1 . 暑い夏、外を歩くと汗が出る。汗を止めるために冷房の効いた部屋に入る。誰もしがちな行動だが、実は、私たちの体にとっては良いことではない。
汗は汗腺によって作られるが、この汗腺は汗を作るだけではなく、汗を体外に出す役割も持っている。そして多くの汗腺が活発に働いていれば、蒸発しやすいサラサラ(干燥清爽)した汗が作られ、体温調節がスムーズに行われる。汗腺は人の体には200~500万か所ほどあるが、通常、そのうちの半分程度が働かずに休んでいる。そして、通常でも半分しか働いていないのに、冷房を多用するなどして汗を出さないでいると、更に(ア)が増えていく。
働いている汗腺が100か所あって、そこで100ccの汗を作って出すという処理をしなければならないとして考えてみよう。その時に、もし冷房の効いた部屋に入り、汗腺が50か所しか働かなくなれば、1か所当たり1ccの処理のはずが、2倍の2ccの処理になる。そうなると、処理が間に合わず、塩分などの体内に吸収されるべき成分を含んだままの汗が体外に出してしまうことになる。このような汗はべたべた(黏糊糊的)としており、蒸発しにくく、「蒸発することで体温調節をする」という汗の役割をうまく果たせない。
休む汗腺を増やさないためには、日頃から汗が出る時にはそのまま出すという生活をしたほうがいい。飲食物に気をつけることも有効である。汗が出ている時に冷えたものを取ると、脳が「体は冷えた」と判断し、汗を止めてしまうので、注意が必要だ。
1.文中の「良いことではない」とあるが、それはなぜか。A.冷房の効いた部屋に入ると、すぐ病気になるから。 |
B.全ての汗腺が汗を作れなくなるから。 |
C.働くべき汗腺が働かなくなるから。 |
D.体にある汗腺の数が減ってしまうから。 |
A.働く汗腺 | B.休む汗腺 | C.活発な汗腺 | D.体の汗腺 |
A.汗を作るだけではなく、汗を体外に出すこと。 |
B.塩分などの体内に吸収されるべき成分を処理すること。 |
C.冷房を多用して、多くの汗腺を活発に働かせること。 |
D.蒸発することで体温調節をすること。 |
A.日頃から水分を多く取り、汗が出やすい状態にする。 |
B.運動を通して汗をたくさん出して、汗腺の機能を高める。 |
C.汗が出るときには、できるだけ止めないようにする。 |
D.暑い夏、汗が出たら冷たい飲み物を飲む。 |
A.多くの汗腺が活発に働けるようになる |
B.塩分などの成分を処理してしまう |
C.脳が「体は冷えた」と判断し、汗を止めてしまう。 |
D.体によくないと注意される。 |
2 . 山路を登りながら、こう考えた。
智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とにかく人の世は住みにくい。
住みにくさが高じると、安い所へ引っ越したくなる。どこへ引っ越しても住みにくいと悟った時、詩が生れて、画が出来る。
人の世を作ったものは神でもなければ鬼でもない、人である。人が作った人の世が住みにくいと言っても、越す国はない。
越す事ができない世が住みにくいからといって、その中に住んでいる人間は「この世」を住みやすくしなければならない。ここに詩人という天職が出来て、ここに画家という使命が降る。すべての芸術の士は人の世を長閑(舒适)にし、人の心を(ア)にすべきだ。
住みにくい世から、煩いを引き抜いて、美しい世界を写すのが詩である、画である。あるいは音楽と彫刻である。我利私懲の羈絆を掃蕩することができれば、千金の子よりも、万乘の君よりも、すべての俗界の寵児よりも幸福である。
世に住むこと二十年にして、住み甲斐のある世と知った。二十五年にして明暗は表裏のように、日のあたる所にはきっと影があると悟った。三十の今日はこう思っている。-一喜びの深い時悲しみも深く、楽みが大いほど苦しみも大い。これを切り放そうとすると身が持てない。片づけようとすれば世が立たない。金は大事だ、大事なものが殖えれば寝る時も心配だろう。恋はうれしい、嬉しい恋が積もれば、恋をしない昔がかえって(反而)懐かしい。うまい物も食べられなければ惜しい。少し食えば足りない。十分に食えばかえって(反而)不愉快だ。
1.誰が「人の世」を作ったのか。A.鬼が作った | B.神様が作った | C.人が作った | D.自然が作った |
A.「人の世」は住みやすい。 |
