1 . 4年制大学を今春卒業した学生の就職率が6割に落ち込み、就職も進学もしなかった人が約87,000人に昇ることが明らかになった。若者から夢を奪い、社会全体の活力を失わせる無視できない事態である。
若者が定職に就かないまま、年を取ることは本人はもちろん、社会にとっても重大事である。将来の税収や社会保障にも大きな影響を及ぼすからだ。就職率低下を改善するため、大学と産業界、政府の 3 者は一体となり、中途採用の促進などを進めなければならない。人材の出入りを活発にすることは、緊要な課題である。
そのためには、硬直化した採用制度の見直しが必要だ。産業界では今まで、毎年4月に大学や高校の新卒者を一括採用する方法が主流となっている。しかし、今では新卒採用と合わせて既卒者を募集する企業は全体の4割未満で、とくに大企業でその比率が低いとされる。既卒者を含めた通年採用を実施するなど、採用形態の( ア )を進めるべきだ。
大学も職業訓練や資格取得など専門教育を実施し、就職に向けて学生が自らの適性に応じて能力を開発する取り組みが必要だ。厚生労働省は、新卒未就職者を雇用する企業に対する助成を始めた。若者も厳しい状況ではあるが、あきらめてはならない。自分の熱意と能力を信じ、未知の職業にかける挑戦者の精神で就職活動に取り組んでほしい。
1.文中に「若者から夢を奪い、社会全体の活力を失わせる無視できない事態である」とあるが、どういうことか。A.若者が夢を見る権利を失い、社会が活力を失ったこと |
B.若者が就職できないのは、本人にとっても社会にとっても重大事であること |
C.若者には夢がないのは、社会に大きな影響を与えること |
D.社会が若者から夢を奪ったこと |
A.毎年4月に大学や高校の新卒者を一括採用する方法 |
B.新卒採用と合わせて既卒者を募集する方法 |
C.既卒者を含めて通年採用する方法 |
D.中途採用をする方法 |
A.就職率の6割未満の企業の比率 |
B.新卒者だけを採用する企業の比率 |
C.既卒者だけを募集する企業の比率 |
D.新卒者も既卒者も募集する企業の比率 |
A.単一化 | B.国際化 | C.多様化 | D.分極化 |
A.企業が採用制度を見直すこと |
B.大学で職業訓練や資格取得など専門教育を実施すること |
C.政府が新卒未就職者を雇用する企業に対する助成を始めること |
D.若者が熱心に就職を待つこと |
2 . 最近の学校や先生、そして親は、子どもに対して干渉しすぎないか――教室に入れず、保健室に登校せざるを得ない(不得不到校)子どもから相談を受けた時、真っ先にそう感じます。例えば、大人になって服装や髪の毛の色についていろいろ言われたら、「うるさいな」と思うでしょう。それなのに、子どもがそういうことを言われるのは、当然だという風潮があります。「子どもなんだから、当然」ですべてを片づけ、言われる側の気持ちなどを親や先生も考慮していないのです。
( ア )、日本社会における子どもというのは、人格を認められないままの、中途半端な存在なのです。さらに、「大人になったらやりなさい」「大人になったら許してやろう」というのを、「受験が終わったら」「大学に入ったら」というように、親や先生が都合のいいように言い替え、子どもを縛っているケースが多いのです。
干渉しすぎという「縛り」が、人間の中に大きな歪みを作っていくという意味では、ストレスの原因にもなります。現在の学校や子どもたちを取り巻く環境をみると、子どもたちに対して、そういうストレスを作っていると感じずにはいられません。
1.文中に「そう感じます」とあるが、どんな感じか。A.子どもが教室に入れないことは大きな歪みだという感じ |
B.先生や親は子どもに対して干渉しすぎるという感じ |
C.子どもは先生や親に嫌な気持ちを持っているという感じ |
D.先生や親は子どもの気持ちを考慮しているという感じ |
A.制服を着て髪の毛を染めないこと |
B.大人にいろいろ言われたら、「うるさい」と言うこと |
C.子どもが大人にいろいろ言われること |
D.勝手なことをして登校しないこと |
A.つまり | B.ただし | C.それに | D.しかも |
A.保健室の先生 | B.学校の校長先生 | C.親 | D.子ども |
A.子どもは厳しい社会で生活しているのだから、学校や先生、親は子どもに干渉する必要がある。 |
B.大人の干渉が子どものストレスの原因になっているから、学校や先生、親は子どもに干渉しすぎないほうがいい。 |
C.子どもの不登校が問題になっているから、学校は保健室を増やしたほうがいい。 |
D.大人の干渉は子どものストレスの原因にならないが、学校や先生、親は子どもに干渉しすぎないほうがいい。 |
