1 . 飼い主によくなついた(亲近、顺从)犬は、映像の中の自分と他の犬を見分けている可能性があるとする論文を日本の研究チームが発表している。飼い主が他の犬をかわいがる様子と、自分と飼い主が交流する様子を見たときでは心拍数の変化が見られたという。嗅覚に優れる犬は視覚に頼った生活をしていないとされているが、親しい人間がかかわると例外的な反応をするようだ。
イルカやゾウなどの動物は、映像や鏡で自己の姿を認識する能力を持つことが明らかになっている。(ア)動物は共通して高度な社会認知能力を持つが、同様に社会認知能力を持つ犬が自己を認識できるかどうかは分かっていなかった。
飼い犬が他の犬に“嫉妬”のような感情を持つとする先行研究を前提として研究チームは検証を行った。
実験では、鏡を見ることに馴れた12匹の犬に「飼い主が他の犬と交流しない」「飼い主が自分と交流する」「飼い主でない人が他の犬と交流する」「飼い主が他の犬と交流する」の4パターン映像を見せて、自律神経系の反応を心拍変動解析を用いて評価した。結果を見ると「飼い主が他の犬と交流する」映像と「飼い主が自分と交流する」映像の間で自律神経系の反応に有意な差はなかったという。(イ)、飼い主への愛着行動スコアが高かった犬のほうが自分が映っている映像に対して「興奮あるいは緊張状態」になったことが分かったという。
実験結果を受けて研究チームは、犬は映像で自己と他個体を区別することができるとは言えないものの、飼い主への愛着が強い犬については自律神経系が異なる反応を示すと結論づけた。今回の実験ではサンプル数が限られていたため、今後はさらなる研究が必要になるとしている。
1.映像で自己と他個体を区別することができるとは言えないのはどれか。A.イルカ | B.ゾウ | C.イヌ | D.ニンゲン |
A.嗅覚の優れている犬 | B.視覚の優れている犬 |
C.自分と他の犬を見分けられる犬 | D.飼い主への愛着が強い犬 |
A.この | B.こうした | C.あの | D.ああした |
A.だから | B.一方で | C.それに | D.そこで |
A.飼い主によくなついた犬は、映像の中の自分と他の犬を見分けている |
B.嗅覚に優れる犬は視覚にまったく頼らず生活をしている |
C.犬は映像で自己と他個体を区別することができる |
D.今回の実験ではサンプル数が多くない |
2 . 戸籍の氏名に読み仮名を記載し、その付け方にも一定のルールが求められることになった。日本語は漢字と仮名が混在するうえ漢字の読み方も多様な言語だ。その伝統を尊重し、厳正且つ柔軟に対応してもらいたい。
法制審議会の専門部会が戸籍法改正要綱案をまとめた。政府が今国会に改正案を提出し、令和6年度にも施行する見通しだ。
従来、読み方は住民票には記載されるが戸籍にはなかった。マイナンバーカードへの記載など、行政事務のデジタル化に対応するためという。
要綱案では「一般的に認められている読み方」に限るとした。パブリックコメントやアンケ一トで、幅広い年代から一定の制限を求める声が多かったからだ。
親が決めた名前の読み方に規制がかかることをよしとしない意見もある。とはいえ、名前は個人的なものであると同時に、人が社会で生きるための社会性も併せ持つ。近年は「キラキラネーム」と呼ばれる特異な名前も増え社会問題化した。命名で子供に不利益が生じないか、公的に一定の基準を定めるのは当然だ。
(ア)、わが国独特の命名文化を踏まえ、柔軟に対応するとの補足説明も付いた。常用漢字表や辞書に載っていない場合でも説明を求めたうえで判断する。漢字と反対の意味や、連想できないような読み方は認められない。
漢字は古代中国で生まれ輸入された表意文字だ。仮名はそこから発生したわが国固有の表音文字である。中国では基本、一つの漢字に一つの読み方をあてるが、日本では漢字には音読み、訓読みがある。さらに源頼朝の「朝」を「トモ」と読むような「名乗り訓」もあり、独特の命名文化が醸成されてきた。今回はそんな歴史や伝統を踏まえ幅広く裁量を認める。
法制化されると既に戸籍がある人も届け出が必要になるが、その場合は一般的でなくても従来使ってきた読み方も認められる。
1.氏名の読み仮名として認められないのはどれか。A.常用漢字表にあるもの | B.辞書に載っているもの |
C.名乗り訓 | D.連想できない読み方 |
A.賛成 | B.反対 | C.認める | D.納得 |
A.それで | B.一方で | C.すなわち | D.ところで |
A.法制審議会の専門部会 | B.政府 | C.国会 | D.本人や家族 |
