1 . 若い時は二度ない――と言う。だから、若い時代を大事にせよ、といった意味である。
なるほど、その通りである。だが、皮肉屋のわたしは、このことばに反論したい。たしかに若いときは一度しかないが、中年だって、老年だって一度しかないのである。われわれは若い時代を大事にするべきであるが、同様に中年を大事にすべきであるし、老年を大事にしなければならない。若い時代だけを特別視する必要はないのである。
わたし自身は先ごろ、五十三歳になった。昔の呼称だと、もう立派な“老年”である。だから、ひがんで言っているのではない。わたしは、老年には老年のよさがあると想っている。人生のそれぞれの段階には、それぞれ違った人生のこくがある。わたしはそう思っている。わたしたちはそれぞれの段階に特有な人生の喜びと悲しみ味わいながら生きたい。
( ① )、どうして若い時代だけが特別視されるのか!?わたしには不思議である。思うに、人々は若い時代が準備段階と考えているようだ。若い時にしっかりと学問や体験の蓄積をしておかないと、後になって困る。だから、若いうちから遊びほうけていてはいけない。と、結局は、若者は自制と禁欲を呼びかけているのである。
( ② )、わたしは、④それはまちがいだと思う。若い時代に、若い時代に特有の人生の喜び・悲しみを体験しておかないと、中年や老年になって、その段階での人生の喜び・悲しみが味わえない。若者はそのことを銘記すべきである。
(『まんだら人生論』新潮文庫により)
1.「若い時代だけを特別視する必要はない」とあるが、それはなぜか。
A.若いときは一度しかないから |
B.自分が皮肉屋だから |
C.若い時代と同様に、中年、老年も大事だから |
D.老年には老年のよさがあるから |
A.人生の特別さ | B.人生の喜びと悲しみ |
C.人生の大切さ | D.人生の準備段階 |
A.だからといって |
B.それどころか |
C.したがって |
D.にもかかわらず |
A.でも | B.さて | C.なぜなら | D.そこで |
A.若いうち遊びほうけること |
B.若いときにしっかりと学問や体験の蓄積をすること |
C.若い時代準備段階と考えること |
D.若者に自制と禁欲を呼びかけること |
2 . 昔々、日本戦国時代、土佐には対策太郎という賢い人がいた。彼はとても正義で、時には愚かな財主をからかい(捉弄)、貧しい人々に多くの利益をあげた。
ある日、対策太郎は町に来て、あちこちに「山の中で珍しい姿をしている神鳥を見つけました」と宣伝した。足だけではなく、鮮やかな羽も生えていた。更に不思議なことは、その歌声は婉曲で、最も良い芸人の歌声より10倍も良かった。
このニュースが町の財主の耳に入った。これは貪欲な人で、すぐにこの鳥を捉えて、彼の宝庫の一つになりたいんだ。
財主は日夜道路工事をしていた。しばらくして、山にまっすぐ行く道が完成した。
財主は意気揚々と輿に乗り、多くの家臣と一緒に山に行った。(ア)、山で何日間も歩き回っていましたが、神鳥というものは全然見つからなかった。財主は非常に怒って、対策太郎を呼び出した。「三日間もかかったが、神鳥の姿も声も現れない。いったいどういうことなのか。」
対策太郎は驚いていた。「僕はゴロゴロ鳴いている声が聞こえていますよ」。
「あれは野鳩だ!神鳥じゃない!」財主は気絶して倒れた。
「ああ、さすが殿さまです!不肖は愚かで、神鳥かと思っていました。」
1.文中の「その歌声」の指すものはどれか。A.ゴロゴロ鳴いている野鳩の声 | B.歌が上手な芸人の声 |
C.対策太郎の声 | D.珍しい姿をしている神鳥の声 |
A.しかし | B.それでは | C.これで | D.それに |
A.神鳥が美しくなかったら | B.違う山へ行ったから |
C.対策太郎はかれを騙したから。 | D.捉えた鳥は神鳥ではなかったから |
A.悔しい | B.怒る | C.恥ずかしい | D.笑いたい |
A.神鳥を守りたいんだ。 | B.財主を利用して山の道を作るんだ |
C.貧しい人々を守りたいんだ | D.財主の金を詐取したいんだ |
3 . 10月に世界陸上400m ハ一ドル(障碍赛)の銀メダリスト(银牌)為末大さんによる「走り方教室」を開催しました。為末さんがハ一ドルを跳ぶ姿を間近で見るとともに、走り方について、楽しく、具体的に学ぶことができました。本物の姿から学ぶ大変貴重な学習の場でした。実際に走り方を指導していただいた後、質問タイムがありました。
