2 . 人間と動物、動物と機械は、それぞれ決定的に異なる何かがあるのだろうか。それとも、その違いは、距離の差にすぎないのだろうか。
ここでは、たとえばそのなかの二つ、動物と機械の差を考えてみよう。たしかに機械は無生物であり、動物は生物の一部にほかならない。( ① )は対立する概念なので、機械と動物はまったく異なるものということになる。
だが、( ア )現代の自動車工場では、日々、ロボットを使って自動車が製造されている。この様子は、極端に言えば、まるでロボットが自動車をつくり続け、人間の労働者は、あたかもそのロボットの補佐役のようであるとも言える。そして、この工場のシステム全体を見ると、それがひとつの生き物のようである。これは、機械が機械を生んでいる、動物で言えば②「世代交代」をしているかのように思える光景だ。
「世代交代」は、「自己増殖」と並んで、生物と無生物を分ける、生物の決定的な特徴とされている。だが、上記のように、今日のロボットや自動車は機械であっても、またその巨大な集積である FA 工場は機械システムであっても、「世代交代」という機能をもっており、少なくともその面では、動物あるいは、動物の種の姿に近いと考えることができる。そう考えると、生物とは対立するはずの機械も、③その違いは単に距離の差に過ぎないと言える。
1.
( ① )に入る適当なことばはどれか。A.生物と動物 |
B.生物と人間 |
C.無生物と生物 |
D.無生物と機械 |
2.
文中の( ア )に入れるのに最も適当なものはどれか。3.
筆者は自動車工場における人間の役割(作用)はどのようだと言っているか。A.ロボットではできないような作業をしている |
B.ロボットが自動車をうまく作るのを助けている |
C.ロボットが自動車を作るのを見ているだけである |
D.ロボットに指示を与え、うまく使って、自動車を作っている |
4.
ここで言う②「世代交代」とは具体的に何を指しているか。A.ロボットが自動車を作り出していること |
B.人間が新しい機械を作り出していること |
C.同じ種類の自動車がどんどん作られていること |
D.人間がロボットを使って機会を製造していること |
5.
③その違いとは何と何の違いか。A.ロボットと自動車 |
B.動物と動物の種 |
C.動物と機械 |
D.動物と生物 |