1 . (二)
本屋さんには怒られるかもしれませんが、たとえば私が子供のころは、本は貸し本屋(出租书的店)で借りて読むものでした。戦後まだ十分に本が出版されておらず、買えるものではなかったので、貸し本屋という商売が残っていたのです。自転車もそうです。貸し自転車を借りて遊んでいました。借りて済むものは借りるというのが、普通だったのです。
それが世の中が物質的に豊かになってくると、何でも個人で所有することが豊かさだと思うようになります。( ア )高度経済成長期になると、貸し本屋や貸し自転車屋というようなものは、すぐに消えていきました。一人ひとりが、何でも全部所有するというふうになってしまいました。現在の環境問題に至るすべてのものの考え方の誤りはそこにあるのです。
「レンタルの思想」というのは、ある意味で資本主義という制度の考え方とは矛盾します。資本主義というのは個人の欲望を刺激するうえに成立しています。モノを買おうという個人個人の欲望を拡大するから発展するのであって、みんなが節約をしたり借り物で済ますようになったら、いまの資本主義が成り立たないのは自明です。
1.( ア )に入れる言葉としてもっとも適当なものは次のどれか。A.だから | B.しかし | C.ところが | D.また |
A.自分の車を買う |
B.中古の本を買う |
C.図書館から本を借りて読む |
D.個人の欲望を満たすために、物をいっぱい買う |
A.借り物で済ませようとする考え方 |
B.貸さずに借りようとする考え方 |
C.一人ですべてを買い占めようとする考え方 |
D.個人で所有するのが豊かさだという考え方 |
A.個人の欲望の拡大と資本主義は矛盾する。 |
B.個人の欲望はレンタルの思想を発展させる。 |
C.レンタルの思想と資本主義は両立しない。 |
D.資本主義は物質的に豊かにならなければ成り立たない。 |
A.本屋さん | B.子供 |
C.資本家 | D.貧しい時代に生まれた人 |
A.召し上がります | B.存じます |
C.いらっしゃいます | D.いってまいります |
3 . これまでの教育では,人間の頭脳を倉庫のようなものだと見てきた。知識をどんどんためる。倉庫は大きければ大きいほどよろしい。中にたくさんのものが入っていればいるほどけっこうである。
人間の頭はこれからも,一部は倉庫の役を果たし続けるが,それだけではいけない。新しいことを考え出す工場でなくてはならない。倉庫なら,入れたものをなくさないようにしておけばいいが,ものを作り出すには,そういう保存保管の能力だけでは足りない。工場にどんなものでも入っていては作業能率が悪い。必要でないものは捨てて広い( ア )をとる必要がある。そうかといって,すべてのものを捨ててしまっては仕事にならない。整理が大事になる。
倉庫の整理はそこにあるものを順序よく並べることであるが,( イ ),工場内の整理は,作業の邪魔になるものを捨てることである。
この工場の整理に当たるのが忘却である。人間の頭を倉庫として見る場合,忘却は危険だが,人間の頭を工場としてみる場合,能率をよくしようと思えば,どんどん忘れることが必要である。
1.「これまでの教育」では人間の頭をどう見てきたか。
A.倉庫のようなものだ。 |
B.工場のようなものだ。 |
C.頭が大きければいいものだ。 |
D.新しいことを考え出すものだ。 |
A.継続の能力 |
B.作業の能力 |
C.保存保管の能力 |
D.製品生産の能力 |
A.態度 | B.空間 | C.時間 | D.立場 |
A.あるいは | B.たとえば | C.それでは | D.それに対して |
A.倉庫と工場の整理をしてはいけない。 |
B.知識を勉強する時,忘却が必要である。 |
C.知識を整理する時,忘却も必要である。 |
D.人間の頭は倉庫とまったく同じである。 |
4 . わたしは小学生時代苦しい経験がありました。祖父が外交官で、祖母はイギリス生まれ、母は中国生まれと、国際的な家庭で育ちました。日本の小学校に通ったのですが、家庭の文化と学校文化がずいぶん違うため、常に不安でした。「失敗したくない、他の子と違う思われたくない」と、いつも周囲の様子を見ながら、他の子の真似(模仿)をしていました。それでまた「キョロキョロしている(东张西望) 」と注意されてしまい、しばらくの間は学校に行こうとするとおなかが痛くなったりしました。そんな私が変わったのは、3年生の時に新しい担任の先生と出会ってからです。その先生は、私の作った物語を見て「すてきなお話」と褒めてくれたのです。それが嬉しくて、褒められたくて、毎日お話を書いて先生に見せました。物語もだんだん長くなり、文章を書くことも楽しくなりました。それが自信となり、給食(学校供餐)もたくさん食べられるようになって体力も付き、気づくと(ア)。
