1 . どうして人は眠るのでしょうか。私たちは、1日の約3分の1を眠って過ごします。人間の寿命を75年とすると、何と私たちは25年間も眠って過ごすことになるわけです。では、この25年間について、ちょっと考えてみることにしましょう。
眠りについては昔から、多くの学者がいろいろと考えながら研究を進めてきました。しかし、①それらは、例えば目の運動とか呼吸の状態などで考えられていたのです。これがもっと科学的に研究されるようになったのは、1929年に脳波が発見されてからのことです。脳波というのは、脳が働くときに起こる、非常に弱い電流の変化を記録したものです。
脳波を研究することで、今日では眠りについて、いろいろなことがわかってきました。(ア)眠りの形、少し難しく言うと、眠りの段階は大きく4つに分けることができます。つまり、眠りに入る段階から深い眠りの段階まで、4つの段階があるということです。そして、この4つを1つのサイクルとして、人は一晩に、これを4、5回繰り返すのです。
ところで、先に書いた25年間を(イ)過ごしたら、どうなるでしょう。もっと勉強するなんて嫌だとか、仕事が増えて困るとか、遊ぶ時間が増えるからいい、などといろいろな声が聞こえてくるようです。でも、実際に死ぬまで全然眠らないというのは、無理なことです。11日間ずっと眠らなかった人の例が記録に残っていますが、それでもたった11日間なのです。やはり私たちの心や体は、明日の(ウ)のために疲れを取ろうとして眠るのでしょう。もし眠れなくても、そんなに心配する必要はありません。眠らなくても静かに目を閉じているだけで心身は安らかになります。②そういうときは、眠りの不思議についてちょっと考えてみてください。
1.①「それら」は何を指しますか。A.眠りについて研究してきた多くの学者 |
B.昔からあった眠りについての考え方 |
C.多くの学者が今までにしてきた研究 |
D.多くの学者がしようと思っている研究 |
A.しかし | B.つまり | C.たとえば | D.それでは |
A.眠って | B.眠らないで |
C.眠ったので | D.眠らなかったので |
A.活動 | B.運動 | C.勉強 | D.遠足 |
A.明日のために、ゆっくり眠ろうと思っているとき |
B.疲れを取ろうとしているのに、取れないとき |
C.心や体がとても安らかになっているとき |
D.眠れないので、静かに目を閉じているとき |
2 . 長い間日本では、食事は朝と晩の二回だけだった。今から800年ほど前の本を見ても、そうである。しかし、昼に何も食べなかったわけではない。現在わたしたちは、食事と食事の間に、コーヒーを飲むとか、クッキーを食べるとか。昔の昼の食事はちょうどそのようなものだった。木の実などを少し食べていたらしい。だから、①それは昼ご飯とは言えないものだった。日本人のほとんどが昼にも食事らしい食事をするようになったのは、今から500~600年ほど前からだと言うことだ。
日本人の食事を見てみると、昼はほかの二回とは違う。昼は経験が(ア)のである。今でも日本人が昼食はあまり豪華なものは食べないで、簡単なものにすることが多いのは、そんなことが原因になっているのかもしれない。ある調査によると、日本の会社員が昼休みに昼食に使う時間は、平均16分だという。しかし、イギリスの会社員は36分ほど、アメリカでは約48分もかけて昼ご飯を食べている。昼休みはどの国でも同じくらいの時間だ。日本人が(イ)ことがよくわかる。
このように日本人が昼食に使う時間は短いのだが、おもしろいことに、昼食をする時間という点になると、②みんな同じなのだ。つまり、会社員も学生も家にいる奥さんたちも子供も、みんないっしょだ。12時から午後1時までが、日本人のランチ·タイムだと言っていい。朝食は早く起きる人と遅く起きる人とでは食べる時間が違うし、会社員なら家が会社から近いか遠いかによっても違ってくる。けれども、昼食だけは1億人の日本人が同じ時間に行うのである。朝食が早かった人も遅かった人も、朝食など食べてこなかった人もいたのだ。それは日本人が、昼ご飯をどう考えているかを表しているのだろう。
