1 . 食事が喉を通らない。どうしたものか。なにがあったものなのだろうか。不思議だ。無理に口に入れてみるが、咀嚼することもままならない。飲み込むことができない。しかしそれがたまらなく嬉しかった。まるで自分が特別な人間のように思えたのだ。生きているような気がした。
口に入れたものを皿に戻し、箸を置く。汚いな。よだれでドロドロに濡れたものを見た感想がそれだった。自分で出したものなのに、どうしてこう、涎というものは自分自身のものであっても汚らしく感じてしまうのだろうか。そんなことはどうでもいい。手を鳴らす。パンという簡素な音がしんとした部屋に響き鳴る。
「ごめんなさい」
普段はいただきますも、ごちそうさまも言わない。やはり自分の特別感に酔ってしまっているのだろうか。少しだけ気分が良い、そんな気がするのだ。それこそ、今なら一度や二度理不尽に殴られようと許せてしまうのではと思えてしまうほどに。どうせ食事が入らないのなら要らぬ調理だった。(ア)作り、食そうとしなければ結局食べれないのか、なんて分からないわけで、この今一な感情をどう処理すれば良いのだろうと、溜め息を吐きながら食事をゴミ箱に放った。
注:理不尽:不讲理
1.「それ」とあるが、何を指すか。
A.いつも食べたくて仕方ないものがいらないほど食欲不振なこと |
B.食道のあたりがキリキリと痛むが、食欲はとてもあること |
C.食事を飲み込むことがつらいと感じるほど胃が痛くなったこと |
D.咀嚼することもうまくできないほど、食事が喉を通らなくなったこと |
A.自分が特別な人間のように思えて、生きていることが実感できたから |
B.自分が普通な人間のように思えて、生きていることが実感できたから |
C.生きているのに、生きていないような不思議な感覚を実感できたから |
D.仕事が続いていたが、体調不良を理由に休めると思ったから |
A.自分は淸潔だが、他人は不潔だと感じてしまう自分の神経のこと |
B.汚いものでも、自分のものであると愛せると感じること |
C.涎は自分の一部なのに、どうして汚いと感じてしまうのかということ |
D.自分の一部分であるものにかかわらず、嫌いになってしまうということ |
A.理解できない | B.道理に合う | C.道理に合わない | D.理解できる |
A.それで | B.しかし | C.また | D.つまり |
2 . わたしは「まだ若い」と思っていたが、来月60歳になります。まもなく 会社も退職になります。退職したら、何をすればいいかと考えていると、友 達が何でもできると言いました。
友達のお母さんは今85歳だが、5年前に目が悪くなってしまったそうです。 大きいものは少し見えるが、細かいものは全然見えません。それで、友達は お母さんと一緒に住もうと言ったが、お母さんは一人で大丈夫だと言って、 いっしょに住みたがりません。そして、今まで絵をかいたことがないから、 ぜひ絵をかいてみたいと言って、絵を習いに行き始めました。目が悪いので、 絵がかけるかと、みんなは心配しました。しかし、お母さんがかいた絵は明 るくて、とてもいい絵でした。いつも先生に褒められて、絵をかくのがどんどん好きになって、絵が上手になりました。
お母さんはいまが一番楽しいと言っているそうです。この話を聞いて、わ たしもこれから新しい生活を十分楽しみたいと思います。
注释:退職/退休 何でも/什么都・…・・ 細かい/细、小
褒められる/被表扬十分/充分
1.「わたし」は若い人です。2.「わたし」はもうすぐ60歳です。
3.「わたし」は仕事を辞めたら何もしません。
4.友達のお母さんは80歳のとき、目が悪くなったのです。
5.友達は大きいものは少し見えるが、細かいものは全然見えません。
6.友達はお母さんといっしょに住んでいます。
7.友達のお母さんは一人で住むことが好きです。
8.友達のお母さんは目が悪いですが、絵を習いました。
9.友達のお母さんがかいた絵はあまりよくないです。
10.友達のお母さんは今楽しいです。