A.日本の名前の読み方が多様である |
B.戸籍法改正要綱案はもう施行した |
C.中国では一つの漢字に一つの読み方をあてる |
D.既に戸籍のある人は一般的でない名前の読み方が認められない |
3 . 曆の上での1年の始まりは、1月1日です。しかし、企業、学校などの「新年度」の始まりは4月1日なのです。これを「年度初め」とも言います。なぜ「年度初め」は4月なのでしょうか。
「年度」とは、「会計年度」と呼ばれ、官公庁が予算を執行するために規定された1年の区切り方です。会計年度は明治19年(1886年)に始まりました。当時、日本の主産業は稲作でした。政府の主な税金収入源が農業の米だったのです。納税は米ではなく現金だったので、農家が秋に米を収穫し、それを現金に換えて納税し予算を編成すると、1月では間に合わず、4月からするのが都合が良かったため会計年度を4月にしたと言われています。
また、当時世界一の経済力を誇っていたイギリスからの影響が考えられています。では、なぜイギリスでは4月始まりとなったのでしょうか。それは、1752年にイギリスが太陽暦に改暦したことと深い関連があります。この年にイギリスは従来まで3月25日だった年初を1月1日に変更したのです。この暦を採用したことにより、支払いに関しての問題が発生しました。「その年の支払いは年内に」という商習慣により、支払いの期限も3ヶ月前倒じ(提前)となったわけです。じかし、当時のイギリスには、年内の支払いを、年明け後1週間までは猶予する(缓期)という伝統的な習慣がありました。従来の3月25日を年初とすると、3月31日はその猶予期問内になります。(ア)、金銭のやり取りの締め切りを3月31日とすることで、商習慣を変える必要がなくなったので、イギリスは、会計年度を4月1日から翌年3月31日までとしたのです。
1.文中に「4月からするのが都合が良かった」とあるが、それはなぜか。A.納税手続きには時間がかかるから |
B.1月は休みが多くて、働かないから |
C.会計制度は毎年4月1日に始まるから。 |
D.米を現金に換えるのに、1カ月かかるから |
A.4月始まり | B.世界一の経済力 |
C.明治の改暦 | D.イギリスからの影響 |
A.太陽暦に改暦したこと | B.商習慣を変えたこと |
C.支払い期限が変わったこと | D.年初の時間が変わったこど |
A.または | B.そこで | C.それに | D.ところで |
A.会計年度とは | B.イギリスの歴史 |
C.日本経済の基盤 | D.新年度はなぜ4月なの |
4 . 人間の生活は、自然との戦いから始まったと言われています。戦いと言っても、最初は、自然の厳しさからどのように身を守るかということでした。そのために、人間は、住まいを作りました。寒い地方の人間は、寒さを防げる住まいを、雨の多い地方では、雨が防げる住まいを作りました。
このような気侯・風土に対する工夫は、建築の大事な要素です。北極に近いグリーンランド(格陵兰岛)に住むエスキモー人(爱斯基摩人)は、冬になると、雪の塊を四角に切り、お椀を伏せたような形に積み上げて、家を作ります。寒い土地で雪の住まいとは、ちょっと不思議に思われますが、雪は、木や石よりずっと熱の伝わりにくい物なのです。雪の家ですから、火をどんどん焚くというわけにはいきませんが、 僅かな火でも、あるいは体温だけでも、熱が外へ逃げなければ、そのうちに部屋が暖かくなるというわけです。
次に暑い地方の住まいはどうでしょう。南アフリカに住むバンッー族(班图族)は、泥を円筒形に固め、草で屋根を段って、家を作ります。泥で作った家は、厳しい太陽熱を避けるのに都合がいいからです。暑い国でも、東南アジアの国々のように雨の多い所では、泥の家だと、すぐに崩れてしまいます。こんな所では、竹や木を組み合わせて風通しのいい家を作ります。
また、地面に直接作らずに、地上や水上に支柱を立て、その上に家を作ることも多いです。セレベス島(苏拉威西岛)では、高い木の上に家を作るところがあります。これは、河川の氾濫や獣の害を防ぐとともに、少しでも高ければそれだけ涼しいということを知っていたからかもしれません。
1.文中に「人間は、住まいを作りました」とあるが、それはなぜか。A.気持ちよく過ごせるようにするため |
B.寒さや暑さや洪水などを防ぐため |
C.熱が外へ逃げないようにするため |
D.自然の厳しさから身を守るため |
A.雪は熱の伝わりにくいものだから |
B.火をどんどん焚く必要がないから |
C.体温だけで部屋が暖かくなるから |
