1 . 動詞には、自動詞と他動詞という二つの種類があることはご存じだろう。辞書で動詞の言葉を引くと、必ず(自)とか(他)とか分類がしてある。例えば「入る」といえば自動詞、「入れる」といえば他動詞になる。「お茶が入りました」といえば自動詞的な言い方、「お茶を入れました」といえば他動詞的な言い方になる。一般に「水を飲む」とか「ピアノを弾く」など、「を」を受ける動詞は他動詞だと言われる。
(ア)全部がそうだとは限らないところが日本語の厄介なところだ。「家を出る」「道を歩く」など場所や通過を表す動詞は、「を」に続いても他動詞とは言わないのである。これは「道が歩かれる」とか「家が出られる」といった受け身の形がないからだ。
(中略)
「親に死なれる」「先に行かれる」という言い方がある。「死ぬ」「行く」は共に自動詞だが、自動詞なのに受動的な表現をすることがあるのである。この場合は、他人がこのような動作をしたことで、結果的に自分が悲しい思いをした、被害を受けた、というような意味に使われる。直接他人を非難するのではなく、(イ)表現しているのだ。このような言い方はいかにも日本的である。
1.
自動詞的な言い方と他動詞的な言い方に合っていないのはどれか。A.「髪が伸びる」:自動詞;「髪を伸ばす」:他動詞 |
B.「電気が消える」:自動詞;「電気を消す」:他動詞 |
C.「ドアが開く」:他動詞;「ドアを開ける」:自動詞 |
D.「月を見る」:他動詞;「月が見える」:自動詞 |
2.
文中の(ア)に入れるには最も適切なのはどれか。3.
文章によると、「『を』に続いても他動詞とは言わない」動詞はどれか。A.国境を超える | B.本を読む | C.大きい目をする | D.質問を出す |
4.
「親に死なれる」のような動詞の使い方と一致しているのはどれか。A.この盆栽は正門のところに運ばれた。 |
B.大雨に降られて、風邪を引いた。 |
C.この漫画は多くの人に読まれている。 |
D.最近話題になった小説は上村春樹によって書かれた。 |
5.
(イ)に入れるには最も適切なのはどれか。