1 . どこの国でも、読書を勧めない国はない。( ア ) 、何も勧められなくても、日本では盛んだ。それは机を使ってするよりも、電車やバスの中で、また、驚いたことに、トイレの中で、盛んに行われている。アメリカなどでは子供のお土産に本を買ってやっても、あまり喜ばれない。勉強道具が一つ増えたと思っているのかもしれない。だが、①日本ではちがう。それがおもしろいSF(空想科学小説) だったら、夜遅くまで読みふけるにちがいない。
子供がこんな状態なのだから、大人がそうしないはずがない。電車に乗ると、あちらにもこちらにも、小説や雑誌や新聞などを読んでいる人がいる。けれども、その人たちがみんな自分の読むものを自分で手に持っているわけではない。首をのばして、隣の人の本を読む人も多いのである。
最近、わたしがこんだ電車の中で週刊誌を読んでいたときのことだ。気がつくと、隣に座った男の目がわたしの③本の上を動いていた。二人は④同じものを読みふけっていたのだ。だから、わたしの顔のすぐそばにその男の顔があり、髪の毛の嫌な匂いがしていた。
そこで、私は週刊誌を読むのをやめた。それから、読みもしないのに、かばんの中から専門の雑誌を出してベージをひらいた。そこには、く助詞「に」の使い方の研究>という文が印刷されていた。すると、これはどうしたことだろう。その男は助詞の研究までいっしょうけんめいに読み始めたのである。男の顔は前よりもっと(イ )。
わたしはそのとき、日本人には読書を勧めるより、むしろ、本を読まない習慣を勧めたほうがいいと思った。
1.( ア ) の中に何を入れますか。A.したがって | B.しかし | C.または | D.ところで |
A.日本では、多くの人が遅くまで本を読みふけることがあまりありません。 |
B.日本では、SFの本しかプレゼントしないという人もいます。 |
C.日本では、本をプレゼントとして贈る習慣があまりないかもしれません。 |
D.そのプレゼントは日本ではとても喜ばれるでしょう。 |
A.本を読んでいた。 | B.本を開いていた。 |
C.本を指している。 | D.本を借りようとしていた。 |
A.ほかの人の週刊誌 | B.隣の人の週刊誌 |
C.わたしの週刊誌 | D.子供の SF |
A.明るくなってきた | B.曇っててきた |
C.近づいてきた | D.色が変わってきた |
2 . 「2050年の海は、魚よりもゴミのほうか多くなるかもしれない。」
私は海のゴミ拾いをするボランティア活動に参加したとき、この言葉に大きな衝撃を受けた。それと同時に、海の未来に少し( ア )。私がゴミ拾いをした海には、見たことのないほど多くのゴミが落ちていた。ペットボトル、大きなプラスチックかご(塑料筐)、大量のビニール袋(塑料袋)。
そのとき、ニュースで話題になっていた話を聞いた。ビニール袋を飲み込んでしまって、命を落とす生き物がいたということだ。海にゴミを捨て続けた結果、関係のない( イ )に悪影響を及ぼしてしまっている。
海のプラスチックゴミ問題について、あなたはどう思っただろうか。私は、美しい海、多様な生き物、人間の健康を保っためにも、なんとかこの状況を改善しなければいけないと思った。今の状況を改善したいと考える人もいれば、自分には関係ないと考える人もいるかもしれない。しかし、日本はこのプラスチックゴミ問題に国際的な責任を持たなければいけない。なぜなら、日本が一年で海に流したプラスチックゴミは先進国の中で二番目に多いからだ。もっと多くの人がプラスチックゴミで海を汚していることを自覚し、問題に正面から向き合う必要がある。
1.文中の( ア )に入れるのに最も適当なものはどれか。A.楽しみだった | B.不思議に思った | C.不安を感じた | D.残念に思った |
A.たいへん多くのゴミ | B.あまり見たことのないゴミ |
C.それほど多くないゴミ | D.海でよく見たゴミ |
A.大気環境 | B.海の生き物 | C.ボランティアの人 | D.人間 |
