1 . 「三人寄れば文殊の知恵」という言葉がある。一人で考えても分からなかったのに、何人かで考えてみるとよく分かるようになるということである。今まで、そういう経験をした人も少なくないだろう。普段、私たちは自分の目の高さから物事を見ている。そして、自分以外の人も自分と同じように物事を見て、考えていると思い込みがち(容易自认为)である。しかし、実際はそうではない。同一の物事についても、全く正反対の見方がなされることさえある。このような違いに気づき、お互いに考えを出し合い、深めていくことで「文殊の知恵」がまとまっていくのである。
集団で考える際に、意見が対立することは珍しくない。たとえば、文化祭のクラス参加企画をどうするかを決める場合などである。A さんは、学校の近くの古墳について調査発表をしたいと言う。一方、Bさんは演劇をやりたいと言う。この場合、クラスとして両方をすることはできないので、どちらか一つに決めなければならない。ここですべきことは、安易な人気投票ではなく、きちんとディスカッションすることである。
「何のために討論をするのか」『新編国語総合』
1.「自分の目の高さ」とあるが、ここではどういう意味か。A.自分の身長が高い | B.自分なりの見方 |
C.見下ろすこと | D.上から目線 |
A.違う物事に対して異なる見方を持つ。 |
B.同じ物事に対して異なる見方を持つ。 |
C.自分以外の人は自分と異なる意見を持つ。 |
D.お互いに異なる意見を持ち、考えている。 |
A.相手の意見を否定する。 | B.相手の意見に合わせる。 |
C.自分の意見を強調する。 | D.意見を出し合うことで深める。 |
A.しかし | B.それに対して | C.そして | D.その代わり |
A.多数決で決める | B.言い合う | C.喧嘩する | D.討論 |
2 . ずっと前から海に建てられた厳島神社に憶れており、その本当の姿をぜひこの目で見ようと、先週の土曜日、友違と一緒に宮島へ行きました。電車で家から一時間ぐらいかかると宮島駅に到着しました。船に乗って宮島へ向かう途中、遠いとこるから海の上に建でられている厳島神社の鳥居を見ました。晴れた日なので、青い海の色と鮮やかな神社の赤色が一体となり、①独特な風景を織りだしています。
島には野生の鹿があちこちで見られます。鹿たちは全然人を恐れず、自由自在に遊んでいます。観光客が何かを食べているのを見ると、その人の後に付いて食べ物を乞うほど大胆です。その鹿たちも宮島の風物詩の一つになっていると思います。
1.家から宮島駅までどれぐらいかかりますか。A.三十分ぐらいた | B.二時間ぐらい | C.一時間ぐらい |
A.赤色 | B.青色 | C.緑色 |
A.その神社が海に建てられたから | B.その神社の色が独特ですから | C.その神社は鳥居がありますから |
A.野菜が好きだということ | B.野生ではないこと | C.人を恐れないこと |
3 . 最近、私がアルンバイトをしている店に1人の男の子のメンバーが新しく入りました。その男の子は背が高いので、最初は大学生だと思いましたが、聞いてみると、なんとまだ高校一年生なんです。でも、もっと私を驚かせたのは日本では、高校生でもアルバイトをする時間があるということです。私の印象では、高校生は毎日勉強に追われて、ほかのことをする余裕がないはずです。
特に私が生まれ育った中国では、ほとんどの高校生は毎日昼も夜も勉強に集中して、朝6時半ぐらいに起きて学校へ行き、夜遅くまでずっと学校で勉強しているのが一般的です。それに、宿題の量が多すぎる場合、家に帰っても宿題をするのを続ける人もたくさんいるそうです。また、高3になったら宿題の量がさらに増え、高1高2よりも忙しくなり、12時過ぎても宿題が終わらないのもよくあることです。
それに対して日本の高校は授業が終わるのは早くて進学へのストレスもそんなに高くないそうです。いい大学に入るために授業が終わってから塾に通う学生も少なくありませんが、部活に参加したり、バイトしたりするのが一般的です。
1.筆者が勤務している店に新しく入った男の子は何年生ですか。A.大学一年生 | B.大学二年生 | C.高校一年生 |
A.中国の高校生は暇ですが、日本の高校生は忙しいです。 |
B.中国の高校生は勉強で忙しいですが、日本の高校生はアルバイトする余裕があります。 |
C.中国の高校生は部活が好きですが、日本の高校生は部活が好きではありません。 |
A.塾に通います。 | B.旅行します。 | C.部活に参加します。 |
