1 . 先日、母親は押入れの奥から驚くべきものを出してきた。その時僕は母親と差し向かいで、お茶を飲みながら昔の話に花を咲かせていた。大学時代の僕が、いつもシコシコ原稿を書いていたという話題になった時、母親は急に何か思いついたような顔(ア)して、「そういえばあなたの…あれは何、カードみたいなものがいっぱいあるけど」ということを言った。何のカードなのか僕自身にも全然分からなかったので、ちょっと見せてくれと頼んだところ、押入れの奥から風呂敷に包んだ500枚近いカードを出してきたのである。
一目見て、僕はそれが何であるのかを思い出し、声を上げそうなほど驚いた。それは僕が19歳から20歳(イ)の約1年半、勉強のつもりで記していた日記のようなカードである。俗に“京大式カード”と呼ばれるものである。当時の僕はこれを使って、まず個人的な読書カードを作り始めた。短編小説を1篇読んでは、1枚の京大式カードに読後感を記していたのである。半年もしないうちにカードはかなりの枚数になり、だんだん面白くなってきたので、今度は自分なりの小説論とか、自分の書いている小説の欠点、あるいは退屈しのぎに思うことなどをここに記すようになった。
十数年を経った今、このカードを改めて読んでみると、その勤勉さ、その情熱には頭の下がるものがある。20歳の僕が本当に心から、何が何でも小説家になりたいと願っていたことが、よく分かる。僕は、20歳の原点に還るべく、再び京大式カードをつけてみようかと考えている。
1.(ア)に入る言葉は次のどれですか。A.を | B.に | C.が | D.で |
A.にかんして | B.にたいして | C.にかけて | D.にわたって |
A.1篇読んだだけで日記を記した。 |
B.1篇読むごとに日記を記した。 |
C.1篇読んでから日記を記した。 |
D.1篇読んだらすぐに日記を記した。 |
A.京大式カードに小説の読後感を書くこと |
B.小説をたくさん書くこと |
C.若さを失わないように努力すること |
D.目的に向かって勤勉に情熱を注ぐこと |
A.筆者には母親は物持ちがよいという印象がある。 |
B.筆者は20歳のとき小説家になりたい夢があった。 |
C.筆者は今でもカードをつける習慣がある。 |
D.筆者は母親に驚かされたことがあった。 |
2 . JRの京葉線ができて、東京ディズニーランド(迪士尼)が急に近くなった。ディズニーランドのちょうど前に、駅ができたからだ。駅の名前は「舞浜」という。この駅はディズニーランドのために作られたといってもいいかもしれない。
京葉線を使えば、東京から舞浜まで約15分で行ける。電車賃は210円。ディズニーランドから東京のほうへ帰る人は、途中の新木場で営団地下鉄有楽町に乗り換えれば、銀座方面へも簡単に出られる。ディズニーランドで(ア)後は銀座で少し高い食事という計画も考えられるだろう。ところが、東京駅とディズニーランドの間にはバスも走っている。こちらの料金は600円。京葉線ができたから、なくなって(イ)のかと思っていたが、意外にもそうはならなかった。私は先日、仕事でディズニーランドの近くまで行った帰りに、初めてこのバスに乗った。
16時45分発東京駅南口行き。バスはファンタジア号(“幻想号”)という二階建てのデラックスバスで、すばらしい乗り心地であった。
(ウ)、210円に対して600円。ディズニーランドという場所を考えると、一人で乗るということは少ないから、この違いは大きいだろう。特に家族で乗るときは大変だろうと思う。
料金だけではない。電車が約15分で行くところを、私の乗ったバスはなんと1時間もかかった。夕方で、道が込んでいたからだろうが、東京の高速道路は一日中込んでいるわけだから、どの時間に乗ってもそれぐらいはかかるはずだ。
電車とバス。確かにバスは乗り心地がよいが、以上のようなことを考えるとバスは電車に負けてしまう。電車の方がずっと良い。しかし、私の乗ったファンタジア号は平日なのに、満席の状態だった。どうしてだろう。
私はすぐにはその理由が分からなかったが、バスが高速道路に入り、込んでいるために、早く走れなくなったころから、もしかしたら理由はそうなのかもしれないと思うようになった。それはバスの窓から見える景色だ。都会の夕景だ。
注:デラックス:高级、豪华
1.(ア)には何を入れますか。
A.遊ぶ | B.遊んだ | C.遊んで | D.遊び |