A.日本は海に近いから |
B.日本は海に関心を持っているから |
C.日本が最も多くのプラスチックゴミを海に流しているから |
D.日本がたいへん多くのプラスチックゴミを海に流しているから |
A.海のゴミ問題はとても深刻だ。 |
B.ゴミ問題で、海の生き物が少なくなっている。 |
C.人間は責任を持って海のゴミ問題を解決しなければならない。 |
D.もっと多くの人に海のゴミ問題を知ってもらいたい。 |
3 . 明日からは着ることのない制服を前にして、息子は黙っていた。
卒業は何も突然やって来たわけではない。むしろ入試が終わると、「もうすぐ卒業するんだなあ」と卒業を待ち、高校での新しい生活を夢見たのではなかったか。それなのに卒業式、謝恩会を終えて帰宅した息子は、ひどく口が重くなっていた。
夕食後の風呂あがりに息子は私に、「お母さん、何か言うことない?」と聞いた。私はわざと、 「何もないよ。ごめんね」と答えた。
私にも息子の感傷は経験上分かるが、それだけである。先生や友人、学校での数々の思い出を、そのまま共感してやることはできない。それはもう、私の知る世界ではないからだ。
「こんな日はね、一人でいる方がいいよ。たぶんお母さんと何かを話しても、どうしょうもないよ。」
「…そうだね、もう寝る。」
悩みや相談なら、自分が言い出すことで楽になったり考え方が変わったりする。( ア )、感傷や思い出というものは、人に話してもどうしょうもなく、実際、言葉にすればするほど心から離れたものになってゆく。
わかってもらえないことがあると知ることで思い出が深まっていくのだと、いずれ息子も知るだろう。大切な思い出ほど、人は人に語りたくないものなのだ。
1.「私にも息子の感傷は経験上分かるが、それだけである」とあるが、その説明について、正しいのはどれか。A.私にも息子と似た経験があり、息子の感傷を理解することができる。 |
B.息子の気持ちは理解できるが、まったく同じ感情を抱くことはできない。 |
C.私にも卒業時期の思い出があるが、息子の感傷を理解することができない。 |
D.私にも卒業の経験があるが、それは昔のことで息子にとって参考にならない。 |
A.しかし | B.それとも | C.そして | D.つまり |
A.進路を決めるときの悩み | B.どの店に入るかの選択 |
C.友人と別れるときの悲しみ | D.どの大学に進学するかの相談 |
A.感傷や思い出は一人で経験することでますます大事なものになっていくということ |
B.自分の考えや気持ちはほかの人に理解してもらえないということ |
C.感傷や悩みは人に話しても解決できるものではないということ |
D.悲しい思い出や感傷はことばではなかなか説明できないといこと |
A.筆者は息子の卒業を期待していた。 |
B.筆者の息子は今年で高校を卒業した。 |
C.筆者は息子のような経験を持っていなかった。 |
D.筆者は悲しんでいる息子を一人にした。 |
4 . 仕事や勉強などで、「売り上げをアップする」「試験にパスする」といった目的はそう簡単に変わるものではないでしょう。
しかし、達成するための目標をころころ変えてしまうケースは結構多いはずです。「毎日、英単語の書き取りと音読をして10語ずつ覚える」と目標を決めたのに、どうも効率が悪い気がして、「英単語の問題集を毎日10問解くことにしよう」と方法を変える――このように「ダメだから次はこうしよう」と( ア )のは、実は脳にとっていいことではありません。
目標を変えるのは、おそらく、やり方や要領のよりよい方法を考え、「このほうがうまくやれる」と考えた結果でしょう。しかし、効率を重視して目標を変えてばかりいると、結局どれも達成できず、目的もかなわないということになってしまいます。
これは、次々と新しい目標が現れると、脳の「自己保存」の癖が働き、「どうせまた目標が変わるかもしれない」「今度の目標は達成できるのだろうか」という気持ちが生まれ、全力投球(倾尽全力去做)できなくなってしまうからです。
