9 . 人付き合いについて考えるとき、中国に古くから伝わる荘子の言葉をよく思い出します。言わば、「君子の交わりは淡きこと水の如し、小人の交わりは甘きこと醴の如し」です。
分別のある立派な人は水のようなさっぱりとした付き合いを好むが、そうではない人物は甘酒のようなベタベタ(黏試,黏人)とした付き合いをするという意味だと言います。
これこそ僕が求める人関関係です。
人はすべて「個」として存在し、たまたま同じ時代、同じ場所をすれ違う(擦肩而过)縁で出会うものです。深入りすることなく、あっさりと、その刹那の交流を喜びたいです。これで、お互いの「個」の尊重となり、細く長く続く信頼へと繋がるのではないかと思うのです。
(ア)、ベタベタと密着するように相手の世界に近づこうとし、同調や独占を求める関わり方は長続きせず、破綻へと向かうでしょう。ところが、世間には甘酒のようなベタベタとした付を合いを求める人が少なくありません。そんな人は「個」としての自立が不完全で、誰かと密着して寄り添わなければ不安に感じてしまうのです。私はその不安に理解は示しますが、巻き込まれるのはまっぴらごめん(恕难从命)です。
1.
「そうではない人物」とはどんな人か。2.
文中の「これ」の指すのは次のどれか。A.水のようなさっぱりとした付き合い |
B.甘酒のようなベタベタとした付き合い |
C.他人との付き合いをしないこと |
D.友達同士で同調や独占を求めること |
3.
文中の(ア)に入れるのに最も適当なものは次のどれか。4.
「ベタベタとした付き合いを求める人が少なくありません」とあるが、その理由は次のどれかA.「個」としての自立がないから. |
B.人との付き合いが好きだから. |
C.相手の世界に近づき、同調や独占を求める関わり方を長続きしたいから |
D.不完全な自立で、他人と密着して寄り添わなければ不安に感じるから |
5.
この文章の内容に合っているものはどれか。A.ベタベタとした付き合いを好む方は「個」としての自立を持っていない |
B.筆者は人間関係ではベタベタとした付き合い方もする |
C.筆者はベタベタとした付き合いを好む方の不安が理解できる |
D.さっぱりとした付き合いを好む方が少ない。 |