A.しまう | B.おく | C.みる | D.ある |
A.だから | B.それが | C.それから | D.そして |
A.お金がたくさん要るから大変だろうということ |
B.座る場所がたくさん要るから大変ということ |
C.うるさいから大変だろうと言うこと |
D.乗るのに時間がかかるから大変だろうということ |
A.東京の高速道路は、一日中込んでいるということ |
B.バスは、二階建てで、すばらしいということ |
C.ディズニーランドには、家族で行くということ |
D.バスは、時間もかかるし、料金も高いということ |
3 . 日本人は「友達からサッカーの試合の切符をもらったんですが、あしたいっしょに行きませんか。」と友達が誘ってきた時、「あしたはちょっと…。」などと言って、よくあいまいに断ります。これは「明日はちょっと用事があって、行けません。」という意味です。相手の気持ちを傷つけないようにするために、「いいえ」とはっきり言わないのです。
図書館で大きな声で話している人に「すみませんが、ちょっと声が…。」と言うなど、何か相手によくないことを言うときに最後まで言わないことがあります。これも相手を傷つけないようにしようという思いやる気持ちからです。
(ア)、日本人は家族のことをあまり褒めません。だれかが自分の子どものことを「お子さんはよく勉強しますね。」と言っても、「いいえ、全然勉強しないんですよ。」と答える人が多いです。これは自分や自分の家族を低くすることによって、相手の地位を高くして尊敬しようという考え方があるからです。
日本ではこのような表現で相手を思いやることによって、人間関係をよくすることがあります。
1.「ちょっと声が…。」はどういう意味ですか。一つ選びなさい。A.ちょっと声が大きいです。 | B.ちょっと声が出ません。 |
C.ちょっと声が聞こえません。 | D.ちょっと声が聞こえます。 |
A.ところが | B.それから | C.しかし | D.または |
A.家族のことをよく思っていないから。 |
B.相手を尊重するために、自分や自分の家族を低くするから。 |
C.自分の地位が低いと思っているから。 |
D.自分の家族を尊敬しているから。 |
A.日本人はよくあいまいに断る。 |
B.日本人は相手を断らない。 |
C.日本人は最後まで言いたくないときは途中までしか言いません。 |
D.外国でははっきり言いたいことを表現するので、人を傷つけます。 |
A.日本人の生活 | B.日本の習慣 | C.日本語の表現 | D.尊敬語について |
4 . 日本の小学校は六年です。そして中学校は三年です。小学校と中学の九年間は義務教育です。子供たちは6歳から近くの小学校へ行きます。小学校はたいてい八時半に始まります。每日5時間か6時間授業があります。そして授業はたいてい三時ごろ終わります。子供たちは教室の掃除をしてから家へ帰ります。
中学校の授業も三時ごろ終わりますが、その後、クラブ(社团)があります。生徒たちは、テニスや野球などいろいろ好きなことをすることができます(可以做)。
高校は義務教育ではありませんが、中学生の九十五パーセントが高校へ行きます。高校に入るためには入学試験を受けなければなりません。やさしい高校も難しい高校もあります。高校も三年です。
大学は普通四年ですが、医学のコースは六年です。二年間の短期大学もあります。大学ではみんな好きなことを勉強します。もちろんみんな入学試験があります。試験はたいへん難しいので、一生懸命勉強しなければなりません。
1.日本の義務教育は何年ですか。A.十六年です | B.三年です | C.九年です | D.六年です |
A.六歳から | B.八歳から | C.七歳から | D.九歳から |
A.8時間 | B.每日5時間 | C.每日6時間 | D.5時間か6時間 |
A.好きなことをして帰ります | B.掃除をしてから帰ります |
C.クラブをしてから帰ります | D.すぐ帰ります |
A.普通四年です。 | B.二年です。 | C.何年でもいいです。 | D.六年です。 |
