1 . 四季の中で、わたしは秋という季節が一番好きだ。これは、ほとんどの人に共通の好みだろう。日本という国は、気候的にあまり住みやすい国ではない。夏は湿気が多く、蒸暑い。春は空が低く憂鬱であり、冬は寒さがすこしひどすぎる。日本の気候では、秋だけが快適で、よく人間の生活環境に適している。
だがわたしが秋が好きなのは、こうした一般的な理由以外に、特殊な個人的の意味もあるのだ。というのは、秋が戸外の散歩に適しているからだ。わたしは趣味のない人間だ。釣りやテニスなどという趣味娯楽は、わたしがまったく知らないところだ。碁、将棋が好きだが、友人との交際がないわたしは、めったに手合せする相手がいないので、結局それもしない。旅行ということも、わたしはほとんどしたことがない。嫌いというわけではないが、準備が複雑で、それに外に泊ることが嫌だからだ。こうしたわたしは野良犬のように終日戸外を回っているのだ。これが、わたしの唯一の「娯楽」でもあり、「消閑法」でもあるのだ。
前にわたしは「散歩」という字を使っているが、わたしの場合は少しこの言葉に適合しない。最近流行のハイキングなどというのではないからだ。多くの場合、わたしは行く先の目的もなく方向もなく、失神者のように歩き回っているのだ。(ア)「漫歩」という語がいちばん適切しているのだ。
1.文中に「四季の中で、わたしは秋という季節が一番好きだ」とあるが、その理由はどれか。A.春は空が低く憂鬱だから。 |
B.夏は湿気が多くて蒸暑いから。 |
C.秋は戸外の散歩に適しているから。 |
D.冬は寒さがすこしひどすぎるから。 |
A.秋は戸外の散歩に適している。 |
B.日本の気候では、秋だけが快適だ。 |
C.わたしの唯一の「娯楽」は散歩だ。 |
D.わたしは趣味のない人間だ。 |
A.釣りやテニス | B.碁、将棋 | C.旅行 | D.散歩 |
A.だから | B.それに | C.しかし | D.そして |
A.わたしは碁、将棋が好きで、よく友達とする。 |
B.わたしの唯一の「娯楽」は漫歩だ。 |
C.わたしはよく行く先の目的もなく戸外を回っている。 |
D.わたしは釣りやテニスなどという趣味娯楽がまったく知らない。 |
2 . 「あ、風鈴の音…」。遠くから、涼しげな音が聞こえてきました。私が小さい頃は、どこの家にもあった風鈴の音を聞いて、とても懐かしい気持ちになりました。
風鈴は、ガラスや陶器、金属などでできた鈴です。鈴から下がっている短冊(诗笺)が風で揺れて、中の部品(零件)が鈴に当たり、チリンチリンと優しい音を鳴らします。ガラス製や陶器製の風鈴は、可愛いデザインがたくさんあります。南部鉄などの金属製の風鈴は、デザインは地味ですが、音は透き通るように美しいです。
風鈴は、不幸なできごとが起こらないよう、厄除けとして、中国のお寺や家で吊されていたことが始まりだそうです。(ア)、今の日本でも、厄除けになると言われている地方があるようです。風鈴の美しい音は、厄除けだけでなく、暑い夏の疲れも癒してくれます。
最近、ガラスの空き瓶を再利用した風鈴も作られていることを知りました。細かくした瓶を溶かして作るそうです。来年の夏までに、いろいろな風鈴の中からお気に入りの風鈴を探そうかなと思っています。
1.筆者は、風鈴の音を聞いてどう思ったか。A.さびしい | B.なつかしい | C.かなしい | D.めずらしい |
A.静かな音 | B.かわいい音 | C.地味な音 | D.透き通った音 |
A.ところで | B.つまり | C.そして | D.それでは |
A.好きな風鈴を探してみたいと思っている。 |
B.さまざまな風鈴を買ってみたいと思っている。 |
C.細かくした瓶を溶かして風鈴を作ろうと思っている |
D.空き瓶を再利用して風鈴を作りたいと思っている。 |
A.風鈴は不幸なできごとが起こった時に使われている。 |
B.風鈴は厄除けとして日本の地方にも吊されている。 |
C.風鈴は暑い夏の疲れを癒すという効き目がある。 |
D.ガラスの空き瓶を再利用した風鈴も作られている。 |
3 . 窓の外を見る。黄色くなった銀杏の葉が、風に吹かれて、散っている。銀杏の枝に葉のように張り付いている(紧贴)のは鳥だ。青い色をしている。あんな青い色は野鳥には見かけない。都会のどこかで飼われていたのが逃げ出したのだろうか。
