1 . 昔、漢文で筆談すれば,日本人も中国人も意思疎通をすることができた。また漢文は、語彙(词汇)や文法が安定しているため、千年単位の歳月の変動にも、あまり影響されない。日本や中国の生徒は、学校の授業で、『詩経』の三千年前の漢詩や、『論語』の二千』五百年前の孔子の言葉を読まされる。これはわれわれにとってはあたりまえのことだ。しかし世界的に見ると、今でも読める「古文」がない国のほうが多いのである。
(ア)、イギリスやアメリカの学校の授業に「古文」はない。アルファベット(字母)でしか書けない西洋語は、文字が発音の変化を忠実に反映しすぎて、綴り(拼写)が百年単位で変動してしまうため、千年も経つと「外国語」になってしまうのだ。英語の最古の叙事詩『ベーオウルフ』は、八世紀の作品であるが、一般の英米人はこれを音読することさえできない。
時代や国境を越えた普遍語としての漢字と漢文にあこがれた西洋の知識人は、意外に多い。日本文明の歴史も、漢文の存在がなければ成立できない。
1.漢文について正しいのはどれか。A.漢文を使えば社会が安定する。 |
B.漢文は百年単位で変動している。 |
C.漢文は語彙や文法が分かりやすい。 |
D.漢文は時間が経っても、あまり変わらない。 |
A.例えば | B.だから | C.それでは | D.ただ |
A.他の国の言葉になってしまう。 | B.外国人が使うようになってしまう。 |
C.文字がの変化を忠実に反映する。 | D.綴り方が変わって、分からなくなる。 |
A.『ベーオウルフ』は内容がとても難しいから |
B.『ベーオウルフ』は古い言葉で書かれているから |
C.『ベーオウルフ』を知る人がたいへん少ないから |
D.一般の英米人は『ベ-オウルフ』を勉強しないから |
A.日本の文明の歴史は漢文の歴史だ。 |
B.日本の古文があったから漢文がある |
C.日本の文明の成立は漢文に深く関係している |
D.日本の歴史は漢文だけで書かれたものではない。 |
2 . 健太の家では、放課後に友達を家に呼んでいい日が決まっている。お母さんの仕事の都合があるからだ。今日がその日だ。いつものメンバー(成员)でゲームをしよう。そう思って学校へ出かけようとしたとき、お母さんに声をかけられた。
「家に呼ぶのは3人までにしてね。」「なんで?」
「先週,お友達がたくさん来てにぎやかだったでしょう。うるさかったので、近所の人から苦情(抱怨)がきたのよ。人数が多いのは困るわ。」
3人か。どうすればいいかなあ。
6時間目の算数の時間。健太は授業もそっちのけで(没心思)、放課後の予定について考えていた。
やっぱり、陽翔と悠斗と大翔を家に呼ぼう。本当は亮介も(ア)。
教室から外を見ると、厚い雲が校庭に影を落としていた。亮介に何て言おうと考えしると、健太の心は、次第に(逐渐)沈みこんでいった。
1.文中の「その日」は何の日か。A.学校がある日 | B.お母さんが仕事に行かない日 |
C.友達を家に呼ぶことができる日 | D.放課後友達の家へ遊びに行く日 |
A.友達の家に行かないこと |
B.危ないから友達と一緒に家に帰ること |
C.いつもの3人の友達を家に呼ばないこと |
D.家に来てもらう友達を3人以内にすること |
A.お母さんが声をかけたから |
B.お母さんがうるさかったから |
C.友達がたくさん来て騒いだから |
D.健太のクラスは生徒の人数が多いから |
A.困るだるうな | B.呼びたいけれど |
C.うるさいからね | D.にぎやかなのが好きだ |
A.暗い気持ち | B.退屈な気持ち | C.後悔した気持ち | D.安心した気持ち |
3 . 「幸せ」の定義は、人によってまったく違うでしょう。洋服や時計、車や家を買うことができたら幸せだと考えている人がいます。また、よい友達を得ること、高校、大学、会社や資格試験に合格すること、海外旅行に行くことなどが、その対象になることもあるでしょう。
しかし、幸せになれると思っていた目標物も、いざ(一旦)手に入れてみると、思ったほど幸せには感じないものです。目標達成中毒の人は、次の目標をすぐに立てることで自分を駆り立てます(驱使)。次の目標がないから、幸せになれないのだと考えるからです。
そして、常に目標を追い求める躍動感を幸せと勘違いして(误以为)しまいます。しかし、そういう生き方をしていては、いつまでたっても(ア)。
幸せは、達成したりして獲得できるものではないからです。幸せは、日常生活の中で、ふと気づくものです。私はいままで、世界的に成功している実業家、政治家の人たちと会ってきましたが、幸せそうな人は、わずか一部でした。