5 . 中国では、滴滴の利用者は430都市・5億5000万人にまで広がっているのだ。一般のドライバーが自分の車に乗客を乗せる仕組みを「ライドシャア」と言う。ライドシャアがここまで広がった最大の理由は「タクシーがつかまらない」というストレスを解消したことだろう。ただ、滴滴のサービスを実際に使ってみると、さらに多くの理由がわかってくる。まずアプリ(APP)をタッチすると、乗車場所と目的地を入力するようになっている。また、好きな車両を選択できる。呼び出しをクリックすると近くの車と瞬時にマッチング(匹配)できる。「到着まで3分」といった待ち時間が表示される。
料金支払いの工夫も細かい。乗る前にアプリ上に基本料金や距離料金まで掲載される。そして降車時に支払い行為がない。降りたあとにアプリに支払い金額が通知され、承認すれば決済完了。
(ア)、料金も安い。中国の都市部の物価は、日本とそう変わらないレベルになってきたが、北京の中心部から空港までの35キロで124元(日本円で2000円程度)。交通状況は違うが、東京でこの距離を移動すると1万円は超える。また、乗り心地がよかったかどうかをアプリから評価できる仕組み(机制)がある。この評価は滴滴にすぐに届く。
1.文中の( ア )に入れるのに最も適当なものはどれか。A.それで | B.それに | C.しかし | D.だが |
A.料金がやすい。 | B.アプリのサービスがいい。 |
C.「タクシーがつかまらない」ストレスの解消。 | D.支払いの工夫が細かい。 |
A.乗る前に料金が分かる。 |
B.車を降りるとき、払わなくていい。 |
C.待ち時間が表示される。 |
D.車を降りた後に、アプリを通じて支払う。 |
A.滴滴のサービスはいいから、日本にも導入された。 |
B.滴滴がいろいろな良さがあって、利用者がとても多い。 |
C.北京の中心部の物価が日本よりずっと安い。 |
D.タクシーに乗って、運転手に乗車場所と目的地を教えなければなりません。 |
A.滴滴の仕組み | B.滴滴の歴史 |
C.中国の滴滴と日本のタクシー | D.滴滴の魅力 |
6 . 最近、近所の花屋が閉店した。30 年以上も「町の花屋さん」として(作为…)人気があった店だ。
この店がオープンしたのは、私がまだ小学校に入る前だった。私にとって、店の思い出はそのまま(照原样…)子供のころの思い出と重なる。家族の誕生日や家にお客さんが来る時などには、母と一緒にこの店で花を買っていた。
小学校を卒業する時には、こんなことがあった。クラス全員でお金を出し、担任の先生に花束を送ることになった。「お礼の気持ちを表すために(为了…)、見たことのないほ ど大きなのを送ろう」と私たちは話し合った。しかし、小学生のお小遣い(零钱)の中から集まったお金は少しだけだった。それで、私たちはどきどき(忐忑不安…)しながら、「大好きな先生にあげるから、できるだけ(尽可能…)大きい花束を作ってください」とお願いした。おじさんは嫌な顔もしないで、とても大きなバラの花束を作ってくれた。
30 年以上もきれいな花束を作り続け、暖かい思い出を作ってくれたおじさんに、「ありがとう、お疲れ様でした。」と言いたい。
1.「店の思い出はそのまま子供のころの思い出と重なる」とあるが、それはどんな思い出ですか。A.私は小学校に入学した時に、この花屋が開店したこと |
B.小学校を卒業する時に、先生と一緒にこの花屋で花を買ったこと |
C.特別なことがある時には、よくこの店で花を買っていたこと |
D.おじさんが大好きだったので、よくこの店で花を買っていたこと |
A.お客さんが来たということ |
B.お金がないこと |
C.先生に花を買ってあげたということ |
D.母と一緒にお花を買っていたこと |
A.もうすぐ閉店する花屋のおじさんに、無理なお願いをするから |
B.嫌そうな顔をしているおじさんに、無理なお願いをするから |
C.お店に花があまりないのに、おじさんに無理なお願いをするから |
D.お金が少ししかないのに、おじさんに無理なお願いをするから |
A.小学校時代にとてもお世話になった先生へのお礼の気持ち |
B.よい思い出を作ってくれた花屋のおじさんへの感謝の気持ち |
C.大好きだった花屋さんが閉店するので、寂しいと思う |
D.近所の花屋さんが閉店したので、とても不便だと思う |
A.小学校に入る時、先生にきれいな花を送りました |
B.花屋さんのおじさんは大きな花束を作ってくれませんでした |
C.大好きだった花屋さんがこれからも開店しますので、とても楽しいです |
