1 . 匂いは、過去の経験をその時の気持ちとともに思い出させることがある。音楽を聞いたり、景色を見たりした時も同じようなことがあるが、匂いのほうがもっと強い。
匂いには、何の匂いかと考えさせる前に、体や心を動かす力があるようだ。
匂いのこのような特徴は、いろいろな形で利用される。体や心を休ませたり、集中する力をつけたりするためにも使われるが、最近では次のような利用方法が増えている。
(ア)、あるスーパーで、人工的に作られたカレーの匂いを売り場に流したら、カレーの材料がいつもより 3 割ぐらい多く売れたそうだ。匂いが、その味やそれを食べた時の満足感をはっきりと思い出させ、また食べたいと思わせたからだろう。また、衣類のような、匂いのしない商品の売り場に、人工的な花の匂いを流している店もあるそうだ。匂いによって商品のイメージを作ろうとしているのだ。
これらの話を聞いた時は、匂いにそんな使い方があったのかと驚いた。
専門家によると、今ではほとんどの匂いが人工的に作れるそうだ。しかし、人工的な匂いは本当のカレーや花の匂いではない。小学生にある実験をしたら、自然のイチゴの匂いよりも、人工的なイチゴの匂いのほうを本当のイチゴの匂いだと思ってしまう子どもが多かったそうだ。
作られた匂いばかりに囲まれていると、それに慣れてしまい、本当の匂いが忘れられていく。人工的な匂いを利用する可能性が広がることはいいことではあるが、本当の匂いも忘れないようにしたい。
1.文中に「いろいろな形で利用される」とあるが、合っていないものはどれか。A.売り場に流す | B.集中する力をつける |
C.人体や心を休ませる | D.カレーの材料に入れる |
A.例えば | B.もちろん | C.それなのに | D.なぜかというと |
A.匂いが人工的に作れるから。 |
B.匂いにはあまり使い方がないから。 |
C.匂いにはいろんな使い方があったから。 |
D.匂いによって商品のイメージを作るから。 |
A.みんな人工的な匂いと本当の匂いが分かる。 |
B.本当の匂いを人工的な匂いだと思った人が多い。 |
C.みんな自然な匂いより人工的な匂いのほうが好きだ。 |
D.人工的な匂いを間違えて本当の匂いだと思った人が多い。 |
A.自然の匂いを使ったほうがいい。 |
B.自然の匂いを忘れないでほしい。 |
C.人工的な匂いがよく利用される。 |
D.人工的な匂いより自然の匂いのほうがいい。 |
A.なっている | B.あっている |
C.している | D.かかっている |
3 . 「ことわざ」は長い年月の中で生まれ、大勢の人によって様々な場面で使われてき1ました。そこには昔の人の知恵が詰まっています。
「ことわざ」は面白いものです。たった数語の文字のかたまりが、困った時や、迷った時に、ヒント(提示)を与えてくれたり、問題を解決してくれたりします。そして、この「ことわざ」を使って、みんなにアドバイスをすることができます。
(ア)、「三人寄れば文殊の知恵」という言葉があります。何かに困って悩んでいる友達には、「誰かに相談してみたら、きっといい考えが浮んでくる」と教えてあげれば、1人では解決できなかった問題が解決できるかもしれません。
授業中、聞きたいことがたくさんあるのに、恥ずかしくて先生に質問ができない友達には、「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」という言葉を教えてあげればいいでしょう。今聞くにはちょっと恥ずかしいかもしれないが、知らないでいるのはもっと恥ずかしいということが分かり、積極的に質問ができるようになるかもしれません。
しかし、こんなこともあります。日本語のスピーチ大会の代表になった生徒が日本人の友達に言いました。「日本語のスピーチ大会は、聞きに来る人が少なくて寂しいんです。お願いします。来てください。『枯れ木も山の賑わい』と言いますからね。」それを聞いた日本人は笑い出しました。その生徒は大勢の人が来れば賑やかになるという意味で使ったのです。しかし、「枯れ木も山の賑わい」というのは、つまらないものでも、ないよりいいという意味なのです。
「ことわざ」を間違えて使うと大変ですが、正しい意味を学んで的確に使えば、人を説得する力があります。また、文や会話の表現を生き生きとしたものにしてくれるのです。
1.文中に「そこには昔の人の知恵が詰まっています」とあるが、「そこ」とは何を指すか。A.ことわざ | B.長い年月 | C.大勢の人 | D.様々な場面 |
A.また | B.しかし | C.つまり | D.例えば |
A.スピーチ大会に日本人が来たこと |
B.日本人の友達が笑い出したこと |
C.ことわざを間違えて使ったこと |
D.大勢の人が来ること |
A.知らないことを素直に聞いて学ぶべきだということ |
B.少しの違いがあるにしても、本質的には同じだということ |
C.役に立たない者でも、いないよりはいたほうがましだということ |
D.どんな凡人であっても一緒に相談しながら考えれば、知恵が出てくるということ |
A.迷った時に、ことわざはヒントになることがあります。 |
B.ことわざを問違って使っても大丈夫です。 |
C.ことわざはアドバイスをしてくれることがあります。 |
D.ことわざは問題を解決できることがあります。 |
A.に | B.の | C.か | D.を |
A.いい | B.いく | C.よい | D.よくて |
