1 . 移動手段は観光において基本的な要素である。そのため、有機的なネットワークが形成されていくことが望ましい。それは空港、鉄道、バス、タクシーなどが一体となって、人々の円滑な移動を保障していくことである。加えて、乗換えの場となる駅舎の快適性・利便性の向上なども求められるだろう。
今後、交通は陸・海・空を問わず、より一層の技術革新により、移動スピードの高速化が実現するのであろう。その結果、地球は狭くなり、より短い時間での移動が可能になる。しかし、こうした交通の近代化のみが、必ずしも観光地や旅行者の満足度を高めるとは限らない。旅の満足感は、「秘境や山間の一軒宿」などのように、苦労して訪れることで初めて得られる「(ア)」なども影響すると考えられる。同時に、容易に訪れることができることで、訪れたい人にとって、観光地の価値が落ちてしまうことや、保護すべき環境に対する過度な負担を強いる要因にもなってしまう。その意味においては、近代交通の発達は、観光の振興に貢献したと捉えられても、細部に至っては、必ずしも味わい深い旅を演出するものではないため、観光地へのアプローチ(接近)方法やその効果については、慎重に検討することが必要である。そこでは、常に移動する主体である「人間」の視点や、影響を受ける観光地の環境や文化なども考慮した交通体系を考えていくことが求められるのである。
1.文中の「直機的なネットワーク」とは、何か。A.各交通機関が競い合って人々に流れるような移動を保障する仕組み |
B.各交通機関が独自に人々を移動させる仕組み |
C.各交通機関が連携して人々の移動を支える仕組み |
D.全交通機関が集まって一つの組織となり、大々的な移動を支える仕組み |
A.交通ネットワークが形成されたことで実現する。 |
B.旅行者の満足度を高めたことで実現する。 |
C.交通の技術が革新されたことで実現する。 |
D.苦労して利用できる交通体系が形成されたことで実現する。 |
A.孤独感 | B.達成感 | C.使命感 | D.優越感 |
A.観光地の価値が落ちてしまうこと |
B.保護すべき環境に対する過度な負担のこと |
C.味わい深い旅が演出できるわけではないこと |
D.旅の満足感が得られること |
A.交通の近代化は観光地や観光客にとって、よい影響だけを及ぼしているとは限らない。 |
B.観光客が短時間で移動できるよう、よりスピードの速い移動手段を用意する必要がある。 |
C.より多くの観光客を呼び込むため、交通が未発達な地域の交通機関を整備する必要がある。 |
D.観光地の環境や文化を保護するため、これ以上交通を発達させるべきではない。 |
2 . 先日、2年ぶりに友人と会ってご飯を食べました。彼女は高校時代の友達で、大学も一緒に過ごした青春時代の親友です。大学を卒業して以来、仕事が忙しくて会えていませんでしたが、久しぶりに会った友人はどこか雰囲気が変わっていました。よく見ると、薬指に指輪をしていました。(ア)、友人はほおを赤らめながら嬉しそうに結婚したことを報告してきたのです。そのことはとても嬉しかったので一緒に喜んでいると、友人は、はっとした表情をして、急に「ごめん、気づかなくて。」と謝ってきました。なんのことかと思えば、彼女は私の薬指を見ていました。私は以前まで薬指に指輪をしていたのですが、今日は外していました。友人はきっと私が離婚したと思ったのでしょう。私は笑いながら、「仕事で指輪ができないから指輪をしていないのよ。」と答えました。すると、友人はほっとした表情を見せました。
その時、私は指輪一つでその人の人生を想像させることが可能なことを知りました。指輪は、ただのアクセサリーではないようです。
1.文中の「雰囲気が変わっていました」とはなぜそう思ったのか。」A.いつもより多くご飯を食べていたから |
B.2年ぶりに会って、成長していたから |
C.髪を切って見た目が変わっていたから |
D.結婚をして指輪をはめていたから |
A.つまり | B.とりあえず | C.しかし | D.そして |
A.久しぶりに友人と会えたこと |
B.友人とご飯を一緒に食べたこと |
C.久しぶりにあった友人が結婚したこと |
D.友人が高い指輪を自分で買ったこと |
A.友人は「私」が離婚したのに結婚したことを報告してしまったと思ったから |
B.友人は「私」が指輪を無くしたことを知っていたので、気をつかったから |
C.友人は「私」が結婚をしていないのに、結婚を自慢してしまったと思ったから |
D.友人は「私」の男友達と結婚したので、それを後ろめたいと思った(认为亏心)から |
