1 . 現在、日本で農業をしている人は、約200万人。40年前に比べると、その数は3分の1以し下に減っている。(ア)、農業をしている人の60%以上は65歳以上のお年寄りだ。①この状態を変えようと、最近いろいろな農業のやり方が考えられているそうだ。
その一つは、これまでのように家族で農業をするのではなく、多くの人が働く「会社」の形で農業をするというものだ。このような会社の一つに「あおぞら」がある。「あおぞら」では今までにない②いくつかの工夫によって、若者も働きやすい環境を作っている。
第一の工夫は「決まった給料を払うこと」。農業は自然が相手なので、どうしても収入が多」い時と少ない時が出てしまう。しかし、一年中いろいろな種類の野菜を作ることで、一つがだめでも他の野菜でカバーできるようにし、毎月同じ給料が払えるようにする。
第二の工夫は「休めるようにすること」。社員はみんな違う日に休みを取る。社員が大勢いるので、それぞれが順番に休みを取るようにすれば、それほど多くはないが、みんながきちんと休めるのだ。
第三の工夫は「農業を教えること」。土に触ったことが全然ないような人には、経験者が農業を一からきちんと教える。
このような工夫は若者にも伝わり、③「あおぞら」には毎年農業にチャレンジしたいという若者が大勢入ってきて、経営もうまくいっているそうだ。そして、それは新しい農業の形として期待されている。
1.(ア)に入る最も適当な言葉は、次のどれですか。A.そこで | B.だから | C.そして | D.しかし |
A.農業をする人が大きく減って、半分以上がお年し寄りになったこと |
B.農業をする人が大きく減って、半分以上が若者になったことに |
C.農業をする人が少し減って、お年寄りの割合が増えていること |
D.農業をする人が少し減って、若者の割合が増えていること |
A.多い月や少ない月があるが、毎月給料が払えるようにする。 |
B.一年中、一種類の野菜を作り続けるようにする。 |
C.社員みんなが、土曜日と日曜日に休めるようにする |
D.経験がない人には、農業の基礎から教えるようにする。 |
A.「あおぞら」では、休みをたくさん取ることができるから |
B.「あおぞら」では、会社経営の方法を教えてもらえるから |
C.「あおぞら」は、昔からの農業のやり方を守っているから |
D.「あおぞら」は、仕事がしやすい環境を作っているから |
A.お年し寄りと農業 | B.これからの農業 | C.家族で行う農業 | D.経験者に教わる農業 |
2 . 日本で最もたくさん採れる果物はみかんで、果物全体の生産量の約3分の1を占めています。2番目はリンゴで、次になしが続きます。しかし、日本人が一番たくさん食べる果物は、国産のみかんではなく、日本でほとんど取れないバナナなのです。
バナナの輸入は1903年に始まりました。そのころ、日本人が最もたくさん食べていた果物はみかんとりんごでした。しかし、だんだんみかんやりんごを食べる量が減り、ア( )バナナの輸入が増えて、2004年にはバナナが一番多く食べられるようになりました。1年間に1人が食べるバナナの量は5.7キロにもなります。手で簡単で剥けてすぐ食べられること、ちょっとお腹が空いた時にも便利で、健康にいいことがバナナの人気の理由のようです。
1.日本で3番目に取れる果物は何か。A.りんご | B.みかん | C.バナナ | D.なし |
A.2018年 | B.1903年 | C.2004年 | D.1890年 |
A.輸入が増えた。 | B.健康にいい。 |
C.ちょっとお腹が空いた時に便利だ。 | D.手で簡単で剥げてすぐ食べられる。 |
A.まだ | B.反対に | C.例えば | D.だから |
A.5.7キロ | B.11.4キロ | C.17.1キロ | D.22.5キロ |
自分のやりたいことをするために、睡眠時間を減らせばいいという人もいるだろう。しかし、必要な睡眠時間は個人差がある上に、無理をすると苦痛も大きい。楽しいことをするために睡眠時間を削るのはそれほど苦しくないが、勉強のために睡眠時間を削るなど、なかなかできないだろう。
では、どうすれば時間ができるのか。大きく分けて二つの方法がある。
一つは、自分にとっての「無駄な時間を減らす」ことだ、大学に受かるための時間が必要ならば、それに関係のない時間を減らせばいい。これは必ずしも、食事や入浴の時間を削れというわけでない。当たり前のように過ごしている無駄な時間をなくせばいいのだ。
時間を増やす二つ目の方法は、「時間の密度を上げる」ことだ。時間の密度を上げるということは、1時間で5ページ勉強するのと10ページ勉強するのとでは、時間の密度が倍も違うということだ。見た目では勉強をやっていないのに「できる」人は、時間的に多く勉強していないだけで、人の何倍ものスピードで十分な勉強量をこなしているはずだ。