6年生の児童が、「失敗した時、どうしていますか。」という質問をしました。(イ)____、「大きな失敗は、オリンピックの時に転んだことだった。気が付いたら、空が見えていた。そして、予選落ちしてしまった。その時にとても落ち込んだが、ふと、よく読んでいた漫画の主人公のことを思い出した。どの漫画の主人公にも必ずピンチ(危机)が訪れる。そして、ピンチを脱出できている。だから、自分もこの後結果を出したら、とてもかっこいいスト一リ一になるのではないか。こう思い直して頑張ることができた。」という内容の答えが返ってきました。
誰にでも失敗はあります。それを自分なりの方法で乗り越えてきた為末さんのお話は子どもたちだけでなく、聞いていたみんなの心に響きました。失敗の乗り越え方は人それぞれです。子どもたちは為末さんからいいヒント(启发)をもらうことができました。
1.文中の(イ)に入れるのに最も適当なものはどれか。A.そして | B.すると | C.また | D.ところが |
A.「走り方教室」を開いた時 | B.生徒が質問した時 |
C.予選に失敗した時 | D.漫画の主人公を思い出した時 |
A.頑張って銀メダリストになったこと |
B.自分の経験を生かして子どもに教えること |
C.失敗を乗り越えて成果を出したこと |
D.失敗を思い直して頑張ること |
A.びっくりした。 | B.不思議に思っている。 | C.困っている。 | D.強く印象に残った。 |
A.為末大さんは今年の10月に世界陸上400mハ一ドルの銀メダルを取った。 |
B.為末大さんは子どもにただ走り方を教えた。 |
C.為末大さんは好きな漫画の主人公に元気をもらった。 |
D.生徒たちはみな為末大さんのような人になりたがる。 |
4 . 今回の新型コロナウイルスの感染拡大により、外出の自粛要請や休校・休業要請など、日常生活を制限される状況が続いています。これによって、みなさんの暮しにはどのような変化が起こっているのでしょうか?新型コロナウイルスの流行で日常行動の時間や回数に変化があったかどうかを調査したところ、多くの人が「減った」と回答したのは、「外出・買い物」に関連する項目で、不要・不急の外出をしないという外出自粛要請に対応した結果となりました。
それ以外にも、「化粧」に関連する項目で「減った」が目立ちました。買い物やレジャーの減少に加え、テレワークや休業・自宅待機など、働き方の変化に伴う外出機会の減少や、マスクの使用が増えたことなど、複数の要因が考えられる結果となりました。
また、「運動」に関する項目では、屋内施設や屋外での運動が減った人が多い一方、自宅での運動は( ア )人が多く、自宅でできるフィットネス(健身机)などを取り入れる人が増えているようです。
「家事」に関しては、すべての項目で増えた人が多く、中でも食事づくりや、家の換気が増えた人が多い結果となりました。在宅時間が長くなったこと、休校や在宅勤務などで、家で過ごす人数・時間が増えたことなどが影響していると考えられます。
1.文中に「多くの人が『減った』と回答した」とあるが、それはなぜか。A.不要不急の出入りを禁止されたから |
B.外出自粛を要請されたから |
C.外出・買い物をする必要がないから |
D.生活に及ぼす影響が全くないから |
A.「外出・買い物」に関連する項目 |
B.外出自粛要請に対応した結果 |
C.「化粧」に関連する項目 |
D.日常生活の変化 |
A.対応した | B.考えた | C.増えた | D.減った |
A.買い物や娯楽の減少のため |
B.マスクの使用が増えたため |
C.働き方が変わっていないため |
D.在宅勤務や休業・自宅待機のため |
A.「化粧」 | B.「運動」 | C.「外出・買い物」 | D.「家事」 |
5 . 猿が進化して人類になったという説は、だれでも知っているだろう。ところが、最近新しい種類の人類が現れた。別に新しい生物が発現された(ア)。「新人類」、つまり、今までの大人たちとは、生活様式や価値観の異なる若者たちが登場したのだ。
「新人類」はいくつかの特徴を持っている。まず、彼らは独特の言葉を使う。伝統的な日本語の使い方を変化させたり、言葉を省略して話したり、視覚、聴覚で物事をとらえてそれを感覚的に表現したりするのだ。「新人類」によって生み出されてきた数多くの流行語は、日本語学校で学ぶ日本語とは別のものだ。また、頼まれた仕事よりも自分の生活や趣味を重視する傾向があるということだ。感性に従いながら個性のある生活を求めるのも「新人類」だという。どのような時代でも世代が違えば、価値観も異なるのは、当たり前のことだろう。そして「若さ」が伝統や社会に反抗するものならば、現在の年配者もかつては「新人類」だったはずだ。しかしこの「新人類」という名前は、年配者が将来を担う現在の若い世代( イ )、ある種の危機感を抱きながらつけたものではないだろうか。
1.「生活様式や価値観の異なる」とあるが、「の」の使い方と同じ文はどれか。
