1 . 眠っているまち。 ア は、朝早く、まだ動き出す前のまち。あるいは、まだ何かに目覚める前のまち。
でも、私のまちはいつも眠っているような気がする。商店街のシャッター(百叶门窗)はどんどん閉まって、小さい頃よく行った本屋さんも今は無くなって、私が大きくなるのとは反対に、私のまちは昔よりも小さくなっていく。遠くに住む友達にどんなまちか聞かれて、「こっちには何もないよ」と答えるのが恥ずかしくてしょうがなかった(非常,极其,不得了)。
まちのどこかが眠り始めて、代わりにどこかが少しずつ、少しずつ、変わり始めた。まちの寝相が変わり始めたのだ。小さいごろ友達と遊んだ空き地には、老人本ームやマンションが建って、美術館や不思議なオブジェ(現代派雕塑)が出来た。わたしのまちは、いつしか私の知らないまちになってしまって、置いて行かれた気がしていた。それが私は寂しくて、悲しかった。大人になって、いつか自分のまちを思い出す時、何も思い出せないなんて、嫌だった。胸を張ってこのまちが好きだと言いたい。眠ったままの寂しいまちなんて、 イ 。
だから、私のまちは、眠っている場合なんかじゃない!シャッターも閉じてなんかいないで起きて!本屋さんも美術館も起きて!きれいな官庁街通りの桜も起きて!ほら、美味しいパラ焼きも起きよう!私のまちはもっともっと良いところがある。まだ眠っているだけ。花火大会だって、秋祭りだって、楽しみにしている人はたくさんいる。駄菓子屋のおばちゃんも、公園を散歩しているおじちゃんも、みんなで、まだ眠っているこのまちを起こそう。
眠っているまち。それは、朝早く、まだ動き出す前のまち。あるいは、まだ何かに目覚める前のまち。
わたしのまちは、これから目が覚めるところだ。
1. ア のところに何をいれたらいいか。A.あの | B.あれ | C.それ | D.その |
A.私は大きくなりましたから。 |
B.町はずっと寝て、起きなかったから。 |
C.友達に聞かれて、恥ずかしかったから。 |
D.小さい頃よく行った本屋さんも今は無くなったから。 |
A.つまらないじゃないか。 | B.つまらなくない。 |
C.美しくないじゃないか。 | D.美しい。 |
A.まちの寝相がかわりはじめたところだ。 |
B.起きた本屋さんや美術館やきれいな官庁街通りの桜などだ。 |
C.まだ動き出す前のまちだ。 |
D.友達と散歩したところだ。 |
A.目覚める前のまち | B.眠ったまち | C.動き出したまち | D.きれいなまち |
2 . ポチの鳴き声でぼくは目が覚めた。
ねむたくてたまらなかったから、うるさいなとその鳴き声を怒っているまもなく、真っ赤な火が目に映ったので、驚いて両方の目をしっかり開いて見たら、戸だな(橱柜)の中じゅうが火になっているので、①二度驚いて飛び起きた。そうしたらぼくのそばに寝ているはずのおばあさまが何か黒い布のようなもので、夢中になって戸だなの②火をたたいていた。
(中略)
「おばあさま、どうしたの?」と聞いてみた。
おばあさまは戸だなの中の火の方ばかり見て答えようともしない。部屋の中は、障子も、壁も、床の間も、違いだなも、昼間のように明るくなっていた。おばあさまの影法師(人影)が大きくそれに映って、化け物(怪物)か何かのように動いていた。
ただおばあさまがぼくに一言も物をいわないのが変だった。急に唖になったのだろうか。そしていつものようにはかわいがってくれずに、ぼくが近寄ってもじゃま者扱いにする。
(中略)
火事なんだ。おばあさまが一人で消そうと思っているんだ。③それがわかるとおばあさま一人ではだめだと思ったから、ぼくはすぐ部屋を飛び出して、おとうさんとおかあさんとが寝ている離れの所(离开主建筑的独立建筑物)へ行って、
「おとうさん……おかあさん……。」と思いきり大きな声を出した。
ぼくの部屋の外で鳴いていると思ったポチがいつのまにか(不知不觉)そこに来ていて、きゃんきゃんとひどく鳴いていた。ぼくが大きな声を出すか出さないかに、おかあさんが寝卷き(睡衣)のままで飛び出してきた。