4 . 今度の修学旅行はとても楽しかったです。そして充実した毎日でした。一目目は平和について学習した一日でした。普段は話や書物でしか聞いたことがなかったことでしたが、一日目でその実態がわかりました。ガマを案内してくれた人も、戦争の話をするとき泣きそうになりながら話しているのを見て、①心が重くなりました。一日目はとても重く感じた一日でした。二日目は沖縄ワールドで体験学習をしました。体験学習は思ったほど面白くありませんでした。そのあと昼食を食べて港へ向かいました。そしてフェリーに乗って伊江島まで行きました。伊江島で一日過ごして、二日目は終わりました。三日目は伊江島を出て美ら海水族館へ行きました。美ら海水族館を出てお昼はタコライスを食べて、おみやげを買って、ホテルへ向かいました。また、台風の影響で一日延びて、4泊5日の修学旅行となりました。とても充実した修学旅行でした。
1.修学旅行一日目、筆者の気持ちはどうでしたか。A.楽しい気持ちでした。 | B.気持ちがよかったです。 | C.気持ちが重かったです。 |
A.フェリーに遅れたから | B.台風の影響で帰れないから | C.もっと遊びたいから |
A.体験学習は面白かったです。 |
B.美ら海水族館は伊江島にあります。 |
C.戦争の話は書物で見たことがあります。 |
5 . 全ての生物は栄養をうまく与えたり知識を与えたりすることで、ある程度はちゃんと成長します。ただし、育て方によっては、同じ生物であっても成長後の姿は異なります。
人間がその例でしょう。たくさんご飯を与えると、大きく育ちます。反対に、ご飯を少なく与えると、小さく育ちます。成長後の姿は見た目だけでなく、脳の働きや考え方にも影響します。栄養のあるものをたくさん与えて、知識も豊富に与えると、人間は感情豊かで健康に育ちます。( ア )、知識も与えず教育もせずに、十分な栄養も与えなければ、体も脳も健康にはならないでしょう。そのため、人間をうまく育てる場合は栄養と知識をバランスよく与えることが重要です。さらに、その栄養のバランスもうまく考えなければなりません。動物は植物と違って、ただ与えるだけでは、健康に成長することができません。そのため、全ての栄養においてバランスよく与えることが大切です。また、知識·教養も同じことが言えるでしょう。
このように、「育てる」というのは、その生物の見た目だけでなく、本質も考えながら丁寧に育てなければならないのです。ですから、「育てる」というのは、簡単なことではないのです。
1.文中に「人間は感情豊かで健康に育ちます。」とあるが、そのために合っていないやり方はどれか。A.知識を豊富に与える |
B.栄養のある物を与える |
C.植物をたくさん与える |
D.教養をちゃんと与える |
A.しかも | B.でも | C.それから | D.だから |
A.感情を豊かにするために知識を与える。 |
B.丈夫な体のためにご飯を与える。 |
C.美しい見た目のために化粧品を与える。 |
D.脳の発達のために教育をする。 |
A.色々考えながら育てなければならないということ |
B.情報がありすきて複雑だということ |
C.考慮することがありすぎて勉強しにくいということ |
D.脳や体のことが分からないので、難しいということ |
A.「生育」 | B.「健康」 | C.「教育」 | D.「勉強」 |
6 . 私はその日、学校の授業帰りで電車に乘っていました。電車に乘ってしばらくは気がつかなかったのですが、私が座っている場所の隣に、女優が座っていました。周りの人はどうやらそれに気がついていないようです。その女優は他の人に気づかれないようにマスクをして、メガネをつけ、さらに帽子を被っていたからでしょう。しかし、私はたまたまその女優のSNSを見ており、その女優がいつも投稿している写真の中に映っているかばんと帽子が同じだったのです。そして、その女優も私が彼女に気がついていることが分かったようです。でも、私は他の人にその人が女優だと言うことを言いませんでした。言ってしまえば、こんなに人気な女優が近くにいるだなんてまるで夢のようですし、みんなが騒いでしまうことが分かったからです。
それから、私はその女優に何を言うこともなく、何事もなかったかのように終点で電車を降りました。すると、後ろから彼女が追いかけてきて、「言わないでくれて、ありがとう」と言って去って行きました。すごくドキドキしました。彼女に声をかけずに、彼女と写真とかも撮れなかったのに、心の中に何かあたたかいものを感じていました。きっといい思い出になるでしょう。
1.文中の「女優が座っていました」とあるが、なぜ気づいたのか。A.帽子もマスクもしていなかったので、顔がよく見えたから。 |
B.その女優のことが大好きなので、一眼で分かったから。 |
C.女優が被っている帽子とかばんがSNSで見たものと同じだったから。 |
D.周りの人が彼女が女優だと言うことを教えてくれたから。 |
A.私の隣に女優が座っていること |
B.電車の中で撮影していること |
C.私の前に女優が立っていること |
