10 . 小さい頃、父は寺子屋ワンツーワン(一对一)で私を教育してくれました。
「夕焼けはなぜ赤い。」小学校三年の時、理科の試験でそんな問題が出たことがあります。父に聞いていた通り「空が恥ずかしがっているから」と書いたら、バツがついて返ってきました。
「(ア)」と聞くと、父は急に不機嫌になって、「どちらも嘘じゃない。考えて出す答えはいくつもあっていい。君、○✖で決めてしまう人生じゃないんだ」と言いました。(中略…)父と学んでいて楽しかったのは国語でした。だが、理数科がダメで「なんで九九(乘法表)がわからないのか」とさすがの父も匙を投げました。でも「ダメなところばかりを考えると、悲劇のヒロイン(女主角)になる。悲劇は君には似合わないぞ。好きなものを一生懸命やればいい。好きなものは信じられないくらいやれる。掛け算(乘法)が苦手だって、(イ)」と言ったのを覚えています。
父に教わった事の中に、一番大切だったのは夕焼けの問題のとき「答えは一つじゃない、それが人生だ」という発想だったかもしれません。今日はダメだった(ウ)、明日はちょっと違うシナリオ(脚本)を書いてみようかな、という余裕が持てました。それはなかったら、役者の仕事と、妻や母であることとの両立も難しかったと思います。
1.
文中の(ア)に入れるのに最も適当なものはどれか。A.なぜ空が恥ずかしがっていないの? |
B.なぜ先生が分かってくれなかったの? |
C.なぜ先生はバツをつけたの? |
D.なぜ嘘を教えたの? |
2.
文中に「さすがの父も匙を投げました」とあるが、この文はどういう意味か。A.九九もできない「私」に対して、父は絶望だった。 |
B.九九もできない「私」に対して、父も仕方がない。 |
C.九九もできない「私」だとしても、父もいつも応援している。 |
D.九九もできない「私」がこれからの人生が悲劇だと父は思っている。 |
3.
(イ)に入る文として、適当なものはどれか。A.割り算(除法)ができないよりずっといい。 |
B.足し算(加法)ができればすぐに掛け算もできるようになる。 |
C.足し算をいくつもいくつも重ねれば答えが出る。 |
D.一生懸命練習すればかならずできるようになる。 |
4.
文中の(ウ)に入れるのに最も適当なものはどれか。5.
文章の内容に合っているのはどれか。A.父は寺子屋ワンツーワンの教育が嫌いだ。 |
B.人生は一回しかないから、自分が好きなことだけやればいい。 |
C.筆者は高等教育を受けられなかったから、今の生活は苦しい。 |
D.一つの可能性に限らず、余裕を持ちながら人生に向いたほうがいい。 |