A.に伴って | B.に応じて | C.に沿って | D.を通じて |
7 . 日本の有名な旅館の話である、客室係が女性の宿泊客を案内して「亡くなった夫といっしょに来たかった」という話を聞いた。すると彼女はすぐに、調理場に連絡を取り、夕食にそっと陰膳を用意した、というのである。
もちろん、それは旅館の側の心づかいであるから無料である。この旅館ではこういったその埸での判断をすべて客室係か自分で決めるのである。目の前にいるお客さんにサービスするのに、いちいち責任者に相談したりしていたら間に合わないからだ。昔は、客のために、わざわざとなりの県までタクシーで行き、その土地の有名な酒を買ってきたとも言わる。それで、お金がかかりマイナスになっても、客との関係のほうを大事にしたという。もちろんその客は喜んだだろうし、それから何度もこの旅館を利用したことだろう。そのような客の満足感が、この旅館の評判を高め、有名にしたのである。
この旅館では、「客のお迎えからお見送りまで」を一人の客室係が行っている。客室係は、客との話で何かに気づいたら、すぐに客室センターに電話をかけ、協力を求める。そして、たとえば、その日が客の誕生日だったら、花を用意したり、記念のプレゼン卜を用意したりする。
このような心のこもったサービスは、結局、客室係と客との会話の中からしか生まれてこない。この旅館が客室係を大事にするのは、(ア)ためである。
注:陰膳:亡くなった人のために用意する料理。
1.文中に「日本の有名な旅館の話」とあるが、どのような話か。A.客室係がある女性の宿泊客から聞いた話 |
B.ある女性の宿泊客が客室係から聞いた話 |
C.客室係がある女性の宿泊客に特別なサービスをした話 |
D.ある女性の宿泊客が客室係に特別な料理を注文した話 |
A.上の者に相談していたら時間がかかるから。 |
B.客室係のほうが上の者より能力が髙いから。 |
C.客室係が調理場に頼めば無料にできるから。 |
D.お金がかかる時は客室係が自分で払うことになっているから。 |
A.お金よりも客の満足のほうを大事にしたということ |
B.旅館を宣伝するためのサービスを大事にしたということ |
C.客から特別にもらうお金のほうを大事にしたということ |
D.できるだけお金がかからないサービスを大事に |
A.客室係が少なくて、一人で多くの客と話さなければならな。 |
B.客室係が気づかなければ、心のこもったサービスはできなら |
C.旅館の中で一番忙しくて、いろいろな仕事をするのが客室係だから。 |
D.客室係は話が上手で、旅館の中のいろいろな情報を知つるから。 |
A.この | B.その | C.あの | D.どの |
A.分 | B.部 | C.位 | D.点 |
9 . 昨日私は病気でした。( )食べませんでした。
A.何か | B.何が | C.何を | D.何も |
10 . ジョギングは、走ることを楽しむスポーツです。せっかくジョギングを始めても、2日か3日でやめてしまう人がいます。そういう人は、走る楽しみを見つけられないまま、走ることは苦しいものだと思ってしまうのです。
走る楽しみは、目標を少しずつ高めるにつれて生まれます。例えば「2キロを15分以内で走る」という目標を決め、それに向けて計画を立てる。目標のとおり走れたら、次の目標を決める。この繰り返しが走る楽しみを生むのです。
それには、計画をしっかり立てることが大切です。これからジョギングを始めようと思っている人は、次のようにするといいでしよう。まず、最初の1か月は、とにかく2キロを、1キロ10分程度の速さで走ることから始めます。これは、走るより歩くのに近い速さです。
これなら、初めて走る人にも難しくありません。疲れたら、歩いてもいいのです。次第に、1キロを8分、7分とスピードを上げていきます。1キロ7分の速さで走ると「歩き」よりも「走り」に近くなります。
次の1か月はかかる時問を気にしないで2キロを走り、次の1か月は3キロを走るというように、少しずつ距離を延ばしていきます。個人差がありますので、走る距離もスピードも、自分の力に合わせて無理のない計画を立ててください。1キロ5分の速さで走り続けられたら、マラソンの大会に出る力があると言っていいでしょう。
このように目標を決め、計画を立てて走ることで、ジョギングを楽しむことができるのです。
1.文中に「そういう人」とあるが、何を指しているか。A.ジョギングを始めたばかりの人 | B.ジョギングを始めてすぐやめる人 |
C.ジョギングを苦しいと思っている人 | D.ジョギングを楽しむことのできる人 |
A.一生懸命速いスピードで走るという目標 | B.一生懸命長い距離を走るという目標 |
C.今までより少し高い目標 | D.今までよりかなり高い目標 |
A.まず1キロを7分で走り、次第に速度を上げ、1キロを5分で走れるようにする。 |
B.まず2キロを10分で走り、次第に距離を延ばし、マラソンの距離を走れるようにする。 |
C.まず時間を気にせず1キロを走り、次第に距離を延ばし、3キロを走れるようにする。 |
D.まず歩くような速さで2キロを走り、次第に速度を上げ、少しずつ距離を延ばす。 |
A.走ることを楽しむから |
B.1キロ2キロという距離は遠くないから |
C.1キロを8分、7分とスピードが上げたいから |
D.1キロ10分程度の速さで走るより歩くのに近いから |
A.ジョギングのルール | B.ジョギングの楽しみ方 |
C.走ることの大切さ | D.走ることの難しさ |