「どうしたというの?」とおかあさんは内緒話のような小さな声で、ぼくの両肩をしっかり押さえてぼくに聞いた。
「たいへんなの……。」
④「たいへんなの、ぼくの部屋が火事になったよう。」と言おうと思ったが、どうしても「たいへんなの。」きりであとは声が出なかった。
(有島武郎「火事とポチ」)
1.「①二度驚いて」はいつといつか。A.目が覚めた時とねむたくてたまらなかった時 |
B.起きた時と戸だなを開けた時 |
C.ポチを見た時とおばあさまを見た時 |
D.真っ赤な火が目に映った時と戸だなの中の火を見た時 |
A.おばあさまが料理をするために |
B.ポチが火事を知らせるために |
C.おばあさまが火を消すために |
D.ポチが怪物と戦うために |
A.ポチがいつのまにかそばに来ていること |
B.おばあさまが火事を起こしたこと |
C.離れにお父さんとお母さんがいること |
D.おばあさまが火事を一人で消そうと思っていること |
A.ねむくてたまらない様子 | B.ショックを受けている様子 |
C.感動している様子 | D.おもしろがっている様子 |
A.ポチは鳴き声で火事のことを知らせた | B.ポチはうるさい犬だ |
C.おばあさまが急に唖になった | D.普段ポチは僕のそばに寝ている |
3 . 日本の一年には春と夏と秋と冬の四つの季節があります。
春は暖かくて、いい季節です。花がたくさん咲いてきれいです。私は四月にお花見に行きました。
夏はたいへん暑くて、私はあまり好きではありません。雨がよく降ります。梅雨と言います。
若い人たちは海や山へ行きます。あの有名な富士山にもたくさんの人が登ります。私も今年登りたいです。
秋は静かで、涼しくて私は大好きです。秋の空はたいへん美しくて、月もきれいです。
日本の冬はたいへん寒くて、北のほうではたくさん雪が降ります。東京や京都でもときどき降ります。しかし、若い人たちは雪が降るとスキーに出かけます。
私の国では夏はあまり暑くなくて、冬は暖かいです。
1.この人はどの季節が好きですか。A.春 | B.夏 | C.秋 | D.冬 |
A.いいえ、夏に登ります。 | B.毎年登ります。 |
C.いいえ、登ったことがありません。 | D.はい、あります。 |
A.勉強します。 | B.スキーに行きます。 |
C.旅行します。 | D.花見に行きます。 |
A.美しいです。 | B.暑いです。 |
C.静かです。 | D.涼しいです。 |
A.はい、同じです。 | B.まったく違います。 |
C.分かりません。 | D.少し違います。 |
4 . 「年」という化け物が一年の最後の日に村に来て、動物や人間を襲うという物語があります。
その「年」は赤い物とか大きい音とかを怖がるそうです。ア、村の人々は赤いものを玄関に飾ったり、一晩中火を燃やしたり、竹を火に投げて大きな音を出したりしました。そうして「年」を追い出しました。それがだんだん変化して、新しい年を迎える現在の習慣になりました。
中国では、旧暦の元日は「立春」と時期が近いので、その日を「春節」と名付けました。「春節」は祝日の中で最も盛大で、1年でいちばんにぎやかに過ごします。新暦は中国人の生活を大きく変えましたが、伝統的な旧暦はわたしたちの生活に影響を与えています。こうして、「春節」は、年越しの文化になって、わたしたちの現在の生活に深く関わっています。
1.文中のアに入れるのに最も適当なものはどれか。A.それから | B.それとも | C.それで | D.それに |
A.「年」は赤い物とか大きい音とかを怖がること。 |
B.化け物は動物や人間を襲うという物語。 |
C.「年」を追い出したこと。 |
D.村の人々は「年」を追い出すために赤いものを飾ったり、火を燃やしたり、大きな音を出したりしたこと。 |
A.「年」は春の時に村に来るので、「春節」と名付けた。 |
B.立春の時に村の人は「年」を追い出したから、「春節」と名付けた。 |
C.旧暦の元日は「立春」と時期が近いので、その日を「春節」と名付けた。 |
D.「年」は春を怖がるから、「春節」と名付けた。 |