1.①「それは昼ご飯とは言えないものだった」と言っていますが、どうしてですか。A.食事とは言えないくらい簡単なものだったから。 |
B.コーヒーを飲まなかったから。 |
C.500~600年も前のことだから。 |
D.何も食べていないというわけではなかったから。 |
A.すばらしい | B.少ない | C.多い | D.悪い |
A.昼食を少ししか食べない。 |
B.昼休みはみんな同じ時間に昼食を食べなければならないと思っている。 |
C.昼休みが短すぎて、ゆっくり昼食ができない。 |
D.昼食をあまり大切だとは思っていない。 |
A.昼ご飯の歴史 | B.昼ご飯の経験 |
C.昼ご飯の時間 | D.昼ご飯の内容 |
A.日本では、昼食らしい昼食をしない時代が長く続いた。 |
B.今から800年ほど前の本によると、日本人が一日に3回食べるようになってから、まだ500~600年しかたっていないそうだ。 |
C.日本では、早く家を出る人もそうでない人も、同じ時間に朝ご飯を食べる。 |
D.日本人が12時から1時まで昼食をするのは、同じ場所で仕事をしているからである。 |
3 . クーラーのある電車に乗ってみてください。会社に勤めている男の人は、上着を着てネクタイをしめています。しかし、電車の中には、薄いシャツを一枚しか着ていない男の学生もいます。袖のない洋服を着ている女の人もいます。外ではそんなかっこうでも暑いです。しかし、電車の中は①違います。外を歩くかっこうで電車に乗っている人は風邪をひきます。わたしも上着を着ないで電車に乗って、風邪をひいたことがあります。
わたしは最近、夏はいつも、袖の長い上着を持って歩いています。外を歩くときはそれを手に持っていますが、電車に乗るときは着ます。ビルの中にある事務所でも、そうします。ビルの中の部屋は②電車と同じだからです。
クーラーは、夏に部屋の中を涼しくする機械です。しかし、クーラーのある部屋は、ほんとうに(ア)のように気持ちのいい部屋になるでしょうか。その答えは、ビルの中の事務所で働いでいる女の人が、夏でもセーターを着でいることで③わかります。部屋の中は冬になります。そんな部屋で働いていて、病気になる人も出てきました。「冷房病」という病気で、女の人はスカートをはいて、袖のない洋服を着ているから、男の人よりかかることが多い病気だそうです。今、テレビでは「クーラーを強くつけないでください」と言っています。クーラーを弱くつけたときは、あまり涼しくありませんが、冷房病にはならないからです。
1.①「違います」とは、何が違いますか。A.性別 | B.場所 | C.気温 | D.がっこう |
A.クーラーで寒いです。 |
B.人がおおぜいいるから、暑いです。 |
C.部屋の外と同じです。 |
D.袖のない洋服の人も、セーターを着た人もいます。 |
A.夏 | B.秋 | C.冬 | D.電車の中 |
A.女の人がセーターを着ていることがわかります。 |
B.女の人が冷房病にかかっていることがわかります。 |
C.部屋の中と部屋の外で、着ている洋服が違うことがわかります。 |
D.ちょうどいい涼しさではないことがわかります。 |
A.夏の電車の中で、男の人が上着を着ているのは、風邪をひいているのではありません。 |
B.薄いシャツー枚で電車に乗っている人は、電車の中が暑いから、そうしているのです。 |
C.クーラーを使っているとき、部屋の外と部屋の中では、たいへん気温が違います。 |
D.クーラーを使っている部屋では、夏でも夏のかっこうができません。 |
4 . みなさんは「破天荒」という言葉の意味を知っているか。「破天荒」な人はどんな人を知っているか。「破天荒」という漢字の組み合わせが「型破り」(打破常规)「荒ぶる」(闹腾)というようなイメージを思い出させて、「あの人の生き方は破天荒だ」などと「大胆で豪快だ」という意味で捉える人もいるが、正しくは「今までだれもできなかったことを成し遂げること」を指す。