A.感動 | B.安心 | C.満足 | D.歓喜 |
3 . 私の少年時代は、自然の中で小さい子供も年上の子供も一緒に群れて遊んでいた。これは(ア)1950年代半ばまでは日本ではごく普通に見られた日常の光景だった。子供が群れるのは一つの自然なのだ。
群れただけでなく、自分たちで遊びや喧嘩のルールを決めるなど、大人に干渉されない子供だけの自立した世界を作り上げていた。そこでの生活を通して、子供は生きていく上で大事な社会性を身に付けてきたわけだ。(イ)、高度成長を経て、子供を取り巻く環境がすっかり人工的になってしまった。自然が壊されて、身近にいた動物や昆虫、植物がいなくなっただけでなく、核家族と少子化が進み、「群れる」という子供の内なる自然まで失われたのだ。
家族や兄弟の少ない子供たちは、物余りと情報過多、そして、競争社会の中で、塾や習い事に忙しく追われ、家の中に閉じこもってゲームをしたり、テレビを見て過ごしたりしている。かってのように異年齢の子が群れて遊ばなくなったために、人生で一番重要な社会性を育む機会のないままに大きくなってしまうところに、今の教育の深刻な問題の要因があるように思う。
もはや自然発生的に群れて遊ぶことは無理である以上、大人が群れる場を仕掛けていくしかない。教育の現場では、すでにそれに気づいているところもあるようだ。例えば、小学校では、同級生だけで遠足に行くのをやめて、1年から6年までの小集団単位で行くとか、給食のときには、一つのテーブルに1年から6年までが一緒に座り、6年生の子が箸の持ち方を教えたり、「後片付け!」と指導したりする。上の子が言うほうが先生が言うよりずっと効果がある。
1.文中の(ア)に入れるのに最も適当なものはどれか。A.私に限ったことで | B.私に限ったことではなくて |
C.子供に限ったことで | D.子供に限ったことではなくて |
A.しかし | B.たとえば | C.また | D.ところで |
A.子供の身近にいる動物や昆虫や植物のこと |
B.大人に干渉されない子供だけの自立した世界を作り上げること |
C.家で1人でゲームをしたり、テレビを見たりする子供の集中力のこと |
D.塾や習い事に通い、ほかの子供に負けたくないと言う競争意識のこと |
A.今の子供が昔のように群れて遊ぶ事は無理であること |
B.核家族、少子化は子供の教育に深刻な問題をもたらすこと |
C.大人になると、社会性を身に付ける機会がなくなってしまうこと |
D.大人が子供の群れる場を作ってあげなければならないこと |
A.先生は言わないで上の子が指導するというルールを先生が作ったから |
B.小集団の遠足に先生は行かないので、上の子が指導しなければならないから |
C.違う年齢の子がいる子供社会では上の子の教えを聞くのがルールだから |
D.上の子は塾や習い事に忙しく、早くしないと次のことができないから |
A.終わります | B.終わりそうです |
C.終わるそうにもありません | D.終わりそうにもありません |
A.あまり | B.くせ | C.最中 | D.間 |
A.なさそうだ | B.ようだ | C.らしい | D.そうもない |
A.していた | B.している | C.してある | D.してあった |
8 . 肥料メーカーの多木化学(兵庫県加古川市)の株価が、2018年一時的に急騰した(暴涨)ってこと知っている?急騰の理由は、バカマツタケ(傻松茸)の完全人工栽培に成功したそうだ。季節を選ばず大量栽培の道が開けたというので、投資家は飛びついたのだろう。バカマツタケが株価を大きく動かしたのだ。
バカマツタケはマツタケ(松茸)の近縁種。名前だけに、マツタケより劣るように思いがちだが、実は姿もよく似ているうえに、味と香りはこちらの方が美味しくて強いと言われるキノコ(蘑菇)である。別名が早松であるように、マツタケより早く8~9月に発生することから名に「バカ」がついてしまった。なお、生えるのは、松林ではなく、ミズナラ(水栎)やコナラ(枹栎)などの広葉樹林に多い。分布は全国ながら、あまり見つからないので、マイナー(小品种)なキノコ扱いでほとんど市場に出回っていない。マツタケの人工栽培がなかなか成功しない中、バカマツタケの方が環境に適応しやすいから、栽培もしやすいのではないかと注目する研究者はいた。