A.「春節」はわたしたちの生活に深く関わっている。 |
B.「春節」は新暦の元日だ。 |
C.「春節」は祝日の中で最も盛大ではない。 |
D.「春節」は中国人の生活を大きく変えた。 |
A.村の人はどう「年」を追い出すか分からなかった。 |
B.「年」は何も怖がらないそうだ。 |
C.「春節」は1年でいちばんにぎやかに過ごす。 |
D.今、村の人は毎年「年」を追い出しなければなりません。 |
5 . あるところに、おじいさんとおばあさんがいました。
二人の家にはにわとりがいました。にわとりは毎日金の卵を一つずつうみました。
①それを町へ売りに行くので、おかねがどんどんたまりました。
二人はしあわせにくらしていましたが、もっとおかねがほしくなりました。にわとりが毎日一つずつではなくて、もっとたくさん卵をうめばいいと思いました。
二人は金の卵をうむ、にわとりのおなかのことを考えました。きっとあのにわとりのおなかは金でできているのだろうと考えました。もしそうだったら、一回でおかねがとれると思いました。
二人は相談して、②にわとりのおなかを切ってみることにしました。二人がにわとりのおなかを切ってみると、おなかは普通のにわとりと同じでした。
おなかを切られたにわとりは、③死んでしまいました。
(田中豊太朗編著「イソップ物語」より一部改)
1.①それというのは何ですか。A.二人の家 | B.にわとり | C.おかね | D.金の卵 |
A.にわとりのおなかの金を一回でとろうと思ったから。 |
B.にわとりのおなかの中が見たかったから。 |
C.どうしてにわとりが金の卵を一つしかうまないのか知りたかったから。 |
D.にわとりのおなかの中にたくさんおかねが入っていると思ったから。 |
A.家に教科書を忘れてきてしまいました。 |
B.きのう買ったおさらをわってしまいました。 |
C.ひらがなは全部覚えてしまいました。 |
D.りーさんは国へ帰ってしまいました。 |
6 . 季節の中で、どれが一番いいですか。
春と答える人が多いでしょう、特に女性たち。一年の始まりとして、春は生命力の象徴と希望の源です。可愛くて純潔な桜も春に咲きます。夏も悪くないですね。夏休みに海へ泳ぎに行ったり、アイスクリームを食べたり、親友と一緒に運動したりしまして、夏の楽しさを満喫できます。でも、私は秋が一番好きです。秋は冬より暖かいですが、夏より涼しいです。町を歩いて微風に吹かれて、気持ちいいと思います。そして、春の花より、秋の紅のほうがもっときれいだと思います。去年の秋、京都の町で、炎のような素晴らしい紅葉を見ました。その美しさに感動しました。子供の時代、柿を食べることが大好きで、よく田舎のおばあちゃんの家へ遊びこ行きました。その庭に、柿の木が植えていました。「柿を食べる前に柿の木に感謝してください。秋に感謝してください。」と、おばあちゃんの言葉は今でも覚えています。
1.生命力の象徴と希望の源というのはどの季節ですか。A.春 | B.夏 | C.秋 | D.冬 |
A.春より涼しいです。 | B.冬より暖かいです。 |
C.冬より涼しいです。 | D.夏より暖かいです。 |
A.春の花の美しさ | B.秋の美しさ |
C.紅葉の美しさ | D.柿の木の美しさ |
A.柿の木に感謝したいですから。 |
B.柿の木を植えたいですから。 |
C.柿を食べることが大好きですから。 |
D.おばあちゃんが好きですから。 |
A.春 | B.夏 | C.秋 | D.冬 |
7 . 子供たちは、春休みに入り、7ヶ月(44 )に岩手の祖母のところに行く準備をしています。宿題もなく、それに今年は三人ともそろって卒業も入学もないため、気軽な春休みです。(45 )岩手の旅も手足を(46 )存分に楽しむことができます。次女もみんなといっしょに旅ができるのはうれしいのですが、ただひとつ(47 )があるとすれば、往復の特急の窓が開かないことです。それを(48 )、次女はさびしくなってしまいます。
『新編国語総合春は夜汽車の窓から』1.
