1 . チーム全員で物事を成すというのは本当に面白いが、ときにはチームが一つにまとまらず、あるメンバーがチームの足並みを乱す要因になってしまうこともある。大変残念なことだが、もしそうなったら、リーダーはその現実から絶対に目を背けないことだ。
周りのメンバーから「NO」を言われた人については、その人がどうしても変われないなら、リーダーとしてのあなたがチームから外すことを決断する勇気もときに必要だ。
ただし勘違いしてはならない。外すという決断は、決して軽々しくしていいものではない。そもそも、周りと合わない人がチームにいるというのはよくあることだ。それはまだ、本人に「変わる」余地がいくらでもある状態であり、まずはあなたがその人を変えていけばいい。
たとえば私は、他のメンバーの反応がよくない人ほど、1対1で何度も話し合うようにしている。その席では「周りがこんな不満を感じている」ということを率直に伝え、こうして話し合っていることをメンバーにも分かってもらっている。そのうえで、数か月後に周囲との関係が改善されていなければ、本人に異動の意思を尋ねる。(ア)残念な結果になっても、周りのメンバーも納得できるし、誰でも受け入れやすくなると考えているのだ。つまり、チームからあるメンバ一を外すなら、外すという決断の「重み」を本人にも周囲にも感じてもらえるように、まずあなたが正面切ってその人に何度も働きかけることが先なのだ。
1.文中に「目を背けない」とあるが、それに一番意味が近いのはどれか。A.目線を離さない | B.目を盗まない | C.目が回らない | D.目にあわない |
A.リーダーが勘違いしたこと | B.周りと合わない人がいること |
C.決断を軽々しくすること | D.その人を変えること |
A.それでは | B.なぜなら | C.ところで | D.それならば |
A.他のメンバーに何度も話し合うようにする。 |
B.直接に本人に異動をさせるようにする。 |
C.本人にコミュニケーションを取って、改善してもらうようにする。 |
D.他のメンバーと話し合って、本人を外す決断するようにする。 |
A.リーダーとしての決断は軽々しくしてもいいことだ。 |
B.外すという決断は重いから、本人に何度も働きかけることが大切だ。 |
C.周りのメンバーが納得できるように、リーダーは他のメンバーに何度も話し合うことだ。 |
D.本人は周りとの関係が改善しても、リーダーは本人に異動をさせることだ。 |
2 . 個性の重視ということが注目されるようになって以来、「子どもの興味を尊重し、一人一人の子どもが興味を持つこと、「やってみたい」ということを好きにやらせることが、個性の重視である」という解釈が広がりました。しかしその結果、社会生活上のしきたり(注 1)や習慣を教える機会を失ったと悩む教師と、好きなことしかやりたがらない子どもをつくってしまったということはないでしょうか。個性の重視とは、「二人と同じ人間はいない、つまり人は一人一人異なる存在である。(ア)、一人一人が異なった興味や価値観を持つのは当然である」という考え方を肯定する人間観を意味しているのです。
(中略)
子どもの興味や関心は日々変化する可能性があります。しかし、何らか(注 2)の形でその対象を知る機会がなかったなら、興味を持つこともないのです。小学生はまだまだ経験の幅が狭いものです。ですから、おのずと(注 3)興味や関心を持つ対象も、非常に限られた範囲のものになります。さまざまなものに興味を持つのを待つばかりでなく、興味が持てるように、さまざまな体験ができるようにすることが大切です。
(渡辺三枝子『キャリア教育-自立していく子どもたち』による)(注 1)しきたり:昔からの決まり
(注 2)なんらかの:何かの
(注 3)おのずと:自然と
1.文中の「その」の指すことはどれか。
A.「やってみたい」ということを好きにやらせること |
B.一人一人の子どもが興味を持つこと |
C.子どもの興味を尊重すること |
D.個性の重視への解釈が広がったこと |
A.すると | B.でも | C.だから | D.それに |
A.個性の重視ということが間違って解釈されている点 |
B.個性の重視ということが注目されている点 |
C.個性の意味についての解釈が定まっていない点 |
D.教師が社会生活上のルールを教えていない点 |
A.それぞれの望むことを自由にさせる。 |
B.それぞれの興味や価値観を尊重する。 |
C.他人より優れた点を高く評価する。 |
D.他人との違いが大きいほうがよいとする。 |
A.子どもの興味や関心は変わりやすいので、注意深く観察することが必要だ。 |
B.子どもの興味や関心が広がるように、多様な体験の機会を与えることが重要だ。 |
C.子どもの自主性を尊重し、自身で新しい興味や関心を見つけ出すのを待つべきだ。 |
D.子ども自身が見つけた興味や関心に注目し、それを集中して経験させたほうがよい。 |
3 . 成功するためにはどうしたらいいだろうか。成功者の話を聞くことも役に立つが、わたしは、失敗者の話を聞くほうが成功への近道になるのではないかと思って いる。
成功者はどのように成功したのか。もちろん準備を整え、努力して成功した人もいるだろう。(ア)、ちょっとしたチャンスを逃さなかった幸運な人もいれば、トラブルもなく苦労せずして成功した人もいる。
成功を山の頂上にたえれば、成功者は山の頂上まで辿り着いた人のことだ。登頂者の中には、天候に恵まれ、技術も経験もある案內者の後を付いて行っただけで頂上まで辿り着いた人もいる。これに対して失敗者は、様々な事情で頂上まで登ることができなかった人たちのことだ。このことから、成功者と失敗者の話の違いが想像できる。運よく登頂できたのんきな話を聞いても、自分が山に登る時の参考にはならない。そんな人の話より、いろいろな困難に遭い、予測できない事が起きて登頂できなかった人の話のほうが、今後役に立つ。(イ)、登頂できなかった原因は何なのか、その対策を立てることで、登頂成功に近づけるからだ。
成功者になるためには、失敗者が失敗した原因を知り、それを避ける方法を考える必要がある。それができれば、成功できる可能性は高くなる。成功したければ失 敗者の話を聞くべきだというのは、そういうことなのだ。
1.文中の(ア)に入れるのに最も適当なものはどれか。A.こうして | B.それでは | C.だから | D.しかし |
A.成功者の話をよく聞いて、真似をするといい。 |
B.成功者の話より、失敗者の話を参考にするといい。 |
C.山に登頂できなかった人といっしょに山に登るといい。 |
D.失敗した話を聞いても無駄なので、登山のトレーニングをするといい。 |
A.運よく登頂できた人の、のんきな話 |
B.困難に遭い、登頂できなかった人の話 |
C.予測できない事が起きて、登頂に失敗した話 |
D.登頂に失敗した原因を考え、対策を立てる話 |
A.けれども | B.なぜなら | C.そして | D.そのため |
A.失敗者の話からは、成功できない理由や事情について知ることはできないが、なんとなく成功する可能性が高くなりそうだから |
B.無事に運よく成功した者の話は、自分も簡単に成功できると思わせてくれるから |
C.失敗した原因を知り、それを避けるようにすることで、成功する可能性を高くすることができるから |
D.失敗者の話は、成功するのがそんなに簡単でないことを教えてくれ、自分も頑張らなくてはいけないと思わせてくれるから |