一方、幸せそうな人ほど、一般的には平凡で退屈な人生を送っているように見えました。
幸せとは、何気ない(不经意)日常で感じるものだからです。誰かに、「幸せですか」と聞かれて初めて、「そういえば、幸せですわ。考えてもみませんでした」という夕イプ(类型)が、幸せそうな人生を生きている感じがします。
自分が幸せかどうかを考えずに自分の好きなことに没頭(热衷于)している人、そういう人が幸せに最も近いのかもしれません。
あなたは、幸せでしょうか。あなたにとっての幸せとは何でしょうか。
1.目標達成中毒の人はなぜすぐ次の目標を立てるのか。A.ほしいものが手に入らないから |
B.自分の目標が達成できないから |
C.目標を追い求める躍動感を幸せと感じるから |
D.目標に向かってがんばる気にはならないから |
A.幸せになれます | B.幸せになれません |
C.目標がありません | D.目標を達成できます |
A.筆者 | B.「幸せですか」と聞く人 |
C.自分が幸せだと感じる人 | D.自分が幸せかどうか考えない人 |
A.ほしいものを得て感じる。 | B.何気ない日常生活で感じる。 |
C.世界的に成功してから感じる。 | D.常に目標として追求して感じる。 |
A.退屈な人生を送っている人 |
B.やりたいことをやって成功を求める人 |
C.幸せかどうかを気にせず,好きなことをやっている |
D.常に高い目標を立てて,それに向かって頑張っている人 |
母と2 人で2 日間かけて話し合ってルールを決めた。
•お小遣い帳をつけ,毎月チェック(检查)を受ける
•お年玉(压岁钱)など臨時収入はすべて貯金する
•教育費は母が払うが、それ以外はわたしが払う
•ネットショッピングなどをする時は、必ず母に相談し許可を受ける
新しいお小遣い制が始まるとすぐに、これは大変なことだと気づいた。まったく無駄に使うことができないのだ。
携帯の料金もお小遣いで払うので、使いすぎないように気をつけるようになった。服を買う時は、かわいいから欲しいとはいかなくなった。まずは予算を立てなくてはならない。値段を見て、あきらめる場合がほとんどだ。予算の範囲で、好きな服を見つけた時はとてもうれしいし、その服を大切に着るようになった。また,自分にとって本当に必要なものかどうか、買う前に考えるようになった。
そして、必要ないと思うものはあきらめて買わないようにすると、( ア )ことに、少し日が経つと、「まったく必要なし J という気持ちになっているのだ。
1.文中に「うん。やってみる! I とあるが,その時はどんな気持ちか。A.嫌がる気持ち | B.不安な気持ち |
C.うれしい気持ち | D.がっかりした気持ち |
A.貯金する | B.母にあげる | C.教育費にする | D.自由に使える。 |
A.高いから | B.欲しくないから |
C.必要がないから | D.かわいくないから |
A.残念な | B.悔しい | C.悲しい | D.不思議な |
A.よく服を買うようになった。 |
B.お金を無駄に使わなくなった。 |
C.携帯を自由に使えるようになった。 |
D.必要のないものも自分で買うようになった。 |
5 . スマートフォン(智能手机)の普及により、日本人のネット利用時間は増加を続けている。ネット依存が大きな社会問題になっている。
ネット依存にはいくつの種類がある。ソーシャルメディア(社交网络)の利用時間が長い「グループ依存」がその一つである。依存者は親しい仲間から外されるのではないかという不安から、ソーシャルメディアに頻繁に接続する。
日本人は生活の中で、人とのつながりを重視する傾向があり、意識調査でも、余暇の過ごし方について、「好きなことをして楽しむ」の次は「友人や家族とのつながりを深める」が高い比率を占めている。
2011年には東日本大震災が発生し、ますます人とのつながりが日本人にとって重要になっている。震災時にソーシャルメディアが情報伝達で有効であったという報道のおかげで、日本ではソーシャルメディアはここ数年で急速に( ア )。特にその世界に没入する(沉溺)若者が多い。
現在、ネット依存防止の有効策はまだない。が、ネット依存がどんなに危険か、事例を説明するなど、学校では( イ )の教育に力を入れることが必要であろう。
1.文中に「グループ依存」とあるが、どの意味はどれか。A.休まずにネットゲームばかりすること |
B.仲間との関係を過度に気になること |
C.ネットでよく感想など書くこと |
D.人とのつながりが嫌いなこと |
A.仕事がないから |
B.充実感があるから |
C.不安感があるから |
D.仲間が誘っているから |