B.安い所へ引っ越すことができる。 |
C.「人の世」には詩人もなければ、画家もない。 |
D.住みにくいと言っても、越す国はない。 |
A.豊か | B.貧乏 | C.嫌い | D.くよくよ |
A.千金の子だけが我利私慾の羈絆を掃蕩できる。 |
B.万乗の君は我利私慾の羈絆を掃蕩することができない。 |
C.俗界の寵児は幸福ではない |
D.我利私懲の羈絆を掃蕩できる人は幸せだ。 |
A.二十歳ぐらい | B.二十五歳ぐらい | C.三十歳ぐらい | D.六十歳ぐらい |
3 . 文章作成やコーデイングを含む「ChatGPT」の高度な技術的能力は、教育制度の將来にとって重大な懸念事項となっている。ChatGPTはアクセスも容易であるため、生徒の間で力ンニングが横行するのではないかと人々は懸念している。
ある調査( ア )、意外にも生徒より教師の方がChatGPTをよく利用しているということだ。
ウオルトンファミリ一財団の調査では、約1000人のK-12(幼稚園から高校3年生まで)教師の51%が、一般公開からわずか2力月以内ChatGPTを使ったことがあると回答し、40%は週1回以上使っているという。(イ)、1000人の12~17歳の生徒のうち、ChatGPTを学業に使ったことがあると回答したの3分の1にすぎなかった。
教師には、日常的に創造的な思考が求められる。教室での授業計畫や座席の配置などはすべて教師のピジョンが具現化されたものだ。ChatGPTは、そうした創造的思考を刺激するのに役立つ優れたツールだ。
調査によると、教師の10人に3人は、授業の計画を立てたり、授業に関する創造的なアイデアを考え出したり、授業の背景知識を蓄積したりするのにChatGPTを使っているといら。ChatGPTを使えば、アイデアのプレインストーミングをしたり、入力プロンプトに基づいてキュレートされた提案を得たりできる。ChatGPTの支援は授業だけでなく、エクササイズ、タ食のレシピ、夜のデートなど、日常的なアイデアを考えるときにも役立つ。
教師の4分の3は、ChatGPTが自身の教師としての成長に役立つとした。3分の2は、人々がChatGPTを教育と学習に組み込む適切な方法を見いだすのに時間を費やす方がいいと回答した。
これらの結果は、以前の教育関係者の反応とは対照的だ。例えば1月、ニューヨーク市教育局は、管轄寸る学校の端末やネットワークからのChatGPTへのアク七スを制限した。
1.文中の( ア )に入れるのに最もよいものはどれか。A.によると | B.に従って | C.とともに | D.ごとに |
A.だから | B.そこで | C.一方 | D.すると |
A.「ChatGPT」は便利で無料だから。 |
B.「ChatGPT」は夕食のレシピ、夜のデートなど、日常的なアイデアを考える時に役立つ。 |
C.教師たちは、授業の計画を立てたり、授業に関する創造的なアイデアを考え出したり、授業の背景知識を蓄積したりするのに使っている。 |
D.「ChatGPT」は創造的思考を刺激するのに役立っ優れたツールだ。 |
A.生徒たちは、学業より、ゲームにChatGPT」を使っている。 |
B.「ChatGPT」は仕事だけでなく、日常活動にも役立つ。 |
C.すべての教師は、ChatGPTが自身の教師としての成長に役立っとした。 |
D.ロンドン市教育局は、管轄する学校の端末からのChatGPTへのアク七スを制限した。 |
A.生徒より教師の方が「ChatGPT」を利用している。 |
B.教師より生徒の方が「ChatGPT」を利用している。 |
C.「ChatGPT」の未来。 |
D.教育におけるAIの活用。 |
4 . 「お金はいらないし偉くもなりたくないから勉強しない」と子どもに言われたら、あなたは何と答えますか。予測不可能な時代が訪れたと言われている。
「いい学校に入っていい会社に入れば幸せになれる」という単純な未来が描けない今、子どもたちに「勉強する意味」を問われたら親は何と答えればいいのだろうか。
勉強をしていて、「なんでこんなことをしなければいけないんだろう?」って思ったことはありませんか?ぼくは中学生のころ、特に興味がない教科や、先生と相性が合わないときに、よくそんなことを考えていました。いったいぼくたちは何のために学ぶのでしょうか?