文中の「鳥」はどんな鳥か。
A.青い色の野鳥 |
B.都会で暮らしている野鳥 |
C.どこかの家から逃げ出した鳥 |
D.田舎から都会に逃げてきた鳥 |
4 . 眠っているまち。 ア は、朝早く、まだ動き出す前のまち。あるいは、まだ何かに目覚める前のまち。
でも、私のまちはいつも眠っているような気がする。商店街のシャッター(百叶门窗)はどんどん閉まって、小さい頃よく行った本屋さんも今は無くなって、私が大きくなるのとは反対に、私のまちは昔よりも小さくなっていく。遠くに住む友達にどんなまちか聞かれて、「こっちには何もないよ」と答えるのが恥ずかしくてしょうがなかった(非常,极其,不得了)。
まちのどこかが眠り始めて、代わりにどこかが少しずつ、少しずつ、変わり始めた。まちの寝相が変わり始めたのだ。小さいごろ友達と遊んだ空き地には、老人本ームやマンションが建って、美術館や不思議なオブジェ(現代派雕塑)が出来た。わたしのまちは、いつしか私の知らないまちになってしまって、置いて行かれた気がしていた。それが私は寂しくて、悲しかった。大人になって、いつか自分のまちを思い出す時、何も思い出せないなんて、嫌だった。胸を張ってこのまちが好きだと言いたい。眠ったままの寂しいまちなんて、 イ 。
だから、私のまちは、眠っている場合なんかじゃない!シャッターも閉じてなんかいないで起きて!本屋さんも美術館も起きて!きれいな官庁街通りの桜も起きて!ほら、美味しいパラ焼きも起きよう!私のまちはもっともっと良いところがある。まだ眠っているだけ。花火大会だって、秋祭りだって、楽しみにしている人はたくさんいる。駄菓子屋のおばちゃんも、公園を散歩しているおじちゃんも、みんなで、まだ眠っているこのまちを起こそう。
眠っているまち。それは、朝早く、まだ動き出す前のまち。あるいは、まだ何かに目覚める前のまち。
わたしのまちは、これから目が覚めるところだ。
1. ア のところに何をいれたらいいか。A.あの | B.あれ | C.それ | D.その |
A.私は大きくなりましたから。 |
B.町はずっと寝て、起きなかったから。 |
C.友達に聞かれて、恥ずかしかったから。 |
D.小さい頃よく行った本屋さんも今は無くなったから。 |
A.つまらないじゃないか。 | B.つまらなくない。 |
C.美しくないじゃないか。 | D.美しい。 |
A.まちの寝相がかわりはじめたところだ。 |
B.起きた本屋さんや美術館やきれいな官庁街通りの桜などだ。 |
C.まだ動き出す前のまちだ。 |
D.友達と散歩したところだ。 |
A.目覚める前のまち | B.眠ったまち | C.動き出したまち | D.きれいなまち |
5 . 日本の一年には春と夏と秋と冬の四つの季節があります。
春は暖かくて、いい季節です。花がたくさん咲いてきれいです。私は四月にお花見に行きました。
夏はたいへん暑くて、私はあまり好きではありません。雨がよく降ります。梅雨と言います。
若い人たちは海や山へ行きます。あの有名な富士山にもたくさんの人が登ります。私も今年登りたいです。
秋は静かで、涼しくて私は大好きです。秋の空はたいへん美しくて、月もきれいです。
日本の冬はたいへん寒くて、北のほうではたくさん雪が降ります。東京や京都でもときどき降ります。しかし、若い人たちは雪が降るとスキーに出かけます。
私の国では夏はあまり暑くなくて、冬は暖かいです。
1.この人はどの季節が好きですか。A.春 | B.夏 | C.秋 | D.冬 |
A.いいえ、夏に登ります。 | B.毎年登ります。 |
C.いいえ、登ったことがありません。 | D.はい、あります。 |
A.勉強します。 | B.スキーに行きます。 |
C.旅行します。 | D.花見に行きます。 |
A.美しいです。 | B.暑いです。 |
C.静かです。 | D.涼しいです。 |
A.はい、同じです。 | B.まったく違います。 |
C.分かりません。 | D.少し違います。 |
6 . あるところに、おじいさんとおばあさんがいました。
二人の家にはにわとりがいました。にわとりは毎日金の卵を一つずつうみました。