ここで出てくるのが、一見無駄に見える時間の効用である。1時間だけはテレビを見る、友達と電話で話すなど何でもいいのだが「遊び」があることで残りの2、3時間の密度がアップするなら、それは無駄な時間ではなく、投資の時間ということになる。つまり、自分にとって無駄な時間とは何か、どのように時間の密度を上げるかは、人によって違うため、それぞれで試しながら学んでいく必要がある。
1.文中に「なかなかできない」とあるが、何ができないのか。
A.寝ないで楽しいことをすること |
B.楽しいことをするための時間を作ること |
C.寝るための時間を作って、勉強もすること |
D.寝る時間を減らして、勉強の時間を作ること |
A.睡眠時間 | B.食事や入浴の時間 |
C.目標に関係のない時間 | D.大学に入るために勉強する時間 |
A.時間的に多く勉強する人の時間の密度は低い。 |
B.短い時間で多くの学習内容が理解できる場合、その時間の密度は高い。 |
C.何倍ものスピードで人と同じ量の学習内容が理解できる人の時間の密度は低い。 |
D.長い時間をかけて、いつもと同じ量の学習内容が理解できる人の時間の密度は高い。 |
A.テレビを1時間見ることで、情報量が増える。 |
B.遊びや投資の情報を得ることで、能率が上がる。 |
C.友達と電話で話すことで、会う時間が節約できる。 |
D.遊びをすることで、かえって勉強の集中力が高まる。 |
A.時間の密度を上げる努力をするよりも、無駄な時間を減らしたほうが能率が上がるはずだ。 |
B.時間をうまく使えるようになるには、焦らずにゆっくりと自分のペースで好きなことからやることが重要だ。 |
C.「できる」人のように、短い時間でより多くの勉強内容を十分に理解するには、投資の時間を減らす必要がある。 |
D.時間をうまく使えるようになるには、自分でいろいろやってみて、無駄な時間を判断して、時間の有効活用術を身につけなければならない |
4 . わたしはきのう友達とうみへ行きました。B駅まで電車で行って、それから海まで歩きました。海はきれいでした。( ア )人がとても多かったですから、すこし( イ)およぐことができませんでした。
昼ごはんはカレーを食べました。とてもおいしかったです。午後、ふね( ウ )、おつりをしました。たのしかったですから、また( エ )。
1.( ア )に入れるのはどれですか。
A.しかし | B.あまり |
C.そして | D.だから |
A.も | B.でも |
C.だけ | D.しか |
A.にのって | B.にのりて |
C.をのって | D.をのりて |
A.行きましょう | B.行きたいです |
C.行きます | D.行きました |
A.電車だけで海に行くことができます | B.昼ごはんはカレーです |
C.海にはあまり人がなかったです | D.作者はさかなを食べました |
5 . わたしにはおとうとがいます。兄弟ですが、わたしとおとうとは( ア )。私は背が低いですが、おとうとは高いです。わたしはあまいものが好きですが、おとうとはきらいです。わたしは英語が( イ )が、おとうとは大学で英語を勉強していますから、じょうずです。
でも、わたしたちはとても仲がいいです。ときどきいっしょにスポーツをしたり映画を見たりします。
1.作者には兄弟が何人いますか。
A.ひとりです | B.ふたりです |
C.さんにんです | D.きょうだいがないです |
A.あまりちがいません | B.ぜんぜんちがいます |
C.あまりおなじではありません | D.ぜんぜんおなじです |
A.できません | B.できます |
C.話しません | D.話します |
A.映画を見たりスポーツをしたりします | B.英語を勉強します |
C.あまいものを食べます | D.大学生へ行きます |
A.作者は背が高いです |
B.作者のおとうとは大学生です |
C.作者と作者のおとうとは英語ができます |
D.作者はスポーツが得意です |
6 . わたしのいえはカナダの小さいまちにあります。いえに大きい木があって、子供のとき、よく木の下で本を読んだり兄と遊んだりします。兄はときどき木の上にのぼりました。わたしは高いところがすきではありませんから、木に( ア )木の下で兄を見ていました。
木には毎年はるにあかくて小さい花がさきます。花が( イ )さきますから、木の上がぜんぶあかくなって、とてもきれいです。去年のはるは日本にいましたから、花を見ませんでした。今年ははるに国へかえって、花を見たいです。そして、( ウ )。
1.作者のいえはどこにありますか。A.大きい木の下にあります | B.カナダの小さいまちにあります |
C.日本にあります | D.木の上にあります |
A.のぼって | B.のぼってから |