D.女優が私に気づいたこと |
A.女優が秘密にしてほしいと言ったから。 |
B.よく見たらその人は女優じやなかったから。 |
C.周りが騒いでしまうとわかったから。 |
D.そこまで有名な女優じやないから。 |
A.たのしい | B.かなしい | C.さびしい | D.きびしい |
A.私は女優に挨拶をしました。 |
B.女優は私にお礼を言いました。 |
C.私は他人に女優のことを言いました。 |
D.私は女優のSNSに投稿しました。 |
7 . 昨年、カタールで開催されたサッカーのワールドカップでは、日本代表が試合後のロッカールームに書き残した感謝を伝えるメッセージと共に、そこに添えられた数羽の折り鶴が国内外で注目を集めました。それで、折り紙も一時的に流行るようになります。
日本では馴染みの深い折り紙遊びですが、子供の頃に遊んでいた人も、大人になってからは折るチャンスがほとんどないという人も多いことでしょう。折り紙で何かを作るには、山折りや谷折りをしながら、重ねたり開いたり、指先を使った細かい作業が必要です。子供の頃は上手に折れなかったものが、手先の器用さや理解力、集中力が高まった大人なら折れるようになる可能性もあります。
一枚の紙から生き物や草花や乗り物など様々なものを作る折り紙遊びは、折る楽しみもできれば、脳の活性化の効果となることも期待できます。( ア )、紙は身近にあるものが使えて広いスペースの必要がないため、気軽に始められます。
折り紙は日本の伝統的な遊びの一つでもあります。時には子供と一緒にこうした伝統的な遊びに触れてみるのもいいかもしれません。
1.文中に「折り紙も一時的に流行るようになります。」とあるが、それはなぜか。A.日本代表はカタールでサッカーの試合に参加したから |
B.日本代表は試合後メッセージを書いたから |
C.日本代表は試合後感謝の気持ちを伝えたから |
D.日本代表は折り鶴を折ってロッカールームに残ったから |
A.行先 | B.鼻先 | C.旅行先 | D.出張先 |
A.理解力を高める作業 |
B.集中力を高める作業 |
C.手先を使った作業 |
D.器用さを高める作業 |
A.また | B.あるいは | C.そこで | D.では |
A.大人だけは折り紙をしたほうがいいと思う。 |
B.折り紙は子供だけの遊び方だと思う。 |
C.大人はやはり子供と共に折り紙をしたほうが楽しいと思う。 |
D.折り紙は大人にとって触れてはいけないものだと思う。 |
8 . ここ数年、日本のコンビニエンスストアやスーパーマーケットなどで「てまえどり」という言葉を見かける機会が增えました。それは昨年の「新語·流行語大賞」でトップテンにも入りました。なぜなら、私たちが買い物をする時の意識と行為に、ちょっとした変化を与えているからです。農林水産省によると、「てまえどり」は食品ロスを減らすために、購入してすぐに食べる場合は、商品棚の手前にある商品など、消費期限の迫った商品を積極的に選ぶ購買行動を推獎する標語としています。そして、平成二十七年度以降、政府の導きの影響もあるし、食品製造業などの事業者の取り組みに加え、消費者の購買行動の変化もありますから、全体的に見れば食品ロスは減少傾向になっています。
つまり、地球にやさしく、人にも親切にする( ア )は、巡り巡って(转来转去)自分や周囲の人に、プラスの環境や状況となって返ってきます。( イ )、日々の行動を「自分にできる小さな思いやり」として、日々実行していけば、地球にも他人にも自分にもやさしい生活を送ることができるのではないでしょうか。
1.文中に「それは」とあるが、何を指すか。A.コンビニエンスストア | B.てまえどり |
C.スーパーマーケット | D.ことば |
A.「てまえどり」とは一番裏の商品をとることです。 |
B.「てまえどり」とは一番遠い商品をとることです。 |
C.「てまえどり」とは手の裏の商品をとることです。 |
D.「てまえどり」とは手の前の商品をとることです。 |
A.政府の引導がありますから。 |
B.事業者の取り組みがありますから。 |
C.消費者が何もしていませんから。 |
D.購買者の行動変化がありますから。 |
A.善意 | B.悪意 | C.気分 | D.気持ち |
A.しかし | B.そして | C.ですから | D.ところで |
9 . 日本の電車は時刻表の通りに走ると聞いていたが、初めて新幹線に乗ったときも、駅に着く時間がぴったりだったので、驚いた。早い速度で長い距離を走っているのに、ほかの電車と同じように走れ、本当にすごいと思った。何百キロもある長い距離を遅れたり早すぎたりせずに、どうやって走っているのだろう。鉄道会社に勤めている知り合いに聞いてみた。