つまり、教員の行動にはそれだけの影響力があるから、これから教員になりたいみなさんに覚えてほしいと思います。教員として日々の自分の言葉や態度を観客的に振り返る(回顾)ことが大切なんだと思います。
1.文中に「他の子の真似をしていました」とあるが、その理由は何か。A.自分は何もできないから |
B.他の子のほうがすばらしいと思ったから |
C.他の子を真似するようにと言われたから |
D.自分が特別な存在だと思われたくなかったから |
A.体が弱いから |
B.学校に行くとつらいから |
C.周囲の様子がおかしいから |
D.日本の食生活に慣れないから |
A.失敗も多くなりました |
B.先生が好きになりました |
C.学校は楽しいところになっていました |
D.自分が他の子と同じようになっていました |
A.自分が正しいことをしているから。 |
B.自分の言葉や態度がよく変わるから。 |
C.自分が正しくないことをしているから。 |
D.自分の言葉や態度が生徒に影響するから。 |
A.小学生 | B.教員になりたい人 |
C.自分の担任の先生 | D.自分の小学校の同級生 |
A.気をつけない | B.気がつかない | C.気がしない | D.気にしない |
A.しておいた | B.してみせた | C.しておいて | D.してみせて |
7 . (一)
私が中学1年の時の英語の教師は、社会科担当なのに、英語も受け持ち(承担)、熱意はまったく感じられなかった。
発音に自信がないせいか、授業の声は大きくなくて、発音指導もなかった。言葉の意味の説明があるが、分かりにくいところが多かった。宿題も単語100回ずつ書くといったものばかりだった。2年生で英語専門の教師に変わり、授業内容の差に驚いた。
私たちは、発音記号も読めず文法も分からず、しばらく授業に付いていけなかった。それ以来、苦手意識が生まれてしまい、受験は暗記で乗り越えた(通过)が、「聞く」「話す」といったコミュニケーションについては今も劣等感がある。
現在、自信を持って英語を教えられる小学校教師はどれぐらい(ア)。自信のない教師に教えられても子供は伸びないだろう。教師の質が確保できないなら、必修にはしないでほしい。5年後、わが子が小学生になるころはどうなっているのだろうか。どうか私たちの経験した教育だけはしてほしくない。
1.「英語の教師」についての説明に合っているのはどれか。A.社会科の担当だったが、大きな声で教えた。 |
B.文法を中心にして熱心に生徒に教えた。 |
C.宿題だけで授業では何も教えなかった。 |
D.発音指導はしなかったが、単語は教えた。 |
A.社会科目の担当先生が英語を受け持ってから。 |
B.英語専門の教師が英語を受け持ってから。 |
C.新しい先生の授業に付いていけないと分かったときから。 |
D.コミュニケーションができないと分かったときから。 |
A.いるのじゃないか | B.いるのじゃない | C.いるのだろうか | D.いるのだろう |
A.教師の質が下がっているから。 | B.小学生には早すぎるから。 |
C.「聞く」「話す」を教えないから。 | D.苦手意識が自然に生じるから。 |
A.英語専門の教師に教えられた。 |
B.自信のない教師に英語を教えられた。 |
C.子供を伸ばす英語教師に教えられた。 |
D.発音記号が読めない教師に英語を教えられた。 |
A.そうにない | B.そうではない |
C.ようにない | D.ようではない |
9 . このチームは3つのグループ いて、彼が入っているグループは一番素晴らしい。
A.が分けて | B.を分けて | C.に分かれて | D.と分かれて |
「ごめんごめん、ちょっと用事ができたから、遅くなってしまって…今、電車に乗っている なんだ。」
A.つもり | B.ところ | C.わけ | D.べき |