実は2017年奈良県森林技術センターが、人工培養の菌を自然にある樹木に植え付けて発生させることに成功している。これがバカマツタケ栽培の第1号で、2018年も継続発生させて実用化に一歩近づけた。ところが多木化学は、これとはまったく違う手法をとったのである。というのは、木屑などによる人工培地(菌床)で培養から生育までを室内環境で完結させたのだ。これは画期的なことで、キノコ栽培の常識を覆す(颠覆)大発明かもしれない。
1.なぜ多木化学の株価が一時的に急に上がったか。A.バカマツタケは急に大人気になったから |
B.バカマツタケは市場を大きく動かしたから |
C.バカマツタケは完全人工栽培できるようになったから |
D.バカマツタケの味は人工栽培のおかげで美味しくなったから |
A.バカマツタケの方 | B.マツタケの方 | C.バカキノコの方 | D.筆者の方 |
A.マツタケは全国に分布しているが、あまり人に好まれていないから |
B.バカマツタケは全国に分布しているが、あまり見つからないから |
C.バカマツタケは全国に分布して、市場を出される前に食べられちゃったから |
D.マツタケは全国に分布して、違法なものだから |
A.この二つは名前だけ似ていて、実際にはあまり関係がない。 |
B.マツタケより、バカマツタケのほうが劣る。 |
C.マツタケは8~9月に発生するが、バカマツタケは10月ぐらい発生する。 |
D.バカマツタケはマツタケより環境に適応しやすい。 |
A.自然にある菌をある樹木に植え付けられて発生したもの |
B.室内環境で人工栽培されたバカマツタケ |
C.人工培養の菌を自然にある樹木に植え付けられて発生したもの |
D.人工培養の菌は木屑などによる人工培地で発生したもの |
A.いく | B.おいた | C.ある | D.きた |
10 . 世の中には、ノーベル賞を取るような天才科学者や、オリンピックで金メダルを取るようなスポーツ選手などがいる。それ以外の圧倒的多数の人々は凡人である。それでは、一握りの優秀な人々と平凡な人々、いったいどちらが有意義な存在だろうか?この問いに対して、それは優秀な人々の方だ、と答えたくなるかもしれない。しかし必ずしもそれは正しくないのではないか。
我々のほとんどはノーベル賞ともオリンピックのメダルとも無縁の人生を送る。(72 )、我々のような凡人の存在が無意味というわけではなく、むしろ優秀な人々と同じくらい有意義である。平凡な人々の日々の営みのおかげで、誰もがおいしい食事をとることができ、安全に過ごすことができ、楽しい時間を過ごすことができる。優秀な人々の人生だってそうやって支えられているのである。
平凡な人々は社会の多数派である。そして一般的に、多数派は少数派に対して強者である。この社会は、少数派であるノーベル賞科学者やオリンピック選手の能力に合わせて作られているわけではない。優秀な人々は、そのことに居心地の悪さを感じているかもしれないが、それでも多数派の凡人たちが作ったこの社会に支えられつつ、そのすぐれた能力を発揮している。
優秀な人々が見過ごしてしまうような比較的ささやかな問題を発見するのも、多くの場合は凡人たちである。そういった問題を改善するために、ちょっとしたアイデアを出し、実際に行動する。これができれば、平凡な人間として生まれ育ったあなたや私も、人類の発展にささやかな貢献を行った、知られざる偉人の一人となる。
1.文中に「必ずしもそれは正しくない」とあるが、その理由はどれか。A.一握りの優秀な人々の存在に意義がないとは言えないから |
B.圧倒的多数の凡人たちの存在に意義があるとは言いにくいから |
C.優秀な人々の方が平凡な人々よりも有意義な存在だとは言えないから |
D.平凡な人々の方が優秀な人々よりも無意義な存在でないとは言えないから |
A.だからこそ | B.だからといって |
C.そう考えれば | D.それでなくても |
A.平凡な人々こそが社会の多数派であること |
B.ノーベル賞科学者やオリンピック選手が社会の少数派であること |
C.平凡な人々が作る社会は、優秀な人々にとって居心地の悪い面があること |
D.多数派の凡人たちが作った社会に支えられ、一握りの優秀な人々の人生も成り立っていること |
A.平凡な人間として生まれ育ち、社会を支えること |
B.人類の発展のためにささやかな貢献をすることで、社会を支えること |
C.優秀な人々がこれまで見過ごしてしまっていた問題の存在に気がっくこと |
D.見過ごされていたささやかな問題を解決するためアイデアを出し、実行すること |
A.社会を支える平凡な人々 |
B.社会を支える優秀な人々 |
C.我々は平凡な多数派である |
D.優秀な人々を支える凡人たち |