D.雪以外に建築材がないから |
A.泥でないと、家がすぐに崩れてしまうから |
B.厳しい太陽熱を避けるのに都合がいいから |
C.草で屋根が覆われていて風通しがいいから |
D.特別な円筒形に固められていて丈夫だから |
A.地面に直接作れないから |
B.河川の氾濫が防げるし、寒さに強いから |
C.蒸し替い夏の通風に役立つから |
D.獣の害が防げるし、涼しいから |
A.住まいと生活 | B.住まいの歴史 |
C.住まいの工夫 | D.住まいの作り方 |
5 . 環境問題では「リサイクル」という言葉をよく聞く。リサイクルとは、要らない物を壊して、別の物に作り変えることだ。( )、読み終わった新聞紙からトイレットペーパー(抽纸)を作ったりする。物を捨てればゴミになるが、リサイクルすればゴミを出さないことができる。だが、リサイクルが形を変えるのにお金が掛かるし、エネルギーも使う。
また、「再使用」という方法もある。再使用というのは、物を壊さないで、何度も使うことを言う。( )、飲んだ後のペットボトル(塑料瓶)を洗ってまた使う。それで、再使用するペットボトルは何回も使えるように、少し厚くしっかりと作られている。ドイツでは1本のペットボトルをだいたい15~30回ぐらい使うそうだ。
以前は、お金やエネルギーの点で、リサイクルより再使用のほうがいいと考えられていた。しかし、実際に調べてみると、場合によっては再使用のほうがお金やエネルギーを使うことが分かってきた。それで、最近はどちらのほうが環境にいいとは単純には言えなくなっている。
1.文中の「リサイクル」とはどのようなことだか。A.要らなくなった物から新しい物を作ること |
B.要らなくなった物を壊して捨てること |
C.物を壊さないで、ゴミの量を減らすこと |
D.物を捨てないで、そのままもう1度使うこと |
A.それに |
B.例えば |
C.あるいは |
D.つまり |
A.再使用には全然お金が掛からない。 |
B.再使用した物はリサイクルできない。 |
C.再使用できるのはペットボトルだけである。 |
D.再使用する物は丈夫に作られている。 |
A.厚くてしっかりした物を作るのに、あまりお金が掛からないから |
B.厚くてしっかりした物を作るのに、あまりエネルギーが掛からないから |
C.厚くてしっかりした物は何回も使うことができるから |
D.厚くてしっかりした物はリサイクルできるから |
A.リサイクルは再使用より、エネルギーを使わないから環境にいい。 |
B.リサイクルより再使用のほうが、ゴミが減って環境に与える影響が少ない。 |
C.リサイクルと再使用では、どちらが環境にいいか簡単には決められない。 |
D.リサイクルも再利用も環境に問題があるから、中止したほうがいい。 |
6 . 若者はなぜ動物について学習しますか。それは自分自身を知るためだけでなく、自分が関わる相手を知るためにも不可欠な学習です。動物は、それぞれによって違うの独自の生き方をしますが、互いに関係して生存しています。
私たち人間自身も動物ですから、自分が動物であることを知らないで、どう生きるかを見定める(看准、看清)ことができません。また人間は他の動物を含む生物世界と関わって生きています。いわば、動物を含む他の生物は、人間 ア 生活条件となっています。その関わる相手を知らないと、どう関われば生きていけるかが分かりません。
しかしこれだけでは不十分です。どうしても「動物とどう関わればよいか」ということの基本を知らなければなりません。自分が関わる相手の動物について知ることは欠かせませんが、それだけでなく、これまでの人間と相手である動物との関わりがわからないと、 イ からの関わり方を生み出すことはできません。1.筆着によると、若者は動物について学習する理由として、正しくないのはどれか。
A.自分自身を知るため |
B.自分が関わる相手を知るため |
C.動物と間わり方を知るため |
D.動物と関わらずに生きていくため |
A.について | B.にとって | C.にそって | D.にたいして |
A.人間と関わる生物を知ること | B.人間との関わり方を知ること |
C.人間自身を知ること | D.動物の生き方を知ること |
A.どれ | B.あれ | C.これ | D.それ |
A.若者は動物の生き方をまねしながら勉強する必要がある。 |
B.若者は動物を知ろために動物と関わらなければならない。 |
C.若者は動物を保護するために動物について学習する。 |
D.若者は動物についての学習を通して、どう生きるかを見定める。 |