C.のぼらないで | D.のぼります |
A.たくさん | B.あまり |
C.とても | D.たいへん |
A.花を見たくなかったからです | B.去年は日本にいましたからです |
C.花が咲きませんでしたからです | D.花が小さかったからです |
A.木の上に兄がいます | B.兄は木の花が好きです |
C.兄と木にのぼりました | D.木の下で兄と話したいです |
7 . 暑い夏、外を歩くと汗が出る。汗を止めるために冷房の効いた部屋に入る。誰もしがちな行動だが、実は、私たちの体にとっては良いことではない。
汗は汗腺によって作られるが、この汗腺は汗を作るだけではなく、汗を体外に出す役割も持っている。そして多くの汗腺が活発に働いていれば、蒸発しやすいサラサラ(干燥清爽)した汗が作られ、体温調節がスムーズに行われる。汗腺は人の体には200~500万か所ほどあるが、通常、そのうちの半分程度が働かずに休んでいる。そして、通常でも半分しか働いていないのに、冷房を多用するなどして汗を出さないでいると、更に(ア)が増えていく。
働いている汗腺が100か所あって、そこで100ccの汗を作って出すという処理をしなければならないとして考えてみよう。その時に、もし冷房の効いた部屋に入り、汗腺が50か所しか働かなくなれば、1か所当たり1ccの処理のはずが、2倍の2ccの処理になる。そうなると、処理が間に合わず、塩分などの体内に吸収されるべき成分を含んだままの汗が体外に出してしまうことになる。このような汗はべたべた(黏糊糊的)としており、蒸発しにくく、「蒸発することで体温調節をする」という汗の役割をうまく果たせない。
休む汗腺を増やさないためには、日頃から汗が出る時にはそのまま出すという生活をしたほうがいい。飲食物に気をつけることも有効である。汗が出ている時に冷えたものを取ると、脳が「体は冷えた」と判断し、汗を止めてしまうので、注意が必要だ。
1.文中の「良いことではない」とあるが、それはなぜか。A.冷房の効いた部屋に入ると、すぐ病気になるから。 |
B.全ての汗腺が汗を作れなくなるから。 |
C.働くべき汗腺が働かなくなるから。 |
D.体にある汗腺の数が減ってしまうから。 |
A.働く汗腺 | B.休む汗腺 | C.活発な汗腺 | D.体の汗腺 |
A.汗を作るだけではなく、汗を体外に出すこと。 |
B.塩分などの体内に吸収されるべき成分を処理すること。 |
C.冷房を多用して、多くの汗腺を活発に働かせること。 |
D.蒸発することで体温調節をすること。 |
A.日頃から水分を多く取り、汗が出やすい状態にする。 |
B.運動を通して汗をたくさん出して、汗腺の機能を高める。 |
C.汗が出るときには、できるだけ止めないようにする。 |
D.暑い夏、汗が出たら冷たい飲み物を飲む。 |
A.多くの汗腺が活発に働けるようになる |
B.塩分などの成分を処理してしまう |
C.脳が「体は冷えた」と判断し、汗を止めてしまう。 |
D.体によくないと注意される。 |
8 . 飼い主によくなついた(亲近、顺从)犬は、映像の中の自分と他の犬を見分けている可能性があるとする論文を日本の研究チームが発表している。飼い主が他の犬をかわいがる様子と、自分と飼い主が交流する様子を見たときでは心拍数の変化が見られたという。嗅覚に優れる犬は視覚に頼った生活をしていないとされているが、親しい人間がかかわると例外的な反応をするようだ。
イルカやゾウなどの動物は、映像や鏡で自己の姿を認識する能力を持つことが明らかになっている。(ア)動物は共通して高度な社会認知能力を持つが、同様に社会認知能力を持つ犬が自己を認識できるかどうかは分かっていなかった。
飼い犬が他の犬に“嫉妬”のような感情を持つとする先行研究を前提として研究チームは検証を行った。
実験では、鏡を見ることに馴れた12匹の犬に「飼い主が他の犬と交流しない」「飼い主が自分と交流する」「飼い主でない人が他の犬と交流する」「飼い主が他の犬と交流する」の4パターン映像を見せて、自律神経系の反応を心拍変動解析を用いて評価した。結果を見ると「飼い主が他の犬と交流する」映像と「飼い主が自分と交流する」映像の間で自律神経系の反応に有意な差はなかったという。(イ)、飼い主への愛着行動スコアが高かった犬のほうが自分が映っている映像に対して「興奮あるいは緊張状態」になったことが分かったという。
実験結果を受けて研究チームは、犬は映像で自己と他個体を区別することができるとは言えないものの、飼い主への愛着が強い犬については自律神経系が異なる反応を示すと結論づけた。今回の実験ではサンプル数が限られていたため、今後はさらなる研究が必要になるとしている。
1.映像で自己と他個体を区別することができるとは言えないのはどれか。A.イルカ | B.ゾウ | C.イヌ | D.ニンゲン |