中国の唐の時代に、役人になるための試験である「科挙」に合格する人が久しく現れない地域があった。その地域は、合格への道が開かれていないとして、未開の土地を意味する「天荒」と呼ばれた。とうとう試験に合格した人が現れたとき「天荒を破った」①すなわち「破天荒」な人だと称賛されたそうだ。私たちが日常で言葉を用いる中で、本来の意味とは異なる使い方が広まってしまうことがある。「破天荒」も漢字のイメージからか、世代を問わず多くの人が誤った意味で理解している。多くの人が間違えたまま( ア )と、古くからある言葉の意味が廃れてしまうかもしれない。
言葉に興味を持って、その言葉の成り立ちとなったエピソード(小故事)を知ると、正しい意味が理解しやすい。故事成語はほかにもたくさんある。ぜひ、調べてみてください。
1.「破天荒」の本来の意味は以下のどれか。
A.型破りなこと |
B.天荒を破ったこと |
C.大胆で豪快なこと |
D.できなかったことを成し遂げること |
A.つもり | B.つまり |
C.その一方 | D.そのため |
A.使い続く | B.使い込む |
C.使い続ける | D.使い分ける |
A.言葉の意味を自分の理解どおりに使う |
B.言葉の本来の意味を気にしなくてもいい |
C.言葉の意味を正しく理解して使うべきだ |
D.言葉の意味を多くの人の理解に従って使う |
A.言葉の元を知ったほうがいい |
B.誤った意味を理解して用いても大丈夫だ |
C.今、試験に合格した人を「破天荒」と呼ばれる |
D.間違ったままに使うと、言葉の意味が廃れてしまう |
5 . ネットやSNSは、様々な楽しみ方があったり、新しいことを知るチャンスになったりもする。スマホやパソコンでオンラインゲームやYouTubeに夢中になる人も多くいる。趣味や興味が広がるのは良いことだ。( ア )、①やりすぎには注意が必要だ。
YouTubeには音楽やゲーム実況、おもしろい企画など、いろいろな情報がある。最近は「推し活」、つまり自分の趣味や好きなアイドルなどに夢中になる人も多く、SNSなどで情報交換することもある。ゲームでは、家にいてもオンラインで友達と繋がり、対戦や協力をして楽しむゲームも人気だ。2019年、WHOが「ゲーム障害」を、正式に病気だと認定した。その基準は三つ。一つは、ゲームの時間や頻度を制御できない。二つは、日常生活よりゲームを優先する。三つは、生活に問題が起きてもゲームを続ける。
こうした状況が1年続く(重い場合は短期間でも)と、「ゲーム障害」と認定され、ひどい場合には入院などの治療が必要になる。
厚生労働省による17年度の調査では、中学生の12.4%、高校生の16.0%が「ネット依存」の疑いがあるとされている。ネット依存を調べる八つの項目がある。八つのうち、五つ以上に当てはまると「ネット依存」の疑いがある。三つ当てはまると危険だと考えてください。
·家族などにうそをついた ·時間を短くするとイライラする
·もっと長い時間やりたい ·自分でやめられないことがよくある
·人間関係を切り裂く ·思っていたより長い時間続けてしまう
·夢中だと感じる ·不安や嫌なことから逃げるためにやっている
1.文中の(ア)に入れるのに最も適当なのはどれか。
A.それで | B.そして | C.しかし | D.それに |
A.オンラインで楽しむゲームが人気だから |
B.ゲームやYouTubeに夢中になる人が多いから |
C.「ゲーム障害」と認定される可能性があるから |
D.ネット依存の中の一つの項目に当てはまるから |
A.音楽を聴くこと |
B.ゲームをすること |
C.おもしろい企画を知ること |
D.好きなアイドルの情報を交換すること |
A.たまにゲームをするために、母とけんかする場合 |
B.ある土曜日はご飯を食べないで、ゲームをする場合 |