1.文中に「達成するための目標をころころ変えてしまうケース」とあるが、その例はどれか。A.「英単語の問題集を毎日10問解くことにしよう」という目標をあきらめる。 |
B.「毎日、英単語の書き取りと音読をして10語ずつ覚える」という目標をあきらめる。 |
C.「英単語の問題集を毎日10問解くことにしよう」という目標を「試験にパスする」に変える。 |
D.「毎日、英単語の書き取りと音読をして10語ずつ覚える」という目標を「英単語の問題集を毎日10問解くことにしよう」に変える。 |
A.目標をほかの人に話す |
B.目標を簡単に変える |
C.目標を達成しようとする |
D.目標をあきらめる |
A.新しい目標が現れたから |
B.脳の「自己保存」の癖が働いたから |
C.「このほうがうまくやれる」と考えたから |
D.何も達成できず、目的がかなわなくなってしまうから |
A.消極的 | B.積極的 |
C.うれしい | D.悲しい |
A.効率が悪い気がすれば、目標を変えてもいい。 |
B.効率を重視して目標をころころ変えるのはよくない。 |
C.目的はそう簡単に変わらないが、目標をころころ変えることはよくある。 |
D.目標を決める前に、やり方や要領の最もよい方法を考えておくべきだ。 |
5 . 最近、ある中学校が有名になりました。この学校は丘の上にあり、周りは急な斜面になっています。この斜面は人が入りにくく、草取りができないため、草がたくさん生えて虫も増え、みんな困っていました。
( ア ) 、学校はこの問題を解決するために面白い方法を考えました。1年に2 回、1ヶ月ずつ羊を借りてきて草を食べさせるのです。
去年の春、初めて4頭の羊が来ました。羊はどんどん草を食べたので、土地はすぐにきれいになりました。羊は秋にも来ましたが、春とは違うことがありました。来た羊は春と同じでしたが、草が減るのが遅かったのです。秋の草は少し硬くて食べにくかったようです。でも、しばらくすると土地はまたきれいになりました。
羊が来てよかったことは、土地がきれいになったことだけではありません。近所の人たちが毎日羊を見に来るようになり、ふだんは話す機会の少ない中学生たちとも次第に交流が生まれていったのです。
みんな、次に羊が来るのを楽しみにしています。
1.文中の( ア ) に入れるのに最も適当なものはどれか。A.また | B.たとえば |
C.そこで | D.それで |
A.中学校の周りの土地に虫がたくさんいるので、草取りがしにくいこと |
B.中学校の周りの土地の草が、いくら取ってもすぐ生えてきてしまうこと |
C.中学校の周りの土地が、入りにくくて草取りができないこと |
D.中学校の周りの土地に生えている草を、羊が食べてしまうこと |
A.妹におもちゃをあげる |
B.この薬を1日に3回飲んでください |
C.雨が降りに止み、止みに降る |
D.生活に苦しんでいるみんなのために、何をすればいいでしょうか |
A.来た羊の数が予定より少なかったこと |
B.春に来た羊とは違う羊が来たこと |
C.羊が来るのが予定より遅かったこと |
D.羊が春ほど早く草を食べなかったこと |
A.近所の人たちと中学生が、羊との交流を一年中楽しむようになった |
B.近所の人たちと中学生が、だんだん交流をするようになった |
C.近所の人たちや中学生が、自分の家の庭の草取りをするようになった |
D.近所の人たちや中学生が、自分も羊を飼いたいと思うようになった |
6 . 今日、販売営業部の会議があった。会議には部長と課長も参加した。新入社員のわたしが作成した販売台数に関するグラフの説明から会議は始まった。
グラフの説明をしながら参加者の反応を伺うと、部長の怖い顔が目に入ってきた。どうやら、わたしの説明よりも作成したグラフが部長のお気に召さなかったようだ。隣に座っている課長に、グラフを指差しながらぶつぶつ何か言っているのだ。わたしは心臓がドキドキしてきた。
