8 . 約束の時間を守らないで、他人に迷惑をかけることは悪いことであることは、誰も認める。それなのに、どうして私達はこんなに時間にだらしがない(散漫)のだろうか。その理由は、私たち日本人は、時間を無駄にしたり、無駄にされたり(被浪费)することにあまり細かく気にしない性質であるからだ。十人の会合に、十分遅れてやってきた人は、ほかの九人の人たちから十分ずつ、合計九十分の時間を奪い取ったわけだが、当人はそれほど重大な誤りを犯したと思わず、十分ぐらいの時間の無駄は、ほとんど気にしない。
これがお金だったら、人々はこんなに吞気(不慌不忙)にしないだろう。つまり多くの日本人にとって、時間をお金の価値に換えて考えるほど、大切ではないのだろう。しかし、自分にとって大切ではなくても、他人もそうであると考えることは(ア)であろう。時間を正確に守らないのは、忙しすぎる人と、暇すぎる人に多いようである。前者は他人は自分ほど忙しくないだろうから、少しぐらい待ってもらっても大丈夫だろうと考え、後者は他人にも暇な時間があると考えているである。どちらも自分中心の考えである。
しかしこれからの若い人は、自分と他人の時間を大切にすることを学ぶ必要がある。そうでなければ、満足した共同生活を送ることはできなくなるであろう。
1.
文中に「私達はこんなに時間にだらしがない」とあるが、それはなぜか。A.人と違う動きをするから |
B.時間はいくらでもあるから |
C.他人の迷惑にならないから |
D.時間を細かく気にしないから |
2.
文中の「当人」は誰を指すか。A.他人 | B.遅れてきた人 |
C.ほかの九人の人たち | D.会合に参加した十人 |
3.
文中の(ア)に入れるのに最も適当なものはどれか。4.
文中の「後者」はどんな人を指すか。A.忙しすぎる人 | B.暇すぎる人 |
C.他者中心の人 | D.時間を大切にする人 |
5.
筆者の考えに合っているのはどれか。A.時間を守らない人ほど、他人には時間を守ることを求める。 |
B.満足する共同生活のためには、何よりも自分の時間が大切である。 |
C.たいていの日本人は、時間をお金と同じくらい大切だと思っている。 |
D.これからは自分の時間と同じく、他人の時間も大切にしていくべきだ。 |