C.冬休みは宿題をしないで、家族にうそをついてゲームをする場合 |
D.高校三年生の半年の間に、いつも毎日12時間以上ゲームをする場合 |
A.厚生労働省が「ゲーム障害」を、正式に病気だと認定した |
B.四つのネット依存の項目に当てはまると危険だと考えている |
C.「ゲーム障害」と認定されると、入院などの治療が必要になる |
D.日本の学生の3割が「ネット依存」の疑いがあるとされている |
6 . 日本の大学に入学して半年が過ぎました。日本に来たら、たくさん旅行をしたかったのですが、①なかなか行けません。日本の電車や飛行機は便利ですが、料金が高いのです。だから、普通の旅行には行けませんが、最近、いいやり方を見つけました。私だけの小さな「バス旅行」です。
私の「バス旅行」は、町を走る普通のバスに乗って最後のバス停まで行ってみる旅行です。東京の町の中を走る普通のバスは、最後まで乗っても210円で、片道は長くても1時間ぐらいです。私はいつも、窓から外の景色を見たり、乗っている人の会話を聞いたりしています。最後のバス停に着いたら、近くをゆっくり散歩します。そして、またバスに乗って戻ってきます。変な旅行ですが、日本のことがいろいろわかって、楽しいです。先週の「バス旅行」では、バスの中で寝てしまいました。最後のバス停に着いたとき、運転手が起こしてくれたので、急いでバスを降りました。降りるとき、運転手が心配して「大丈夫ですか。これからどこへ行くんですか。」と聞いてくれました。特に行く場所を考えていない私は、質問にうまく答えられませんでした。②困ってしまって、自分でちょっと笑ってしまいました。
1.どうして①なかなか行けませんか。
A.大学の勉強が忙しくて時間がないから |
B.日本の電車や飛行機は料金が高いから |
C.日本の電車や飛行機は乗り方が難しいから |
D.日本の電車や飛行機があまり便利ではないから |
A.バスに乗っている人たちとの会話を楽しむ旅行 |
B.バスに乗って、降りたくなった所で降りて、散歩を楽しむ旅行 |
C.バスに乗っている時間や最後のバス停の近くの散歩を楽しむ旅行 |
D.行きたい所を調べてバスで行って、バスを降りて散歩を楽しむ旅行 |
A.運転手の質問の意味がわからなくて、答えられなかったから |
B.バスの中で寝てしまって、最後のバス停まで来てしまったから |
C.行きたい場所が思い出せなくて、質問に答えられなかったから |
D.行く場所を決めない旅行をするので、質問に答えられなかったから |
A.私にとって、この旅行は私だけの小さな「バス旅行」だ |
B.普通の旅行には行けないけど、最近、いいやり方を見つけた |
C.最後のバス停で、運転手に起こされたので、急いでバスを降りた |
D.バスは、最後まで乗っても210円で、往復は長くても1時間ぐらい |
A.変な旅行 | B.便利な旅行 |
C.恥ずかしい旅行 | D.つまらない旅行 |
7 . いい文章はそれを読む者に充実した時間を作り出す。知識が人を喜ばせる必要はない。技巧が人を楽しませる必要はない。人を利口(聪明)にするよりも、それを読んで本当によかったと思わせる文章を書こう。
文章にとって最も大事なのは、優れた内容としてそのまま相手に伝わることである。したがって、いい文章には「いい内容」と「いい表現」という二つの側面がある。
どれほど多彩な表現が使われても、その奥にある内容がつまらなければ、文章全体として価値が低い。それでは、いい内容はどのようにして生まれるのだろうか。優れた内容を生み出す特定の手段や小手先の技術(小聪明)などは役に立たない。自分がいて広がる世界のどこをどう切り取るか、それをどこまでよく見、よく考え、よく味わうか、そういうほとんどその人間の生き方とも言えるものがそれに関わっているからである。豊かな内容は深く生きることで自然に湧き出るのだろう。