A.意識調査を重視すること |
B.好きなことをして楽しむこと |
C.余暇の過ごし方を工夫すること |
D.友人や家族とのつながりを深めること |
A.設備を増やした |
B.人気がなくなった |
C.利用者を減らした |
D.利用者を増やした |
A.依存防止 | B.危険防止 |
C.病気防止 | D.地震防止 |
6 . 入社して4年目で初めての結婚記念日の日に、社内で緊急事態が発生した。もしかしたら全員が会社に泊まって、家へ帰れなくなるかもしれないという大変なことになった。「結婚記念日( ア )、帰らせてください」とは絶対に言えなかった。
5時になった頃、課長がぼくを呼びつけ、封筒を渡して、「これをK社に届けろ」と言ってきた。K社は隣の県にあるので、今から車で出ても8時までに着けるかどうかさえ分からない。「届けたら直接帰宅していいから」と言ってくれたが、直接帰宅と言われても、K社に届けて、家まで帰ったら、きっと11時は過ぎるだろう。文句を言いたかったが、「分かりました」と言って封筒を預かった。
封筒の中を見ようとすると「内容は車の中で見ろ。急いで行け!」と課長は冷たく言った。不満の声で「行ってきます」と言うと、課長の同情の目に送られて駐車場へ向かった。
車に乗り込み、封筒を開けると、1枚の紙があった。「結婚記念日おめでとう。今日はこのまま帰りなさい」と書かれていた。会社に入って初めて泣いた。
その翌年、課長は家の家業を継ぐために退社した。
送別会の席で、お礼を言ったら、「( イ )」と課長は忘れていたかのような顔だった。
課長、お元気でおられるだろうか。
1.文中の( ア )に入れるのに最も適当なものはどれか。A.でも | B.なのに |
C.なので | D.と言って |
A.会社に泊まるから | B.課長が帰宅したから |
C.封筒をくれないから | D.家に着くのが遅くなるから |
A.課長に不満があるから |
B.K社は隣の県にあるから |
C.課長の思いやりに感動したから |
D.封筒を届けなければならないから |
A.そんなことあったか |
B.そんなことあったぞ |
C.そんなことあったよ |
D.そんなこともあった |
A.冷たい人 | B.偉そうな人 |
C.仕事に熱心な人 | D.部下に親切な人 |
7 . わたしの家族は主人、わたし、息子の3人家族です。一人っ子(独生子女)なので、普段は家で子どもが大人を相手に遊んでいますが、わたしたちは息子を子ども相手にではなく、自分も子どもになって、真剣に遊んでいます。息子も友だちと一緒に遊んでいる感覚で真剣に遊びます。競争も、わたしたちは、子どもだから勝たせてあげるのではなく、同じように一生懸命遊びます。
それでも、息子はたまに、「ぼくのことが好き?」と聞いてくることがあります。もちろんすぐに好きだと伝えますが、特に誕生日の記念日には、サプライズ(惊喜)を考えたりして、あなたのことを本当に大切に思っているという気持ちを全力で示します。( ア )、息子もまた不安が消えて、どんな事にも頑張ってくれるのです。
子育ては「子を育てる」のもありますが、「子に育てられる」というのもあると思います。息子は未熟なわたしたちを親にしてくれたと思っています。わたしたちは息子を通して親の偉大さ、大切さを強く感じ、自分の親にも感謝しています。1.文中に「子ども相手にではなく」とあるが、その意味はどれですか。
A.親としてみるのではなく |
B.大人としてみるのではなく |
C.友だちとしてみるのではなく |
D.子どもとしてみるのではなく |
A.不安な気持ち | B.感謝の気持ち |
C.安心した気持ち | D.満足した気持ち |
A.または | B.それで | C.つまり | D.ところで |
A.息子はまだ未熟である。 |
B.親は子どもを立派に育てた。 |
C.息子のおかげで、親は成長した。 |
D.息子の出生で、親が未熟になった。 |
A.自分 |
B.子ども |
C.息子の両親 |
D.息子の祖父母 |
8 . 現在、「朝読」が多くの小中高校で行われている。「朝読」とは朝の読書運動のことで、授業前の10分間、先生と生徒たちが自分の好きな本を読み、( ア )、授業を始めるものである。1988年に千葉県の高校で始まったのが最初だ。今は、読書の習慣を付けたり、読む力を付けたりするためにすることが多いが、本来は、遅刻や欠席が多かったので、生徒たちが落ち着いて一日を始められるように、考えられたそうだ。
「朝読」では、生徒たちは4つのルールを守るように指示される。「毎日やる」「みんなでやる」「好きな本でよい」「ただ読むだけ」である。