①それを町へ売りに行くので、おかねがどんどんたまりました。
二人はしあわせにくらしていましたが、もっとおかねがほしくなりました。にわとりが毎日一つずつではなくて、もっとたくさん卵をうめばいいと思いました。
二人は金の卵をうむ、にわとりのおなかのことを考えました。きっとあのにわとりのおなかは金でできているのだろうと考えました。もしそうだったら、一回でおかねがとれると思いました。
二人は相談して、②にわとりのおなかを切ってみることにしました。二人がにわとりのおなかを切ってみると、おなかは普通のにわとりと同じでした。
おなかを切られたにわとりは、③死んでしまいました。
(田中豊太朗編著「イソップ物語」より一部改)
1.①それというのは何ですか。A.二人の家 | B.にわとり | C.おかね | D.金の卵 |
A.にわとりのおなかの金を一回でとろうと思ったから。 |
B.にわとりのおなかの中が見たかったから。 |
C.どうしてにわとりが金の卵を一つしかうまないのか知りたかったから。 |
D.にわとりのおなかの中にたくさんおかねが入っていると思ったから。 |
A.家に教科書を忘れてきてしまいました。 |
B.きのう買ったおさらをわってしまいました。 |
C.ひらがなは全部覚えてしまいました。 |
D.りーさんは国へ帰ってしまいました。 |
7 . 昔のことです。一人のさむらいがある農民のうちへ来て一晩泊めてくれと頼みました。
「家には布団がありませんが、よろしかったらどうぞお泊まりください。今晩はとても寒うございます。このござ(席子)をかけてお休みください。」
「いや、私は何度も戦いをしてきた、その時はいつも家の中で寝ないで野原や木の下などで寝て、ものをかけて寝たことなどはない。心配は要らない。」
こう言ってさむらいはそこに寝てしまいました。しかし夜中になると、だんだん寒くなってきて、さむらいはとうとう我慢(忍耐)ができなくなりました。さむらいは家のものを起こして言いました。
「おい、おい、このうちのねずみにはいつも足を洗わせているか。」
「いいえ、そんなことはさせておりません。」
「そうか、それでは足が汚いな。踏まれると俺の着物が汚れる。ござをかけてくれ。」
1.さむらいは誰に頼みましたか。A.農民に | B.隣に | C.私に | D.友達に |
A.一晩泊まりたい | B.一晩泊めたい |
C.一晩泊まって下さい | D.一晩泊めてください |
A.何もない | B.貧しい |
C.あまり貧しくない | D.さむらいのうちと同じだ |
A.寒い | B.ちょっと寒い | C.非常に寒い | D.少しも寒くない |
A.戦いをする時 | B.ござをかける時 |
C.布団がない時 | D.泊まる時 |
A.布団をかけて寝た | B.布団をかけないで寝た |
C.寝る前に布団をかけた | D.布団をかけてから寝た |
A.昼間 | B.晩 | C.寝るとき | D.夜中 |
A.心配なので | B.ねずみがいるので |
C.寒いので | D.足が汚いので |
A.足が汚いこと | B.ねずみに足をあらわせること |
C.家のものをおこすこと | D.着物が汚れること |
A.農民に | B.ねずみに | C.家のものに | D.他人に |
8 . 季節の中で、どれが一番いいですか。
春と答える人が多いでしょう、特に女性たち。一年の始まりとして、春は生命力の象徴と希望の源です。可愛くて純潔な桜も春に咲きます。夏も悪くないですね。夏休みに海へ泳ぎに行ったり、アイスクリームを食べたり、親友と一緒に運動したりしまして、夏の楽しさを満喫できます。でも、私は秋が一番好きです。秋は冬より暖かいですが、夏より涼しいです。町を歩いて微風に吹かれて、気持ちいいと思います。そして、春の花より、秋の紅のほうがもっときれいだと思います。去年の秋、京都の町で、炎のような素晴らしい紅葉を見ました。その美しさに感動しました。子供の時代、柿を食べることが大好きで、よく田舎のおばあちゃんの家へ遊びこ行きました。その庭に、柿の木が植えていました。「柿を食べる前に柿の木に感謝してください。秋に感謝してください。」と、おばあちゃんの言葉は今でも覚えています。
