1 . ( ア )はどんな気持ちで勉強や仕事をしていったほうが幸せだろうかという視点で考えてきましたけれど、今からは、そうではなくて、社会の制度のあり方として、どんなものがよいだろうかという点を考えてみます。
一つの提案は、もう少し進学のプロセスを考えてはどうか、少し大胆にいうと、高校から直接に大学へ進学するのを原則禁止して、いったん社会に出て働くことにしてはどうか、ということを考えています。
よく言われていることですが、日本の大学は、大学入試のゴール地点になってしまっていて、そこで何を学ぶのか、どこでどんなことを身につけるのかという意識がかなり希薄(稀薄,不足)です。一方では、大学を出てから働き始めた多くの人が、大学時代にもっと勉強をしておけばよかったと後悔したり、残念がったりしている姿をよく見かけます。これはとてももったいないことだと思います。
このようなことを言うと、ならば、大学でもっと勉強をさせようにすればいいじゃないか、それは大学でちゃんと教えていない君たち教師の責任じゃないか、という叱りを受けそうですし、確かに反省すべき点は多々あると思います。けれども、現状では大学生がなかなかやる気を持てないという面もあるように感じています。
それは、実社会で実際の仕事などを経験してみないと、その学間の重要性や必要性を実感できないという面があるからです。特に経済学のような学問はそういう傾向が強いように思います。
1.
( ア )に入れるのに最も適当なのはどれか。2.
筆者はどんなことを薦めているのか。A.大学に行かないで、直接に働くこと |
B.教師たちがちゃんと責任を取って教えること |
C.高校を出て、先に働いてみてから、進学すること |
D.大学で生徒に好きなとおりにやらせること |
3.
「これはとてももったいないこと」とあるが、何がもったいないのか。A.勉強できる環境では勉強の必要性に気づけず、卒業後に気づくこと |
B.苦労して大学に入っても、大学の勉強が合わない学生が多いこと |
C.本当に勉強したがっている卒業生が大学に入り直せないこと |
D.在学中の学生が、後悔している卒業生の姿を見ることができないこと |
4.
「反省すべき点は多々ある」とあるが、反省するのはだれか。A.大学生 | B.大学の教師 | C.叱っている人 | D.社会人 |
5.
筆者が大学進学について提案しているのはなぜか。A.大学進学者の数を少なくするため |
B.大学の授業をもっと深い内容にするため |
C.大学生が就職するようにするため |
D.大学に入ってから後悔しないようにするため |