A.最近新しい種類の人類が現れた。 |
B.それを感覚的に表現したりするのだ。 |
C.個性のある生活を求める。 |
D.価値観も異なるのは当たり前のことだろう。 |
A.わけだ | B.わけではない |
C.わけがない | D.わけにはいかない |
A.独特の言葉を使う。 |
B.頼まれた仕事よりも自分の生活や趣味を重視する傾向がある。 |
C.感性に従いながら個性のある生活を求める。 |
D.伝統や社会に反抗する。 |
A.にとって | B.について | C.に対して | D.によって |
A.猿が進化して、人類になったこと。 |
B.どのような時代でも世代が違えば、価値観も異なること。 |
C.「若さ」が伝統や社会に反抗すること。 |
D.年配者が将来を担う現在の若い世代に危機感を抱くこと。 |
6 . ( ア )数年、伝染性の風邪などの流行によって、通学や通勤の時マスクをして出掛ける。人が急に増えた。このマスクが、最近とても変わってきていることに驚く。一番驚くのは、マスクの種類が増えたことだ。現在、薬屋やコンビニなどでは、さまざまな形のマスクが売られている。昔はマスクと言えば1種類の決まった形しかなかったのだが、最近は、子供や、顔が小さい女性のためのマスクなど、いくつかの種類がある。また、マスクをするのを嫌がる子供のために、かわいい絵が付いたマスクや、子供が好きな果物の香りの付いたマスクなども作られている。さらに、おしゃれな女性に向けて、化粧が崩れにくい工夫がされたマスクや、色や模様が付いたマスクなども開発されている。これから、どんなマスクが登場するのか、楽しみだ。
1.文中( ア )には何を入れるか 。A.ここ | B.この | C.これ | D.こんな |
A.通勤や通学に便利だから |
B.マスクの種類が増えたから |
C.悪い風邪などが流行したから |
D.マスクをするのがおしゃれだから |
A.女性や子供もマスクをするようになった。 |
B.いろいろな形や大きさのマスクが売られるようになった。 |
C.マスクをすれば、悪い風邪が完全に防げるようになった。 |
D.おしゃれだからという理由でマスクをする人が出てきた。 |
A.種類がたくさんあって、さまざまな形 。 |
B.かわいい絵が付いた形 |
C.果物の香りが付いたもの |
D.1種類の決まった形 |
A.絵や模様が付いたマスク |
B.いい匂いの付いたマフラ |
C.化粧をする時に使うマフラ |
D.今までのものより小さいマスク |
7 . りんごの花は5月に咲きます。そして、小さいりんごがたくさん生ります(结,结果实)。一本の木に、あまり多くのりんごが生ると、大きいりんごができません。 ① 、丈夫そうなりんごだけを残して、ほかのりんごを取ります。そして、害虫を防ぐために、袋を被せたり、農薬をかけたり、いろいろと世話をして育てます。
りんごにはいろいろな種類があります。形が大きいものもありますし、小さいものもあります。色の赤いものもありますし、黄色いものもあります。 ② 、夏ごろから食べることができるものや、秋の終わりに食べることができるものもあります。
農民たちは寒い地方でしか育つことができないりんごを、箱に詰めて、トラックに積んで、ほかの地方へ売りに運びます。そうして、おいしそうなりんごは町の果物屋や八百屋も店先に並べてあるのです。
1.文中の ① のところに入れるのに、最も適当なものはどれか。A.ですから | B.さらに | C.あるいは | D.それに |
A.それでも | B.つまり | C.また | D.だが |
A.りんごは寒い地方では育たない |
B.りんごは暖かい地方でも育たない |
C.りんごは寒くない地方でも育つ |
D.りんごは寒い地方だけ育つ |
A.できるだけ暖かい地方で育てる。 |
B.りんごに袋を被せて、農薬をやる。 |
C.小さいりんごだけを残してやる。 |
D.大きいりんごだけを取ってやる。 |
A.りんごの花が多ければ、りんごがたくさん生る。 |
B.りんごはあまり世話をしなくても、大丈夫だ。 |
C.りんごは種類によって、形も色も違っている。 |
D.りんごは寒い地方の果物屋や八百屋にだけある。 |
8 . 最近、国際交流とか異文化交流という言葉がよく使われています。国や言葉の異なる人たちの交流の難しさや大切さがよく話題になります。たしかに、世界中の国々が仲良く平和に生活していくためには、言葉や文化の違いがあっても、理解し合って、話し合いをしなければなりません。私たちのまわりの動物たちでさえ異文化交流の例がたくさんあります。 ① 、家族の一員として生活しているペットたちを見てみましょう。