A.嗅覚の優れている犬 | B.視覚の優れている犬 |
C.自分と他の犬を見分けられる犬 | D.飼い主への愛着が強い犬 |
A.この | B.こうした | C.あの | D.ああした |
A.だから | B.一方で | C.それに | D.そこで |
A.飼い主によくなついた犬は、映像の中の自分と他の犬を見分けている |
B.嗅覚に優れる犬は視覚にまったく頼らず生活をしている |
C.犬は映像で自己と他個体を区別することができる |
D.今回の実験ではサンプル数が多くない |
9 . 敬老の日発祥の地とされる兵庫県多可町(旧野間谷村)が昭和22年9月15日を「としよりの日」とし、初めて敬老会を開いてから、今年で75年になる。
その後、41年に国民の祝日に、さらに法改正で平成15年から9月の第3月曜日に移ったが、高齢者を敬愛し長寿を祝う精神は変わらない。
今年の総務省の推計によると国の総人口は前年比で82万人減ったが、65歳以上の高齢者は15日現在で6万人増えて3627万人だった。総人口に占める割合も増え、29.1%と過去最高である。
内訳を詳しくみると、75歳以上の割合が初めて全体の15%を超えた。いわゆる団塊の世代(昭和22~24年生まれ)が75歳を迎え始めたためで、くしくも多可町で始まった敬老の日の歴史とその歳月を同じくしている。
元気な高齢者のお手本ともいえる存在で、先日亡くなった英国のエリザベス女王(エリザべス2 世)の結婚がこの年だった。長男のチャールズ新国王が生まれたのは翌年で、日本でいえば団塊の世代にあたる。
では、女王の長寿の秘訣(ひけつ)はどこにあったのか。その第一は、いくつになってもユーモアを忘れない心の持ちようではなかったか。
1.日本では今、敬老の日はいつか。A.9月15日 | B.9月16日 | C.9月の第3月曜日 | D.9月の第3日曜日 |
A.昭和 22 年生まれ | B.昭和 41 年生まれ |
C.昭和 43 年生まれ | D.平成15年生まれ |
A.アメリカ人 | B.イギリス人 | C.ドイッ人 | D.フランス人 |
A.食事 | B.運動 | C.仕事 | D.冗談 |
A.「敬老の日」の精神は変りつつある。 |
B.総務省の推計によると日本の総人口は前年比で増えた。 |
C.今年の高齢者の割合が増えた。 |
D.チャールズ新国王は団塊の世代に属する。 |
10 . 戸籍の氏名に読み仮名を記載し、その付け方にも一定のルールが求められることになった。日本語は漢字と仮名が混在するうえ漢字の読み方も多様な言語だ。その伝統を尊重し、厳正且つ柔軟に対応してもらいたい。
法制審議会の専門部会が戸籍法改正要綱案をまとめた。政府が今国会に改正案を提出し、令和6年度にも施行する見通しだ。
従来、読み方は住民票には記載されるが戸籍にはなかった。マイナンバーカードへの記載など、行政事務のデジタル化に対応するためという。
要綱案では「一般的に認められている読み方」に限るとした。パブリックコメントやアンケ一トで、幅広い年代から一定の制限を求める声が多かったからだ。
親が決めた名前の読み方に規制がかかることをよしとしない意見もある。とはいえ、名前は個人的なものであると同時に、人が社会で生きるための社会性も併せ持つ。近年は「キラキラネーム」と呼ばれる特異な名前も増え社会問題化した。命名で子供に不利益が生じないか、公的に一定の基準を定めるのは当然だ。
(ア)、わが国独特の命名文化を踏まえ、柔軟に対応するとの補足説明も付いた。常用漢字表や辞書に載っていない場合でも説明を求めたうえで判断する。漢字と反対の意味や、連想できないような読み方は認められない。
漢字は古代中国で生まれ輸入された表意文字だ。仮名はそこから発生したわが国固有の表音文字である。中国では基本、一つの漢字に一つの読み方をあてるが、日本では漢字には音読み、訓読みがある。さらに源頼朝の「朝」を「トモ」と読むような「名乗り訓」もあり、独特の命名文化が醸成されてきた。今回はそんな歴史や伝統を踏まえ幅広く裁量を認める。
法制化されると既に戸籍がある人も届け出が必要になるが、その場合は一般的でなくても従来使ってきた読み方も認められる。
1.氏名の読み仮名として認められないのはどれか。A.常用漢字表にあるもの | B.辞書に載っているもの |
C.名乗り訓 | D.連想できない読み方 |
A.賛成 | B.反対 | C.認める | D.納得 |
A.それで | B.一方で | C.すなわち | D.ところで |
A.法制審議会の専門部会 | B.政府 | C.国会 | D.本人や家族 |
A.日本の名前の読み方が多様である |
B.戸籍法改正要綱案はもう施行した |
C.中国では一つの漢字に一つの読み方をあてる |
D.既に戸籍のある人は一般的でない名前の読み方が認められない |