A.ぶり | B.たび | C.ごと | D.おき |
A.だから | B.それに | C.もっとも | D.つまり |
A.飛ばして | B.伸ばして | C.曲げて | D.動かして |
A.望み | B.苦しみ | C.悩み | D.喜び |
A.見れば | B.聞こえて | C.すると | D.思うと |
8 . 日本へ来て驚いたことの一つに、日本人のあいさつの姿があります。特にお客さんに対する日本人のあいさつはとても丁寧で、私は大好きです。
私の友人などは、日本へ来たはじめのころ、デパートの女性の店員のあいさつが丁寧で、しかもやさしく微笑するのに喜んで、彼女たちがみんな自分に好意を持っているのではないかと思ったそうです。
( ア )、このごろはかけ声のような「いらっしゃいませ」とか「ありがとうございました」というあいさつの言葉を聞いて、ちょっとさびしく感じることもあります。一方で、近所のおばあちゃんのゆっくりと、やさしく包み込んでくれるような言い方や、八百屋のお兄さんのぶっきらぼう(粗鲁)だけど温かな眼差しを持った言い方などに心がひかれます。
あいさつは、やはり人と人との心のふれ合い(交往)を言葉という方法によって表すものだと思います。言い回し(措辞)そのものは、確かに決まった(固定的)ものが多く、そんなに新しいものではないでしょう。でも、その使い古された表現に今の自分の心をこめてあいさつをする時、その言葉はとても新しく、生き生きとしたものになるのではないでしょうか。そんなことを考えながら、私は部屋を出てすぐ出会ったお向かいのおばさんに、さっそく、「おはようございます」と元気よくあいさつをしました。
1.文中の「自分」のさすことはどれですか。A.日本人 | B.私の友人 | C.女性の店員 | D.筆者 |
A.そして | B.つまり | C.そこで | D.でも |
A.いつも同じような言葉ばかりだから |
B.とても大きな声ではっきりと言うから |
C.かけ声のようで、心がこもっていないから |
D.かけ声のように、大きな声だから |
A.魅力を感じ、好意を抱く。 |
B.涙が溢れるほど感動する。 |
C.がっかりした気持ちになる。 |
D.嫌な気持ちになる。 |
A.お客さんに対する丁寧なあいさつ |
B.決まった言い回しや、新しくて生き生きとした言葉 |
C.元気よく「おはようございます」とあいさつしたこと |
D.人と人との心のふれ合いを言葉という方法によって表すもの |
9 . はじめて訪れる土地を移動する時、我々は地図なしでは目的の場所を発見することができない。いくら歩きまわっても数時間の探求の経験 44 では、未知の土地全体を表象するような、確かな空間のイメージをつくりあげることはできまい。地図を見ることで、初めて自分の位置、そしてそのまわりにひろがる空間の具体的な像が描ける。
45 、熟知した街では事情がまったくことなる。はじめての道を発見しても、それが全体の空間のなかでどのあたりに位置するのかはすぐにわかる。近道をしたり、いつもとはことなるルートを取ったりと、自由自在に空間のナビゲーションを楽しむことも 46 。慣れ親しんだ光景に満たされた空間のなかならば、考えごとをしながらでも知らぬ間に目的地に達することができる 47 である。
48 ような体験は、我々がこころのなかに「地図」をもっていることを示している。
(佐々木正人『からだ:認識の原点』東京大学出版会)
1.A.から | B.の | C.見 | D.し |
A.ところで | B.ことなる | C.すると | D.それから |
A.できない | B.できる | C.可能 | D.ない |
A.もの | B.はず | C.こと | D.の |
A.そう | B.あの | C.この | D.どの |
10 . あすは、わが子の入学試験の発表があるという、その前の晩は、親としての一生のなかでも、いちばん落ち着かなくてつらい晩のひとつにちがいない。もう何十年もまえ、ぼくが中学の入学試験をうけたとき、発表の朝、父がこんなことをいった。「お前、きょう落ちていたら、欲しがっていた写真機を買って 」ふとおもいついたといった調子だったが、それでいて、なんとなくぎごちなかったへんなことをいうなあ、とおもった。おとうさんは、ぼくが落ちたらいいとおもってるのだろうか、という気がした。そのときの父の気持ちが、しみじみわかったのは、それから何十年もたって、こんどは自分の子が入学試験をうけるようになったときである。おやじも、あの前の晩は、なかなか寝つかれなかったんだな、とそのときはじめて気がついた不覚であった。おやじめ、味なことをやったなとおもった。あまり好きでなかったおやじが、急になつかしくなった。(中略)もし入学試験に落ちたら、いちばんつらいのは、もちろん親よりも本人である。それを、①親が失望のあまりついグサッと胸につきささるようなことをいったら、ということになる。よし、おやじにまけるものかと決心した。ぼくはすぐ感情を顔に出し怒り声になるタチである、落ちたときいた瞬間にいう言葉を、二、三日前から、ひそかに②練習した。「そうか( ③ )、こんなことぐらいでがっかりするんじゃないよ」くりかえしているうちに、自分が、まず落ち着いてきたのが妙だった。
1963年2月3日付朝日新聞朝刊による
1.①「親が失望のあまりついグサッと胸につきささるようなことをいったら」のあとには言葉が省略されている。どんな言葉を続けたら意味がよく通るか。
A.息子がかわいそうだ |
B.息子が安心してしまう |
C.息子が落ち着くだろう |
D.息子が死んでしまう |
A.息子が、試験に不合格になってしまうと困るから。 |
B.自分の不安な気持ちを知られるのがはずかしいから。 |
C.自分が感情をはっきり顔に出してしまうと困るから。 |
D.不合格だろうと思っていることを知られると困るから。 |
A.頭が悪いからだ、それで |
B.お前はだめだ、だから |
C.残念だったな、しかし |
D.よかったな、しかも |
A.さしあげよう | B.くれよ | C.やろう | D.もらおう |
A.親である以上 | B.親になればこそ分かる |
C.もし落ちたら | D.試験に絶対合格 |