あなたにやりたいことや夢があるなら、学ぶ理由は簡単です。よりよい人生を歩むためです。興味があることなら学ぶこと自体が楽しいですし、夢のためなら少々大変でも意味があります。自分のためではなく、世のため人のために実現したいことがある、と考えた人もいるかもしれませんが、心からそうしたいと思ったのなら、それはあなたのためでもあります。
自らよりよい人生を切り開いていく(ア)、自分で選択する必要があります。どこの学校に通うのか、何を学ぶのか、どんな友達と付き合うのか、どんな先生に師事するのか、どんな人に恋をするのか、という人生を大きく左右する選択から、今日何を食べるのか、どんな文房具を使うか、どんな本を読むか、どんな映画を見るかなど小さなけれど積み重なっていけば確実に人生に影響がある選択まで、ぼくたちは日々さまぎまな選択をしながら人生をつくっています。そのときに、よりよい選択ができるようにするために学ぶんです。
では、やりたいことや夢がない場合や、やりたいことや夢とは直接関係がないように見える学校の勉強はどうでしょうか?
多くの大人や学生は口をそろえて「將来のため」と言います。具体的には「お金に困らないために、それなりの地位につく」という目標です。そのためには、「よい学校に入って、よい会社に就職をする」必要があると言うんですね。ぼくはたくさんの学生や保護者、先生たちに同じ質問をしてきましたが、ほとんどがこの答えです。
1.文中の「今」について、正しくないのはどれか。A.子どもたちに「勉強する意味」を問われたら親は何と答えればいいか分からない。 |
B.将来どうなるか分からない。 |
C.予測が不可能になって、単純な未来を描くことができなくなる。 |
D.いい学校に入っていい会社に入れば幸せになれる。 |
A.二人は気が合わない。 | B.二人はよく相談する。 |
C.二人は会ったことがない。 | D.二人は性別が違う。 |
A.とおりに | B.かわりに | C.ためには | D.うえに |
A.人生を大きく左右すること。 |
B.歯牙に掛けるに足りないこと。 |
C.小さいながらも、積み重なっていけば人生に影響があること。 |
D.自分で選択する必要がないこと。 |
A.よりよい人生を歩むためだ。 |
B.単純な未来を描くためだ。 |
C.よりよい選択ができるようにするためだ。 |
D.お金に困らなく、それなりの地位につくためだ。 |
5 . 今日は日本人が大好きな銭湯の歴史についてお話しします。銭湯の歴史が仏教と深く関しているのはみなさん、知っていますか。なぜなら仏教には身体をきれいにしなければならないという教えがあるからです。そして平安時代末に京都に「湯屋」が登場しました。これが後の銭湯です。しかし、一般庶民にとって銭湯が近い存在となったのはもつとその後の江戸時代です。江戸時代の銭湯は一階は浴場、二階は広間という造りになっていたから、お菓子を食べたり、お茶を飲んだりして、落語なども聞くことができました。つまり、江戸時代から銭湯はただの風呂ではなく、( ア )としての役割も持ちました。
そして明治時代に入るとほほ現在の銭湯となりました。そう、より広く、より清潔に。現在では銭湯は( イ )進化し、サウナ(桑拿)なども備えた「スーバー銭湯」となりました。まるで娯楽施設のような充実ぶりです。外国にも水着で入れる銭湯がありますが、日本では銭湯にでも裸になって入れます。これは日本の銭湯の特徴と言えるでしょう。
1.普通の人でも銭湯を楽しむことができるのはいつからか。A.平安時代初期 | B.平安時代末期 | C.江戸時代 | D.現在 |
A.社交場 | B.映画館 | C.会議場 | D.美容院 |
A.あまり | B.まあまあ | C.さらに | D.すこし |
A.落語が聞こえる | B.サウナがある |
C.水着で入れる | D.裸で入れる |
A.湯屋が登場したのは平安時代初期だった。 |
B.江戸時代の銭湯は一階はお風呂、二階は広間で、ゆっくり過ごすことができる。 |
C.江戸時代に入ると銭湯はほほ現在の銭湯と一緒だ。 |
D.裸で銭湯に入る習慣は日本だけでなく、外国にもある。 |
6 . (四)
「井の中の蛙」という言葉があります。知識や経験があまりなく、広い世界があることを知らない人のことを言うのです。知識や見識が限られているので、自分が狭い世界にいることにはあまり気が付きにくいのです。
人は誰でも「井の中の蛙」にはなりたくないでしょう。(ア)、今もう一度 考えると、「井の中の蛙」というのは、実は誰でも必ず通る道なのです。なぜなら、 生まれた時は、みな知識も体験もゼロの状態だからです。成長をするにつれ、親や友達、先生からたくさんの知識や常識を教えていただきます。「知りません」という発言に恥ずかしさを感じていることもあるでしょう。実は最初は誰でも井の中の蛙なのですから、井の中の蛙であることに恥ずかしさを感じる必要はありません。本当に恥ずかしさを感じるべきところは「謙虛さを忘れること」なのです。