説明が終わると、部長がゆっくりと小さな声で話し始めた。
「このグラフはお客様にも見せるグラフだね。ビジネスのグラフというのは、字校の授業で作るグラフとは違うんだ。新入社員の君にも分かってほしい。数字が正確なのは当たり前だが、ただその数字を正直に見せればいいというものではないんだ。先輩たちが作るグラフは、同じ数字のグラフでも、与える印象がまるで違う。悪いところを強調してどうするんだ。これじゃ、お客様には見せられないね。作り直してくれ。」
会議が終わって部屋に戻ると、グラフの作り方で印象がどう変わるのかを課長が教えて( ア )。つまり、グラフのメモリの下の方を省略したり、または単位を変えたりするのだ。数字をごまかしているわけではなしいのに、わが社の数字が他社と比べても( イ )悪くないかのようだ。あまり見せたくない悪いところが見事に目立たなくなっていた。
1.文中には「グラフは部長のお気に召さなかった」とあるが、その意味と一致しているのはどれか。A.グラフは部長のお気に入りだった。 |
B.グラフは部長の期待通りになった。 |
C.グラフは部長の期待通りにならなかった。 |
D.グラフは部長の予想よりもよかった。 |
2.文中には「心臓がドキドキした」とあるが、それはなぜか。
A.初めて部長に会うから興奮していたから |
B.自分の作ったグラフを部長に提出するから興奮していたから |
C.部長の不機嫌な顔を見て緊張していたから |
D.初めて部長に会うから緊張していたから |
3.グラフはなぜ部長に注意されたか。
A.グラフは情報が少ないから |
B.グラフは会社の悪いところを強調しているから |
C.グラフは間違いが多いから |
D.グラフは情報が多すぎるから |
4.文中の( ア )に入れるのに最も適切なものはどれか。
A.もらった | B.くれた | C.やった | D.あげた |
5.文中の( イ )に入れるのに最も適切なものはどれか。
A.それなら | B.それから | C.それまで | D.それほど |
季節の変わり目は、洋服を断捨離する絶好のタイミング(时机)です。洋服の断捨離が成功すれば、クローゼットがすっきりするだけでなく、お金も貯まり始めるなど、たくさんの利点があります。
では、断捨離を始めてみても、「まだ使えるし、捨てるのは浪費だと思い、すぐには捨てたくない人も多いのではないでしょうか。(ア)洋服がクローゼットに大量にある原因は、枚数が過多だということです。そんな時は、自分の洋服の適正量を決めるとうまくいきます。私は、各季節に、トップス(上装)7着、ボトムス(下装)7着までと決めています。
このように、断捨離をしてクローゼットを整理すると、無駄に買ってしまうことが減り、お金の節約にもつながりますし、買い物にも慎重になります。
私は、洋服を断捨離してから毎月の被服費がかなり減り、その分お金が貯まり出しました(开始存下来)。ぜひ、自分に必要な洋服の枚数を確認しながらやってみてください。
1.文中に「断捨離で一番難しいのが、洋服です]とあるが、それは何を指すか。A.もう着ないけど捨てたくない洋服が多い。 |
B.もう着ないけど捨てたくない洋服が少ない。 |
C.好きな洋服が多くて、クローゼットがいっぱいだ。 |
D.好きな洋服がなくて、クローゼットが空いている。 |
A.いっぱいになる | B.壊れてしまう |
C.空いてくる | D.豊かになる |
A.必要な | B.大切な | C.あまり着ない | D.よく着る |
A.7着 | B.14着 | C.21着 | D.28着 |
A.まだ使うことができるものは捨てないほうがいい。 |
B.自分に必要な洋服の枚数を決めることが大切だ。 |
C.毎月の被服費が減ると、洋服の断捨離が成功できる。 |
D.必要のない洋服を捨てると、無駄に買ってしまうことが多くなる。 |