3 . 眼鏡をかけた男の子が、手にした本のページを一心に見つめている。ニコニコとして、うれしそうだ。今、彼は読書を楽しんでいるなあ。東京にある豊島区立中央図書館の管理者、石川典子さんはこれを見ていて、胸がいっぱいになったという。
男の子が読んでいたのは、視覚に障害がある人向けの大きな活字の本だった。今春、図書館は「りんごのたな」というコーナーを新たに設けた。触って楽しむ本や読みやすさに工夫を凝らした本が棚に並んでいる。
「すべての子どもに読書の喜びを」との思いを込め、石川さんたちは本を選んだという。
「こういう本が読みたかったんです」。視力が徐々に失われていく病気の子の母親には感謝された後、言われた。「以前はなかったですよね」。
棚の案内に「障害」という言葉は使っていない。「多様性を考える本」などと呼ぶことにした。視覚に障害がある人もいれば、視力が衰えたお年寄りもいる。読書バリアフリー(无障碍阅读)は、誰でも直面する問題だ。
「障害は訪れる人ではなく、サービスをする図書館の側にあるのだと思いました」。どうすれば、もっと多くの人が読書を楽しめるようになるのか。「私たちもまだまだ、これからです」。石川さんはそう話している。
1.文中の「これ」は何を指すか。A.男の子が手にした本のページ |
B.男の子が読書を楽しんでいる様子 |
C.石川典子さんが胸がいっぱいになった瞬間 |
D.視覚に障害がある人向けの大きな活字の本 |
A.簡単で読みたくない本 | B.多様性を考える本 |
C.目が見える人向けの本 | D.病気の子向けの本 |
A.眼鏡をかけている人が多いのに気づいたから |
B.病気の子の母親に感謝されたいと思ったから |
C.触って楽しむ本がおもしろいと思ったから |
D.すべての子どもに読書の喜びを感じさせたいと思ったから |
A.物事の進行の邪魔 | B.体の不自由 | C.精神の機能の低下 | D.陸上競走 |
A.豊島区立中央図書館は「りんごのこころ」というコーナーを新たに設けた。 |
B.棚の案内には「障害」という表現を使用している。 |
C.重度障害の石川さんは読みたい本が読めないというのは権利侵害だと思った。 |
D.石川さんは自身や図書館について「まだまだ、これからです」と言った。 |
4 . 日本の成人は18歳からである。2022年以前は法律で20歳を「成人」と定めていたため、日本の様々な社会制度や風習は20歳を基準に「できること」と「できないこと」を分けていた。( ア )、日本社会は20歳以上を明確に成人=大人として扱い、19歳以下を未成年=子どもとして区別して扱ってきた。端的に言えば、大人は自己責任を取らされるが、子どもは親の保護監督下に守られてきた。
私自身は、ある事故を経て、成人と未成年の区別や扱いの違いを身に沁みて感じた。私は20歳の前と後に交通事故に遭い、救急車で病院に運ばれたことがある。一度目は17歳の時、朦朧とする意識の中で救急車に乗る直前、親に連絡するために救急隊員から家の電話番号を聞かれた覚えがある。
次は23歳の時、バイクに乗っていた私は車と接触事故になり、救急車に乗せられた。この時は、意識はある程度はっきりしていたこともあり、運転免許証を確認されただけで、誰にも連絡されなかった。
未成年は、自身が最終責任者ではないから、何かあれば親に連絡されるのである。日本のドラマやアニメをよく見ている人なら一度は聞いたことがあるだろう、「親を呼べ!親を!」という台詞を。
1.今日本の成人の年齢は何歳からか。A.17歳 | B.18歳 | C.19歳 | D.20歳 |
A.たとえば | B.けれども | C.そして | D.しかし |
A.親は子どもほど責任が大きくない |
B.事故の時、家の電話番号を覚えるかどうか |
C.自己責任を取らされるかどうか |
D.事故の時、救急車で病院に運ばれるかどうか |
A.親しかに連絡しなかった | B.運転免許証だけを確認した |
C.電話番号を聞いた | D.救急車を呼んできた |
A.未成年者が最終責任者ではない | B.自己防衛の必要がある |
C.子どもが親を離れることができる | D.救急隊員が責任感を持っている |
A.門松 | B.さくら | C.そば | D.梅 |
A.までもない | B.てはいけない |
C.なければならない | D.にすぎない |
A.見えるところにゲーム機を置いた | B.ゲーム機を隠した |
C.新しいゲーム機を買った | D.成績がよくなった |
A.うちに | B.最中に | C.うえに | D.ところに |
A.とおして | B.中心に | C.きっかけに | D.こめて |
A.について | B.にとって | C.に対して | D.によって |