1 . 日本では季節が生活のいろいろな面に影響している。外国から来た自分にとってそれはとてもおもしろい。
いつも使う駅のそばに、有名な和菓子のお店がある。2月のある寒い日、ちょっと入ってみると、いろいろな形や色をした美しい生菓子が並んでいた。値段は高かったが、アルバイト代が入ったばかりだったので、一番かわいいのを一つ買って帰ることにした。私は「寒椿」というお菓子を選んだ。いつも公園で見る赤い椿の花を表現したお菓子だ。 そのままテーブルにかざっておきたいぐらい美しい上に、食べると味も素晴らしく、感激した。それ以来、「寒椿」のことが忘れられなくなった。でも、次にアルバイト代が入るまでがまんすることにした。月に一度あのかわいい姿と味が楽しめれば幸せだ。
さて3月のアルバイト代が入り、私はわくわくしながらその和菓子屋に入っていった。しかし、あの赤い花はどこにもなかった。お店の人にたずねておどろいた。「寒椿」は冬のお菓子なので、春には売らないのだそうだ。今度あの「寒椿」を楽しむには一年待たなければならない。
本当にがっかりしたが、そこにピンク色の「桜」というお菓子があることに気づいた。私はこの「桜」を買って帰った。これもまたとても美しく、おいしかった。そうか、もう春なのだ。そういえば公園の桜がもうすぐ咲きそうだ。この時、日本人の季節の楽しみ方が少しわかった気がした。
1.
文中に「おもしろい」とあるが、何がおもしろいのか。A.駅のそばに有名な和菓子のお店があること |
B.日本の季節は春、夏、秋、冬の四つであること |
C.日本には美しい形をしたお菓子がいろいろあること |
D.日本の生活には季節が表されたものがたくさんあること |
2.
文中に「一番かわいいの」とあるが、同じ使い方の「の」は次のどれか。A.この家はいつごろ建てられたのですか。 |
B.白いのと赤いのと、どちらがいいですか。 |
C.たくさんある中から、形のいいものを選びました。 |
D.電子辞書ならありますよ。どうぞ私のを使ってください。 |
3.
「寒椿」というお菓子を買ったが、「そのままテーブルにかざっておきたい」と言っているのはなぜか。A.美しいから | B.おいしかったから |
C.高かったから | D.食べるのを忘れたから |
4.
文中の「あの赤い花」とは、何を指しているか。A.公園でもうすぐ咲きそうな桜 |
B.公園に咲いている椿の花 |
C.寒椿という和菓子 |
D.桜という和菓子 |
5.
文中の「日本人の季節の楽しみ方」とはどんなことか。A.毎月一回和菓子を食べる。 |
B.季節に合ったものを楽しむ。 |
C.前の季節のものをなつかしいと思う。 |
D.形や美しさを大切にして美しい食べ物を作る。 |