5 . 先日、大学時代の友人たちと、卒業して20年経った記念に、フランス料理のレストランで食事をした。この店は予約が取れないことで有名で、夜のコースはスープからデザートまでどれも本当においしく、サービスも一流だった。誰かが「値段も一流だよね。」と笑わせた。
いつのまにか話は、今まで食べた物の中で一番おいしかった物は何か、に移った。「Tホテルのすし」「レストランKで食べたステーキ」など、有名なお店の料理が次々と出てくる中、山下君が「僕が今まで一番おいしいと思ったのは、お粥だなあ。」と言ったので、みんなびっくりしてしまった。
それは、彼が学生時代、アパートで一人暮らしをしていたころの話だった。ある時、風邪で40度の熱を出し、三日も大学を休んでしまったことがあったそうだ。熱が下がらず、ずっと部屋で寝ていたのだが、同じクラスの友達が様子を見に来てくれ、お粥を作ってくれた。それまでは何も喉を通らなかったのだが、ようやく熱も下がり、初めて口に入れたのが、友達が作ってくれたお粥だった。お米だけで作った白くて柔らかいお粥で、卵も野菜も何も入っていなかった。しかし、その時はそれが心からおいしいと感じられ、20年以上経った今でも忘れられないのだと言う。
私が、彼の隣に座っている奥さんに「その友達というのは、良子さん、君だったんじゃないの?」と( ア )、奥さんは「実は、そうなんです。」と言って笑った。
1.
この文章によると、「レストラン」はどんなレストランだったか。A.いつも込んでいるが、値段は高くなく、味もサービスもまあまあである。 |
B.値段は高いが、人気があり、味もサービスもすばらしい。 |
C.おいしくて人気があるが、値段が高く、サービスはあまりよくない。 |
D.予約が取りにくいが、おいしくて値段も安く、サービスもよい。 |
2.
「びっくりしてしまった」とあるが、なぜか。A.山下君が、みんなが聞いたこともない珍しい料理の名前を言ったから |
B.山下君が、今日レストランで食べたお粥のことを言ったから |
C.山下君が、みんなが予想もしていなかった料理の名前を言ったから |
D.山下君が、40度の熱を出した時にお粥を食べたと言ったから |
3.
「お粥」を作った人は誰か。A.良子さんの友達 |
B.「私」の友達の山下君 |
C.「私」の奥さんの良子さん |
D.山下君の奥さんの良子さん |
4.
「忘れられない」とあるが、何が忘れられないのか。A.風邪の時に作ってもらったお粥の味 |
B.風邪の時に食べた卵や野菜が入った栄養いっぱいのお粥の味 |
C.友達がお粥を作って、風邪を引いた自分の見舞いに来てくれたこと |
D.友達が作ってくれたお粥のおかげで、早く風邪がよくなったこと |
5.
文中の( ア )に入れるのに最も適当なものはどれか。