犬や猫をはじめ、さるや小鳥など、いろいろなペットがいます。飼い主が外から家に帰ると、犬がすぐにしっぽを揺れて、迎えに近づいてきます。それらのペットたちはそれを飼っている人たちの交流は、人と人の交流と同じぐらいの深い愛情で結ばれていると言ってもいいです。では、動物と動物との交流はどうでしょうか。親のいない子猫を母親のように温かく育てている犬もいるし、背中に小鳥を止まらせている犬の後ろに猫と鶏が続いて散歩しているのも、たまには見かけます。私たち人間は ② に負けないように、広くて温かい心で世界中の人と交流しましょう。
1.文中の ① のところに入れるのに、最も適当なものはどれか。A.それから | B.たとえば | C.したがって | D.しかし |
A.ちゅう | B.なか | C.じゅう | D.うら |
A.犬や猫を主として | B.犬もいて猫もいて |
C.犬や猫をのぞいて | D.犬や猫を飼う前に |
A.犬や猫 | B.ペットたち | C.人間 | D.動物 |
A.現在、異文化という言葉が使われるようになった。 |
B.犬や猫などの動物の間にも人間のような交流がある。 |
C.世界中の国々と異文化の交流を大切にするべきだ。 |
D.人は人との交流以外に、動物とも交流するべきだ。 |
9 . 先週の金曜日は体育の日で3連休になって、大学の仲のいい留学生4人と1泊2日旅行をしました。金曜日の朝、みんな早く出発して、3時間で目的地に着きました。都市から離れて、静かな山奥です。荷物をホテルに預けてから、みんなで山登りをしたり、温泉に入ったりしました。久しぶりの運動だから、みんな疲れました。 ① 、夕食後出かけないことにして、ホテルの部屋でいろいろな話をしました。日本に来てからの経験話もあれば、みんなの国のおもしろい話もありました。母語が違っていますが、みんな日本語ができるから、話し合いはうまくいきました。
翌日も晴れで好天気でしたから、みんなもっと山奥の方へ入っていきました。でも、途中道に迷って、方向が分からなくなってしまいました。困っている時、高校生らしい男の子に出会って、教えてもらいました。本当に ② 。そして、地元出身の彼は私たちが留学生だとわかったら、熱心に滝のあるところへ案内してくれました。すばらしい滝です。それは意外の収穫でした。
1.文中の ① のところに入れるのに、最も適当なものはどれか。A.ところで | B.そのうえ | C.そのため | D.ところが |
A.先週の金曜日 | B.先週の土曜日 | C.先週の日曜日 | D.先週の3連休 |
A.助かりました | B.困りました | C.わかりました | D.迷いました |
A.翌日も晴れで、好天気だったこと | B.途中で、道に迷ってしまったこと |
C.偶然に地元の男の子に会ったこと | D.男の子が滝を案内してくれたこと |
A.わたしは大学の仲間と4人で連休の休みを利用して、旅行した。 |
B.金曜日の夜、私たちは疲れたから、出かけないで早く寝た。 |
C.私たちは外国人なのに、日本語で国のことを話すのは大丈夫だ。 |
D.わたしたちは先週、金曜日に出発して、日曜日に戻った。 |
10 . 日本の会社員はだいたい一週間に5日か6日働きます。大きい会社では土曜日と日曜日は休みです。小さい会社ではほとんど土曜日は休みません。会社は9時に始まって、5時に終わるのがふつうです。
セールスマンの鈴木さんは4年前に大学を出て、今化粧品の会社で働いています。給料は一ヶ月に26万円ですが、7月と12月に、月給ぐらいのボーナスがあります。あちらこちらの美容院や薬局に電話したり、訪ねに行ったりします。会社は5 時に終わりますが、彼の仕事は5時には ① 。いつも遅く家へ帰るので、たいへん疲れます。そのため、 ② 大学の友達や会社の人と仕事の後でお酒を飲みに行きます。
鈴木さんは一生懸命働きます。来年結婚する予定なのです。結婚したら、奥さんと小さな喫茶店を開きたいと言っています。
1.鈴木さんはどんな仕事をしているか。A.化粧品の会社を経営している。 | B.化粧品開発の仕事をしている。 |
C.化粧品を売る仕事をしている。 | D.美病院と薬局を経営している。 |
A.終わります | B.終わりました | C.終わりません | D.終わりたいです |
A.それぞれ | B.ときどき | C.さまざま | D.だんだん |
A.仕事でいつも帰りが遅いから | B.小さい会社で働いているから |
C.仕事の後で、飲みに行くから | D.来年結婚する予定があるから |
A.鈴木さんは真剣にセールスの仕事をしている。 |
B.鈴木さんは1 年に14か月ぐらい給料をもらう。 |
C.鈴木さんは週に1日しか休むことができない。 |
D.鈴木さんは大学を卒業してから、もう4年だ。 |