(ア)、どれほど優れた思考内容が頭のなかにあっても、それが直接人の心を打つことはできない。というよりも、言語の形をとることによって、それが優れた思考であることがはじめて確認できるのである。その意味で、文章表現は半ば発見であり、半ば創造である。いい内容がいい表現の形で実現し、いい文章になる。逆に言えば、優れた言葉の姿だけで、優れた内容というものの存在を知ることはできる。
1.「それ」とあるが、何を指すか。A.いい内容 | B.自分がいる世界 | C.言葉の形 | D.いい表現 |
A.それに | B.ですから | C.あるいは | D.一方 |
A.読んだ後に満足感が得られるもの | B.読んだ後に利口になれるもの |
C.読んだ後にストレスが解消できるもの | D.表現が多彩で、意味も深いもの |
A.さまざまな人間の生き方を知ることで | B.世界中のことを広く知ることで |
C.人生を深く生きることで | D.深い知識を得ることで |
A.いい表現であれば、どのような内容でも人の心を打つ |
B.いい表現の形をとることで、いい内容が人に伝わる |
C.いい文章を書くには優れた内容を生み出す特定の手段や小手先の技術などが役立つ |
D.いい文章を書くには、深い知識を身に着けておかなければならない |
8 . 花を味わうには、細かいところまで、よく見極めることが必要です。このためには、花に関する正しい知識と理解がなければなりません。この知識があれば、どんなにみすぼらしく(丑陋)見える道端の雑草の小さな花も素晴らしいものであることが分かってきます。普通の人の知らない美しさを知ることができます。
私たちが人に会った時に一番注意するのはその人の顔です。これと同じように私たちが草木に接する時、一番強く心を引かれるのは花です。普通の人は花がなければ見向き(理睬)もしません。また、たとえ花があっても美しくなければ眺めようとはしません。
花は、いわば植物の顔ですが、人の顔が千差万別である(ア)、花の顔もまた千差万別です。人間の顔には人相というものがありますが、花にもまた花相というものがあります。花を知るにはこの花相というものを心得(领会)ておく必要があります。ただぼんやり花を眺めていては、ただ単に「美しい」とか「珍しい」とかで終わってしまいますが、花相を知っていれば、面白さを味わうことができます。
1.「この知識」は何を指しているか。A.雑草の小さな花も素晴らしいものであること |
B.普通の人の知らない美しさを知ること |
C.花に関する正しい知識と理解 |
D.花は植物の顔であること |
A.人に会った時に、一番注意するのは人の顔であるということ |
B.草木に接する時、一番注意するのは花であるということ |
C.花がなければ見向きもしないということ |
D.花があっても美しくなければ眺めないということ |
A.らしい | B.ように | C.そうに | D.ような |
A.細かいところまでよく見極める | B.花に関する正しい知識が分かる |
C.ぼんやり花を眺めるだけだ | D.花相を心得ておく |
A.道端の雑草の小さな花も素晴らしいものである |
B.普通の人の知らない美しさを知ることが一番大切である |
C.人の顔も植物の顔も千差万別なものである |
D.花を味わうには、正しい知識を理解しなければならない |
9 . 冬が終わり,すこし暖かくなってきたある日,日本語科のクラス委員が声を掛けてきました。
「今度,みんなで花見に行くので,一緒にいかないか?」というのです。北京にも桜の名所があって,中国の学生たちが一緒に桜の花を見たいと言ってくれるのは嬉しいことですが,そのころちょうど体調を崩していたし,わたしとしては毎年のことで少し新鮮味を感じなくなっていたのは確かです。それで,つい「花見?うーん,考えておくよ」と言いました。
その後,学生が「花見は来週の日曜日になりました」と言ったので,わたしは正式に行かない旨を伝えたところ,彼は残念そうな顔をしました。
それから数日経って,またその学生が声を掛けてきました。「先生から聞きましたが,日本人が『考えておく』と言ったら,それは『ノー』の意味ですってね」。
