2 . 「目は口ほどに物を言う」「目は心の鏡」などといわれるとおり、目·視線は人の心理状態や性格をよく表します。もともと目は、情報の取り入れとそれに対するフィードパックという役割を持っています。
情報の取り入れというのは、目の前の対象に関するさまざまな情報を自分の中に取り込むことです。相手の表情や印象、服装、手ぶり、身ぶりなどから、相手について何らかの判断を下します。見ることは、判断材料を集めるための重要な手段です。しかも、相手に対する関心や好意の度合いによって、視線の合わせ方が変わります。
相手の情報を得ると、それについての反応を相手に対して返すことも、目の役割のひとつです。相手に好意を持っていることを「相手を見つめること」で表現する、これが情報のフィードバックです。
目のこうした働きは、互いにコミュニケーションをとるために大きな意味を持っています。知らない人と電話で会話をすると、非常に話しにくいのは目による情報の取り入れや、互いの視線によるやりとりができないからです。相手の表情も見えない上、自分の反応も伝えにくいわけです。(ア)、自分の話が区切りに近くなると自然に人は視線を相手から外します。そうすると相手は「そろそろ私が話をする番かな」と思って、自分が話し始める心の準備をします。心理実験でも、そういった細かいサインのやりとりが、目線の動きによって行なわれていることが分かっています。電話だとそうした視線のやりとりができず、話の受け渡しのタイミングが計りにくいため、話しにくくなります。視線をあまり合わせない人とは話がしにくいのも、同じような理由によると言えるでしょう。
1.
文中の「目は心の鏡」の意味は何か。A.目は情報の取入れをする役割を持っている |
B.目は情報に対するフィードバックという役割を持っている |
C.目は反応を伝えることができる |
D.目は人の心理状態や性格を表す |
2.
文中の「情報の取り入れ」は何を指すか。A.相手に関する情報を自分の中に取り込むこと |
B.相手の表情や印象、服装、手ぶり、身ぶりのこと |
C.視線の合わせ方が変化すること |
D.自分の話が区切りに近くなると人は視線を相手から外すこと |
3.
文中の「情報のフィードバック」の指すことはどれか。A.相手を見つめること |
B.互いにコミュニケーションをとること |
C.情報についての反応を相手に対して返すこと |
D.相手に好意を持っていることを表すこと |
4.
文中の(ア)に入れるのに最も適当なものはどれか。5.
文中の「同じような理由」の指すことはどれか。A.自分の話が区切りに近くなること |
B.視線のやりとりができず、話の受け渡しのタイミングが計りにくいこと |
C.人は視線を相手から外すこと |
D.細かいサインのやりとりが、目線の動きによって行なわれていること |