この「朝読」にはいろいろな効果がある。本を読むスピードが上がること、本が読めない子どもが読めるようになることなどだ。それだけでなく、生徒の態度や心の状態にもいい変化が見られるようだ。遅刻が減って授業にスムーズ(顺畅)に入れるようになったこと、生徒が急に怒り出したり、教室を出ていったりすることが減っていること、などが報告されている。
1.文中の( ア )に入れるのに最も適当なものはどれか。A.だから | B.そこで | C.それから | D.それでは |
A.たくさん本を読むこと |
B.本を読む力を付けること |
C.本を読む楽しさを知ること |
D.落ち着いた気持ちで授業に入ること |
A.読む時間は自由である。 |
B.読む内容は自分で決める。 |
C.読む内容が決められている。 |
D.一人で大きな声を出して読む。 |
A.本を早く読めるようになった。 |
B.文章への理解力が高くなった。 |
C.教室への出入りが激しくなった。 |
D.授業に遅れる生徒が少なくなった。 |
A.生徒にいい変化が見られた。 |
B.ルールを作るようになった。 |
C.生徒の成績が下がっていた。 |
D.生徒の好きな本が減っていた。 |
書道をやると,まず集中力が身に付きます。一度墨で紙に書いてしまったら,鉛筆で書く時のように消しゴムで消すことはできません。そのため,書く前に心を落ち着かせ,字の形や筆(毛笔)の動かし方を頭の中に思い浮かべます。その書き方に沿って字を書くので,自然に紙や手に心が集中するのです。
それから,道具を扱う力が身に付きます。筆や墨は,正しく持って上手に使わないと,服を汚したりします。子どもたちは,道具の正しい扱い方には意味があると学ぶのです。また,自分の道具を自分で準備したり片づけたりするのも大事な勉強です。
( ア ),道具によって,字が上手になるだけでなく,人生に必要な基礎の力をつけることができます。子どもに書道を学んでほしいと考える親は,今後もいなくなることはないでしょう。
1.文中の「集中力」の具体的に指すものはどれか。
A.筆で書く時の集中力 | B.鉛筆で書く時の集中力 |
C.道具を準備する時の集中力 | D.消しゴムで消す時の集中力 |
A.先生の正しい書き方 |
B.墨で書いた時の書き方 |
C.鉛筆で書いた時の書き方 |
D.頭の中でイメージした書き方 |
A.筆や墨などを正しく上手に使う力 |
B.人から借りた道具を大事に使う力 |
C.書道の道具の使い方を人に聞く力 |
D.汚した服を自分できれいに洗う力 |
A.それでは | B.それから | C.このように | D.そのように |
A.書道は,本当は家で親が子どもに教えるほうがいい。 |
B.書道は,人生に必要な基礎の力を付ける立派な習い事だ。 |
C.書道は,字を書く機会が減っても,なくならないだろう。 |
D.書道は,学ぶことが多いので,大人たちにもぜひ勧めたい。 |
10 . これまでの教育では,人間の頭脳を倉庫のようなものだと見てきた。知識をどんどんためる。倉庫は大きければ大きいほどよろしい。中にたくさんのものが入っていればいるほどけっこうである。
人間の頭はこれからも,一部は倉庫の役を果たし続けるが,それだけではいけない。新しいことを考え出す工場でなくてはならない。倉庫なら,入れたものをなくさないようにしておけばいいが,ものを作り出すには,そういう保存保管の能力だけでは足りない。工場にどんなものでも入っていては作業能率が悪い。必要でないものは捨てて広い( ア )をとる必要がある。そうかといって,すべてのものを捨ててしまっては仕事にならない。整理が大事になる。
倉庫の整理はそこにあるものを順序よく並べることであるが,( イ ),工場内の整理は,作業の邪魔になるものを捨てることである。
この工場の整理に当たるのが忘却である。人間の頭を倉庫として見る場合,忘却は危険だが,人間の頭を工場としてみる場合,能率をよくしようと思えば,どんどん忘れることが必要である。
1.「これまでの教育」では人間の頭をどう見てきたか。
A.倉庫のようなものだ。 |
B.工場のようなものだ。 |
C.頭が大きければいいものだ。 |
D.新しいことを考え出すものだ。 |
A.継続の能力 |
B.作業の能力 |
C.保存保管の能力 |
D.製品生産の能力 |
A.態度 | B.空間 | C.時間 | D.立場 |
A.あるいは | B.たとえば | C.それでは | D.それに対して |
A.倉庫と工場の整理をしてはいけない。 |
B.知識を勉強する時,忘却が必要である。 |
C.知識を整理する時,忘却も必要である。 |
D.人間の頭は倉庫とまったく同じである。 |