謙虚になれば大丈夫です。人は知識がどんどん吸収できるようになるからです。さらに知識を増やして、広くそして深く考える力が身につき、井の中から脱出できます(逃脱)。また、井の中から外に出るためには、他人に引き出してもらう必要があります。「助けの手なんていらないぜ」と思っている人は、いつまでも井の中から抜け出せないのです。
1.文中の(ア)に入れるのに最も適当なものはどれか。A.しかし | B.それに | C.それで | D.ところで |
A.「井の中の蛙」になるかどうかは年齢に関係がないから |
B.生まれた時は、みな知識も体験もゼロの状態だから |
C.親や友達、先生からたくさんの知識や常識を学ぶべきだから |
D.「井の中の蛙」になったことに恥ずかしさを感じているから |
A.「知りません」という発言 | B.井の中の蛙であること |
C.知識や常識を学ばないこと | D.謙虚を忘れること |
A.井の中の蛙であること | B.知識や常識を学ばないこと |
C.謙虛を忘れること | D.「知りません」という発言 |
A.知識などをどんどん吸収すること |
B.他人に引つ張ってもらうこと |
C.新知識を吸収し、見識を広めること |
D.他人の助けをもらわず自分で体験すること |
パソコンは常に改良され、新しい機種が発売され続け、各社の競争も激しくなっている。①そのような中、使用者(ユーザー)によく知られているパソコンメーカー(厂家)はどこだろうか。また、よく使われているパソコンはどのメーカーの製品だろうかなど、興味のあるところである。
そこで、今回パソコンメーカーの認知度と実際のパソコンの使用数、パソコンの満足度の調査が行われ、次のような結果となった。
一番知られているメーカーはA.社、ユーザーが一番満足しているパソコンは、ノート部門では(ア)、デスクトップ部門では(ア)だった。このことから分かるように、みんなが知っているからと言って、そのパソコンのユーザーの満足度が高いとは言えない。またH社のように、多くの人が使っている②にもかかわらず、認知度は低いメーカーも見られた。
詳しくは、次の表のとおりである。
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | ||
認知度 | A.社 | D社 | J社 | K社 | E社 | |
使用度 | A.社 | D社 | H社 | I社 | B社 | |
満足度 | ノート | B社 | F社 | A.社 | D社 | J社 |
デスクトップ | C社 | G社 | D社 | A.社 | K社 |
A.パソコンは、生活の一部になっている。 |
B.パソコンメーカーは、1社だけである。 |
C.どこのメーカーのパソコンが使われているか、興味が集まっている。 |
D.ペソコンメーカーは、競争が激しい。 |
A.C社B社 | B.A社A社 | C.A社C社 | D.B社C社 |
A.から | B.のに | C.し | D.ので |
A.認知度が高いパソコンは、ユーザーの満足度も高い。 |
B.E社は、認知度が高く、使用数も5位までに入っている。 |
C.使用数は多くないが、認知度あるいは満足度が上位のメーカーもある。 |
D.すべての項目で5位までに入ったのは、A.社だけである。 |
という純子の高い声でテーブルにつくと、筑前煮があった。いろいろな野菜を鶏肉と一緒に煮てあり、けっこう本格的に作られているようだ。
「すごいじゃないか。お前、こんな料理をいつ覚えたんだ?」
「へへー、( ア )、夕子おばさんに教えてもらったんだ。」
それはわたしの好物であり、妻の得意料理だった。妻が亡くなってから今日までの1年半、わが家の食卓に姿を見せたことがなかった。今日はわたしの誕生日( イ )、純子が頑張って作ってくれたのだろう。まだ小学6年生だというのに、自分の寂しさを隠して、わたしのことを気遣って(担心)くれているのだ。
こんなことを考えていたなんて。「お父さん、今日は簡単なものにするね」と言っていたのに。わたしは胸が熱くなり、しばらくの間、箸を動かすことができなかった。
1.文中に「できた」とあるが、できたのは何か。
A.鶏肉の料理 | B.筑前煮 | C.いろんな料理 | D.本格的な料理 |
A.この間 | B.その間 | C.このうち | D.そのうち |
A.だが | B.だと | C.なので | D.なのに |
A.料理を覚えること |
B.わたしと一緒に食事すること |
C.わたしの好物の筑前煮を作ること |
D.簡単な料理を準備すること |
A.熱が出て箸を動かす力がなくなったから |
B.亡くなった妻を思い出し、寂しくなったから |
C.寂しい娘を気遣って、落ち着かなかったから |
D.自分のことを心配してくれる娘に感動したから |