D.近所の花屋さんに暖かい思い出を作ってもらいました |
7 . 先週の土曜日の朝、健太君はバトル君と恵美さんと一緒にスーパーに行きました。りんごは 1 つ 100 円(日元)です。健太君は 5 つ買いました。バナナは2 本(根)で 150 円です。健太君は 6 本買いました。おにぎり(饭团)は 1 つ120 円です。バトル君は 3 つ買いました。お弁当は 1 つ 450 円です。買いませんでした。恵美さんはジュースを 6 本と鉛筆を 10 本買いました。1200 円でした。
午後 1 時に健太君はおばあさんの家に行きました。バトル君は恵美さんといっしよに映画館でおもしろい映画を見ました。2 人は 6 時半に家に帰り(回去)ました。
1.土曜日何人がいっしょにスーパーに行きましたか。A.1人 | B.2 人 | C.3 人 | D.4 人 |
A.バトル君と恵美さん | B.バトル君と健太君 |
C.健太君と恵美さん | D.わたしと恵美さん |
A.りんごとお弁当 | B.りんごとバナナ |
C.バナナとおにぎり | D.りんごとおにぎり |
A.250 円 | B.950 円 | C.1200 円 | D.1050 円 |
A.りんごとお弁当 | B.お弁当とおにぎり | C.おにぎり | D.お弁当 |
8 . はじめまして、明光中学校の1年生の李佳です。わたしは3人家族です。父、母、それにわたしです。父は銀行の課長です。母は明光小学校の数学の先生です。わたしは日本語の授業が好きです。日本語の先生は張先生です。わたしのクラスの人数は33人です。わたしの友達の名前は美奈です。美奈さんは2年生です。3年生ではありません。美奈さんは弟がいます。弟さんは明光小学校の4年生です。美奈さんは中国の歌がとても好きです。よく中国語の歌を歌います。
1.李佳さんは中学生ですか。2.李佳さんのお母さんは日本語の先生ですか。
3.李佳さんの日本語の先生は李先生ですか。
4.美奈さんは何年生ですか。
5.美奈さんは何が好きですか。
9 . 小学校を卒業する時、近所のおばさんが「お祝いにプリン(布丁)かゼリー(果冻)かどちらがいい?」と私に聞きました。「じゃあ、プリンがいいです」と言ったら、次の日に①特大のプリンを持ってきました。
また、私の家の隣に住んでいる90代のおばあさんは、母の帰りが遅かった時に電話で、「家に残り物があるから、家までちょっと取りに来て」と言いました。②その家に行くと、天ぷらや赤飯(糯米赤豆饭)などをたくさんくれました。
( ③ )おばあさんは、いつも私が出かける時に、「おはよう」と挨拶をして、「今日は暑いね」とか、「今日は学校があるの?」など、声をかけてくれます。④そういった時に、暖かい心に触れた気がします。
暖かい心は、別に人にあげる物だけに限ったことではありません。日常生活の中にでもあるのです。「暖かい心に触れること」ができた人は、人に対して暖かい心で接することができると思います。
1.文中に①「特大のプリンを持ってきました」とあるが、プリンを持ってきたのは誰ですか。A.隣のおばあさん | B.学校の先生 |
C.近所のおばさん | D.母 |
A.私の家 | B.おばあさんの家 |
C.近所のおばさんの家 | D.学校の先生の家 |
A.その | B.この | C.あんな | D.それ |
A.学校に行く時 | B.天気が暑い時 |
C.おばあさんが声をかけてくれた時 | D.母の帰りが遅かった時 |
A.挨拶は日常生活で大切なことです。 |
B.近所の人と仲良くしたほうがいいです。 |
C.人に物をあげると、暖かい心に触れることができます。 |
D.日常生活で人に暖かい心で接することが大切です。 |
10 . はじめまして、明光中学校の1年生の李佳です。わたしの家族は3人います。父、母、それにわたしです。父は銀行の職員です。母は明光小学校の数学の先生です。わたしは日本語の授業が好きです。日本語の先生は張先生です。わたしのクラスには33人います。日本人の生徒が1人います。名前は美奈です。美奈さんは弟がいます。弟さんは明光小学校の4年生です。美奈さんは中国の歌がとても好きです。よく中国語の歌を歌います。
1.李佳さんは中学生ですか。2.李佳さんのお母さんは日本語の先生ですか。
3.李佳さんのクラスに何人いますか。
4.美奈さんは何年生ですか。
5.美奈さんは何が好きですか。