聞いて驚いたのだが、新幹線は、停車する駅の到着時間、出発時間だけではなく、停車しない駅を通り過ぎる時間も、8時5分15秒や8時5分30秒のように、15秒単位で決まっているのだそうだ。運転士は、その細かく決められた時間を守るため、いつも速度を考えながら運転している。停車駅の数キロメートル前からホーム(站台)に入るまでは、コンピューターが速度を決めて運転する(ア)、それ以外は、運転士が運転する。次の駅に着くまでの残り時間と距離をいつも意識し、頭の中でいちばん適当な速度を計算して走らせているのだそうだ。最後にホームの決まった位置に電車を止めるのも、運転士だ。
運転士になるためには、厳しいトレーニングが必要で、特に距離と時間から適当な速度を計算する訓練をしっかり受けなければならないそうだ。新幹線が時刻表の通りに走れるのは、運転士の厳しいトレーニングのおかげなのだ。
この話を聞いてから、新幹線に乗ると、速度が微妙に変わるたびに、「ああ、今、運転士は適当な速度を計算して、速度を変えたんだ。」と思い、旅が以前より楽しめるようになった。
1.「本当にすごいと思った」とあるが、何をすごいと思ったのか。A.新幹線以外の電車が時間ぴったりに走っていること |
B.新幹線以外の電車がかなり長い距離を走っていること |
C.新幹線が時間ぴったりに走っていること |
D.新幹線が速い速度で長い距離を走っていること |
A.到着、出発時間、駅を通り過ぎる時間が非常に細かく決められていること |
B.到着、出発時間、駅を通り過ぎる時間が駅の時刻表に書かれていること |
C.到着、出発時間、駅を通り過ぎる時間を知り合いが決めていたこと |
D.到着、出発時間、駅を通り過ぎる時間をコンピューターが計算していたこと |
A.ので | B.が | C.ながら | D.なら |
A.距離と時間から、頭の中でちょうどよい速度を計算する訓練 |
B.コンピューターで、距離と時間から適当な速度を計算すること |
C.コンピューターが計算して決めた速度を守って、時刻表の通りに運転する訓練 |
D.正しい位置に止められるように、ホームに入るまでの速度を計算して運転する訓練 |
A.新幹線を時間の通りに運転することができない運転士には、厳しいトレーニングが必要である。 |
B.コンピューターによる正しい速度計算が、新幹線を時刻表の通りに走らせているのだ。 |
C.厳しい訓練を受けた運転士が速度計算をしているから、新幹線は時刻表の通りに走れるのだ。 |
D.ほかの電車よりも微妙な速度の変化を楽しむことができるのが、日本の新幹線なのである。 |
10 . 入学式も終えて、いよいよ中学校生活最初の授業が始まった。その中で一番楽しみにしていた授業は美術である。週に一度だけ 2 時間連続で、この授業を受けられるのは、私にとってもはや(已经)「授業」というよりも「趣味を楽しむ時間」といった感じであった。(ア)、私には特別になりたい夢なんて一つもなかったし、進路のことなんて考えてみたこともなかった。だが、そんな私の考えを変えてしまった人が現れたのだ。
「森先生、この作品どうでしょうか」と自慢げに(骄傲地)問いかけた。私に、いつも「おお、これはすごい。よくこんなすごいもん作れたなあ」と、いつもの笑顔で褒めてくれる先生だ。そして、森先生はいつも口癖のように「美術は、(イ)こそいい作品ができるんだ」とみんなに楽しそうに話していた。そして、どんな作品にもいいものがたくさんあると言い、一人一人みんなの作品に関心も持ってくれていた。そんな森先生は、生徒みんなから好かれていて、褒め上手でもあった。私は森先生に褒められるたび に、もっとすごい作品を作ってみたいと、家にいても積極的にスケッチブック(素描本)に写生をしてみたり、彫刻を使ってみたり、親に勉強しろと言われても黙々とそればかりやり続けてきた。そして気がついてみると、いつの間にか私は「あなたの夢は何ですか」と聞かれたとき、「画家になりたい」と自信を持って答えるようになっていた。
1.文中の(ア)に入れるのに最も適当なものはどれか。A.その時 | B.この時 |
C.それから | D.これまで |
A.美術以外の授業は楽しくないという考え |
B.美術の授業を楽しみにしているという考え |
C.特別になりたい夢を持っていないという考え |
D.自分の美術作品がうまくできていないという考え |
A.やり続けて | B.楽しんで |
C.自信を持って | D.問いかけて |
A.先生が私の作品に関心を持つ |
B.みんなが自分の作品に関心を持つ |
C.先生がみんなの作品に関心を持つ |
D.みんながほかの人の作品に関心を持つ |
A.勉強より美術のほうが得意だから |
B.画家になりたいという夢を持っていたから |
C.親に勉強しろと言われると勉強したくなくなるから |
D.先生に褒められてもっといい作品を作ってみたいと思ったから |