2 . 私の名前は回文にもなっている。名づけた母親に尋ねたところ、「回文を狙っていた」という答え。やっぱり、と思った。

小学生の頃、友達に「もりまりも」とおもしろがって呼ばれるのがいやだった。自己紹介で名前を言うのも恥ずかしくて、学校の水泳大会などで名簿が張り出される（被公布）のは苦痛だった。今や（ ア ）慣れて、みずから「上から読んでも、下から読んでも…」とネタ（笑料）にできるが、それは名前に愛着が湧き、両親にも感謝できるようになったからだ。

さて、最近は子どもに変わった名前をつける親が増えているらしい。「一二三」で「ワルツ」、「七音」で「ドレミ」と読む当て字（假借字）や、アニメのキャラクター名もあるそうだ。「まりも」どころではない。無理がありすぎないか。それに子どもたち自身、将来、自分の名前に愛着が湧くだろうか。

親はおもしろがって名づけることがあるかもしれないが、子どもは名前を背負って生きていかなければならない。それを親はよく考えてほしいと、変わった名前の私は思う。