7 . 暑い夏、外を歩くと汗が出る。汗を止めるために冷房の効いた部屋に入る。誰もしがちな行動だが、実は、私たちの体にとっては良いことではない。
汗は汗腺によって作られるが、この汗腺は汗を作るだけではなく、汗を体外に出す役割も持っている。そして多くの汗腺が活発に働いていれば、蒸発しやすいサラサラ(干燥清爽)した汗が作られ、体温調節がスムーズに行われる。汗腺は人の体には200~500万か所ほどあるが、通常、そのうちの半分程度が働かずに休んでいる。そして、通常でも半分しか働いていないのに、冷房を多用するなどして汗を出さないでいると、更に(ア)が増えていく。
働いている汗腺が100か所あって、そこで100ccの汗を作って出すという処理をしなければならないとして考えてみよう。その時に、もし冷房の効いた部屋に入り、汗腺が50か所しか働かなくなれば、1か所当たり1ccの処理のはずが、2倍の2ccの処理になる。そうなると、処理が間に合わず、塩分などの体内に吸収されるべき成分を含んだままの汗が体外に出してしまうことになる。このような汗はべたべた(黏糊糊的)としており、蒸発しにくく、「蒸発することで体温調節をする」という汗の役割をうまく果たせない。
休む汗腺を増やさないためには、日頃から汗が出る時にはそのまま出すという生活をしたほうがいい。飲食物に気をつけることも有効である。汗が出ている時に冷えたものを取ると、脳が「体は冷えた」と判断し、汗を止めてしまうので、注意が必要だ。
1.
文中の「良いことではない」とあるが、それはなぜか。A.冷房の効いた部屋に入ると、すぐ病気になるから。 |
B.全ての汗腺が汗を作れなくなるから。 |
C.働くべき汗腺が働かなくなるから。 |
D.体にある汗腺の数が減ってしまうから。 |
2.
(ア)に入れるのに最も適当なものはどれか。A.働く汗腺 | B.休む汗腺 | C.活発な汗腺 | D.体の汗腺 |
3.
文中の「汗の役割」とあるが、それは何を指すか。A.汗を作るだけではなく、汗を体外に出すこと。 |
B.塩分などの体内に吸収されるべき成分を処理すること。 |
C.冷房を多用して、多くの汗腺を活発に働かせること。 |
D.蒸発することで体温調節をすること。 |
4.
筆者によると、休む汗腺を増やさないためにはどうすればよいか。A.日頃から水分を多く取り、汗が出やすい状態にする。 |
B.運動を通して汗をたくさん出して、汗腺の機能を高める。 |
C.汗が出るときには、できるだけ止めないようにする。 |
D.暑い夏、汗が出たら冷たい飲み物を飲む。 |
5.
文中の「汗が出ている時に冷えたものを取ると」とあるが、その場合どうなるか。A.多くの汗腺が活発に働けるようになる |
B.塩分などの成分を処理してしまう |
C.脳が「体は冷えた」と判断し、汗を止めてしまう。 |
D.体によくないと注意される。 |