1.生命力の象徴と希望の源というのはどの季節ですか。A.春 | B.夏 | C.秋 | D.冬 |
A.春より涼しいです。 | B.冬より暖かいです。 |
C.冬より涼しいです。 | D.夏より暖かいです。 |
A.春の花の美しさ | B.秋の美しさ |
C.紅葉の美しさ | D.柿の木の美しさ |
A.柿の木に感謝したいですから。 |
B.柿の木を植えたいですから。 |
C.柿を食べることが大好きですから。 |
D.おばあちゃんが好きですから。 |
A.春 | B.夏 | C.秋 | D.冬 |
9 . 雨が上がった後の空に虹が掛かることがある。虹が魅力的に感じられるのは、空に描かれたとても大きな絵のようなところと、美しい色のハーモニー(协调)、そして、すぐ消えてしまうところだ。夏によく ア ことから、俳句では夏の季語になっている。
虹は、雨の水滴がレンズとなり、太陽の光を複数の色に分けることで起きる現象だ。また、大きな滝の下や、ホースの先から水が細かく飛ぶところでも、太陽の光が当たると、小さい虹が見える。虹の色の数は日本では7色とされるが、古代では5色だったそうだ。また、沖縄では2色であり、地域や時代で色の数は違っているようである。
「虹」という漢字は「虫」と「工」からできているが、それは、その字を作った中国で、虹が蛇や竜だと考えられていたからだそうだ。それも雄の竜だという。空にかかる虹が竜と考えられたというのは理解できるが、虹を見て雄の竜を想像する力は私にはない。
1.文中の ア に入れるのに最も適当なものはどれか。A.見える | B.見られる | C.見せる | D.見る |
A.虹は、雨の日の滝の下だけでも見られる。 |
B.虹は夏の空によくかかるので、俳句では夏の季語になっている。 |
C.日本では昔、虹は蛇や竜と考えられ、そこから「虹」という字が作られた。 |
D.日本では、虹の色の数はいつの時代でもどこでも7色である。 |
A.すぐ消えてしまうところも、虹の魅力の一つだ。 |
B.虹を見ると、雄の竜が想像される。 |
C.虹が竜と考えられたというのは、理解できない |
D.虹が夏の季語になっているのがおかしい。 |
10 . 友達が① 、一緒に飲んだり食べたりするのは楽しいのだ。ある時、こんなことがあった。みんなで料理を作っている時、1人がトマトの皮を剥いてお皿に並べ始めた。すると、他の人が「あなた、トマ卜は皮を剥かないものよ」と言った。そう言いながら、その人はキュウリの皮を剥いている。「あら、私の家ではキュウリの皮は剥かないわ」と卜マ卜の皮を剥いた人は言う。
自分の今までやってきた食べ方と違えば、少しおかしいと思うのは当たり前(理所当然)のことだ。世界中を旅行している人に、どうして他の国の人と友逹になれるかと聞いてみると、「その国の食べるものを、一緒におなかいっぱい食べることだ」という答えが返ってきた。世界は広いのだから、トマトの皮を剥く人も剥かない人もいる。それは問題ではなく、それよりも、同じテーブルに座り、食べ、一緒に笑うことが大切だ。そうすれば特別な努力をしなくても、いい友達が作ることができるということなのだろう。
1.① に何を入れますか。
A.集まって | B.集めて | C.集合して | D.取集して |
A.どうしたら外国に行けるのか。 |
B.どうしたら他の国の人と結婚できるのか。 |
C.どうしたら他の国の人と友逹になれるのか。 |
D.どうしたら楽しい旅行ができるのか。 |
A.「その国の人と一緒に仕事をすることだ」。 |
B.「その国の人ど一緒に旅行することだ」。 |
C.「その国の人の食ベるものを一緒におなかいっはい食べることだ」。 |
D.「その国の人の料理の仕方を習うことだ」。 |
A.特別な努力をすることです。 |
B.プレゼントをあけることです |
C.その人の家を訪問することです |
D.同じテーブルに座り、食ベ、一緒に笑うことです。 |
A.トマトは皮を剥いて食べたほうがいいです。 |
B.トマトは皮を剥かないで食べたほうがいいです。 |
C.トマトの皮が剥いているかいないは小さい問題ではありません。 |
D.トマトの皮が剥いているかいないは大きい問題ではありません。 |