付き合いのスタイルで、何か具体的なことを一緒にする仲間のことを指すとともに、親密な友だち関係の代わりとなる気楽な付き合いという意味としても使われている。

味の好みが同じ人と「メシ搭子」になれば、1人での食事だと料理を1品しか注文できないというデメリットを解決し、割り勘にすることもできる。（イ）、大学院受験において、資料集めに疲労困憊している際には、「勉搭」の存在が資料集めの大変さも緩和してくれる。

なぜ「友だち」ではなく、「搭子」だけを探そうとする人が次第に増えている傾向にあるのだろうか。

一方、「搭子」に求めることは非常にシンプルで、趣味が同じや方向性が似ているといった共通点だけで、若者はすぐに「搭子」になれる。関係維持するために苦労する必要ないというのが、今の若者が求める人付き合いのスタイルにマッチしている。

こうした「搭子スタイル」とは、寂しさを一時的に和らげくれる「痛み止め」のようなものでありながら、最終的に忘れ去られる存在だ。しかしだからといって、存在価値がないというわけでは決してない。リズムの速い暮らしにおいて、同僚は辞めるかもしれず、友だちは他の場所へ引っ越してしまうかもしれない。こうした日常において、「搭子」は自分と都市をしっかりとつないでくれる「糸」となっているのだ。（563字）

【推荐2】若者が携帯で「もしもし」を言わないケースが多いようだ。携帯による電話は、今までの電話の最初の基本的なやり取りを変えた。

今までは、「もしもし、こちら小泉と申します。田中さんのお宅ですか。真紀子さん、お願いできますでしょうか。」「はい、少々お待ちください。」というパターンだった。（ ア ）、携帯は、「あ、今いい?」「うん、今どこ?」だけで始まってしまう。相手の名前は、話す前にわかっているので、その挨拶は必要がなくなる。相手の場所と都合だけがわからない。最初から用件を伝えるだけでいい。

相手が出ているのだから、相手がどこにいようと構わないようなものだが、どこにいるのかわからない人と話すのはなんとなく不安になる。ケータイ以前、話すときには、たいてい相手の場所が特定できた。今でもケータイに慣れていないので、思わず「今どこ?」と聞いてしまう。

時間と場所の制約から解放されたことを享受できながらも、相手の（ イ ）が分からなくなって、嘘がつきやすくなったという。最近は、わざと違う場所の騒音を入れる機種もあるとか。パチンコ屋にいても、駅のホームからかけているように装うことができるらしい。

【推荐3】日本では国勢調査5年に1度、10月1日を基準日にして全国一斉に実施される。それは大正9年の第1回から一貫して変わらない。「冬は雪が深く、夏は暑く、また春は旅行、山へ遊びに行く人が多く」不適当とされ、「秋に調査時期を求めざるを得ない」となった。また、農作業が暇で、調査に参加できるという理由もあったようだ。

国勢調査は、日本に住んでいる人（外国籍の人も含む）を対象に行う調査で、人口や世帯の実態などを知る。この調査は1920年に始まったが、この20～30年間で、人々が国勢調査に協力的ではなくなってきている傾向が見られる。

国勢調査は人々の置かれている社会経済的状況をデータ（数据）として把握し、その上、データを利用して、さらに（ア）を提供するものである。したがって、人々が国家運営や社会問題について関心を共有し、国勢調査がその関心に十分応えるものだと認識していれば、調査に積極的になるはずである。また、国勢調査だけではなく、企業や大学の研究者による社会調査でも回答者の協力が得られなくなってきている。これらの調査が社会の発展にとって重要なものだと理解してもらうために、分かりやすく説明し、国民の理解の促進を行うのではないかと思う。