その時,「しまった」と思いました。不用意に「考えておく」と言ったばかりに,学生に期待を持たせてしまったのです。「そういう場合が多いね。だって,せっかく誘ってくれたのに,その場ですぐにノーと言ったら,なんか悪いでしょ?」というと,「えっ,どうしてですか?」と学生が畳み掛けて(说个不停)きます。どうやら,(ア)。
一般に,中国や欧米の人たちにとって,相手がどう思うかというより,しっかり自分の考えを伝えることが大切だということでしょう。一方,日本人は普通,こう言ったら相手はどう思うだろうか,嫌がるかもしれない,などと細かい配慮しながら話します。相手の誘いをその場で断ったら相手を失望させることになると思うのです。
1.文中に「考えておくよ」とあるが,それはどういう意味なのか。A.ちゃんと考えておいてから返事をする。 |
B.体の調子が悪くて,治ったらまた誘う。 |
C.相手の気持ちを考えながら断る。 |
D.日程調整が必要だから考えている。 |
A.「わたし」が参加することを期待していたから |
B.「わたし」が桜があまり好きじゃないことが分かったから |
C.「わたし」が忙しくて参加できないから |
D.「わたし」が花見の約束を忘れたから |
A.直接的に断ったことで学生に傷ついたこと |
B.考えた結果は行かないということ |
C.行きたかったけど,断ったこと |
D.断ったけど,実は伝わっていないこと |
A.その意味が理解できてよかったです |
B.その意味がちゃんと理解できたようです |
C.その意味が理解できなかったようです |
D.その意味が理解できなくても大丈夫です |
A.自分の気持ちをちゃんと伝える話し方 |
B.相手の気持ちを考える話し方 |
C.自分を喜ばせる話し方 |
D.相手を喜ばせる話し方 |
10 . MBTI診断という言葉を聞いたことがあるだろうか。
MBTIは性格類型検査の一種で、外向型(E)と内向型(I)、感覚型(S)と直観型(N)、思考型(T)と感情型(F)、判断型(J)と認識型(P)の4つの二項対立する特性の組み合わせにより性格を16のカテゴリーに分類する心理学的ツールだ。
2020年ごろに一部企業が入社試験の面接などで求職者にMBTI質問をし、是非論に発展したことがある。当時、企業は「緊張をほぐすための雑談に使った」「合否に影響を及ぼさな」い」などと釈明した。
(ア)、依然として多数の企業の面接場でMBTIについて質問している。就活生情報の共有カフェでは「面接を受ける時、MBTIを尋ねる会社があるというが、率直に言えば落ちるだろうか」とか「面接でMBTI質問を受けたが、一緒に働きたくないタイプか把握するためなのか」と不安がる声が上がっている。
今年8月のインターン面接でMBTI質問を受けたという就活生(23)は「P型(認識型)なのに普段、試験勉強をする時も計画を立てない方なのか」と面接官から聞かれたといい、「単に軽い気持ちで尋ねたのか、何か意図があったのかわからなかった」と訴えた。
1.MBTI診断では、次のうち二項対立する性格特性の一つはどれか。A.勤勉型と怠惰型 | B.外向型と内向型 | C.感受型と冷淡型 | D.短気型と忍耐型 |
A.例えば | B.しかし | C.そして | D.また |
A.MBTIが学生の知識を評価するために使われているから |
B.面接官が私生活に関する個人情報を探ろうとしていると感じたから |
C.自分の性格が仕事に適しているかどうかを判断されるのではないかと心配したから |
D.就職活動のルールに違反していると思ったから |
A.試験勉強をする時の計画立て方 | B.休日の過ごし方 |
C.好きな食べ物 | D.趣味や特技 |
A.MBTIは誰にでも同じ結果を与える性格テストである |
B.MBTIは性格特性を4つの二項対立から形成する |
C.MBTIは企業の採用試験でのみ使用されるものである |
D.MBTIは趣味や嗜好を予測するためのツールである |