8 . 私の家族は忙しい。父は毎晩遅くまで仕事、母はパート、大学生の姉もアルバイトで帰りが遅い。また、妹と私は受験が近づくので、塾や予備校で家にいないことが多い。(ア)家族みんなで食事をすることが、最近では少なくなってしまった。
しかし、(イ)忙しくても私たちが集まる日がある。それは半年に一回我が家で開催される、タコ焼き(章鱼烧)パーティーの日だ。この日は必ず全員が集まる。まずタコ焼きから作り始める。十年以上続いているこの行事に父は一種の誇りを持っており、普段全く料理をしない父が、この日だけ全て自分でやる。私たち子供はタコ焼きをひっくり返すのが仕事で、普段食事を作ってくれる母と祖母は何もしなくていい。十年以上作り続けたタコ焼きは年々おいしくなった。初めはベチャベチャしていたタコ焼きもだんだんふわふわに作れた。父が毎年いろいろな味付けを開発する。新しい味付けを思い付いては皆で試し、「おいしい」「まずい」などと言って大騒ぎするのも一つの楽しみだ。
大阪と言えば、タコ焼きというイメージがあるが、私にとってタコ焼きは、大阪のシンボルとしての食べ物というだけではない。タコ焼きは、普段忙しい家族を集め、その見た目のとおり家族を「団欒」にしてくれる食べ物だ。
1.
文中の(ア)に入れるのにもっとも適当なものはどれか。2.
文中の(イ)に入れるのにもっとも適当なものはどれか。3.
筆者の家ではいつも料理を作るのが誰か。4.
筆者にとってタコ焼きはどんなものか。A.味がずっとまずい食べ物 |
B.家族を集めてくれる食べ物 |
C.味がおいしい食べ物だけ |
D.大阪のシンボルとしての食べ物だけ |
5.
文章の内容に合っていないものはどれか。A.家族で食事をすることが、少なくなった。 |
B.父が作ったタコ焼きが年々うまくなった。 |
C.母が新しい味付けを開発するのも一つの楽しみだ。 |
D.タコ焼きは家族を「団欒」にしてくれる食べ物だ。 |