1 . 昔から「親の心、子知らず」、「親に 1 (なる)初めて親の 2 (ありがたい)がわかる」などと言われています。確かにそのとおりだと思います。
先日、娘に「お母さんなんて、大嫌い。私のこと、何もわかってないくせに」と 3 」(言う)しまいました。私は、いつも娘のことを思って、大切に育ててきたつもりです。
ですから、そのときはとてもショックで、「この子は親のきもちなど、何もわからないんだな」と、本当に 4 (悲しい)なりました。
でも、よく考えてみると、「子の心、親知らず」ということもある 5 ではないかと思いました。私自身、子どもの頃、「どうして親は私のことをわかってくれないんだろう。私の話を聞いてくれないんだろう」と思っていたことを思い出したのです。
親になった私は、知らず知らずのうちに、娘の話を聞かずに「これを 6 (する)ほうがいい」「これはしないほうがいい」と私が決めていたような気がします。私 7 産んだからといって、娘は「もう一人の私」ではありません。私とは違って、一人の人間であることを忘れていたよう 8 思って、娘に 9 (謝)りました。そして、これからはもっと娘の話を聞くと 10 (約束)しました。それ以来、娘とはお互いに以前よりわかり合えるようになれたと思います。
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2 . 今年の年賀状に偶然、ウオーキングについて言ったものが2通あった。「昨年ウオーキングに挫折してしまった」というものと、「今年は早朝ウオーキングに励みたい」と決意を語ったものだ。
もちろんこの「ウオーキングはただ散歩ではなく、健康のための運動だ。しかし、続けるのはそれほど簡単ではない。もともと人類が歩行するのは、そこに移動という目的があったからだ。移動が目的であり、歩行は手段にすぎなかったとも言える。だからこそ車や通信システムなどの道具が生み出されたのだ。それでは体が弱るので、今になって人はしかたなくウオーキングするのである。①ここのところが、辛い!
だって人類文明は、怠惰な暮らしを追求することで発達してきたのだから。何事も楽して達成できるように道具を生み出し、技術を発展させてきた末に、今この現代社会が存在する。しかしとうとう、どう工夫してもいかなくなったのだなあ、人間の体のほうがね。
ウオーキングのような単調な運動は、どんな激しいスポーツよりも、②競けることがむずかしい行為だ。勝ち負けや記録といった競争原理は働かないし、他人の賞贊を得られるわけでもない。健康やシェイブアップ(塑形)のためと信じて、黙々と行うしかない。第一、文明を発達させてきた原理にも逆行する③反文明的行為でもある。
それを貫徹できるのは結局、強い自己愛なのだろう。自己愛もまた文明を発達させる大切な原動力だった、と思う。そう考えれば、毎日欠かさずウオーキングする人々は④やっぱり偉い、と私は応援をしたくなってしまうのです。1.①ここのところとはどんなところか。
A.移動の手段として歩行を使いたくないから文明を発達させるのに、結局、歩行をしなければならないというところ。 |
B.歩行はもともと移動という目的を達成するための手段であったのに、今では歩行自体が目的になっているというところ。 |
C.健康のために歩行以外の移動手段を生み出したのに、そのせいでかえって身体が弱ってしまったというところ。 |
D.人類は長い間怠惰な暮らしを続けてきたのに、現代になってからわざわざ運動しなければならないというところ。 |
A.文明に反する行為だから。 | B.歩行は手段にすぎないから。 |
C.人間は怠惰なものだから。 | D.動機を高める要因が少ないから。 |
A.ウオーキングは自然との調和を求める行為だから。 |
B.人類文明の発展は怠惰な暮らしを追求することにある。 |
C.ウオーキングには高度な技術が必要だから。 |
D.文明社会では運動は必要ないとされているから。 |
A.文明に反する怠惰な習慣を克服しただけでなく、自己愛の原理で文明を発達させるために力を尽くしているから。 |
B.技術を発展させるだけでなく、強い自己愛で自分を高めるという二つの原理で文明を発展させる力になっているから。 |
C.反文明的なことを続けるのは自己愛からだが、結局、自己愛もまた文明を発達させる別の原動力になっているから。 |
D.強い自己愛を捨てて難しいことを続けているだけでなく、文明を発達させる大切な原動力になっているから。 |
A.批判 | B.無関心 | C.辛い | D.応援したいという気持ち |
3 . 私たちの身の回りを見ると、物が溢れている。…… 次々と新しい物が登場してきて、「素晴らしい文明社会」といってよいだろう。
それでは、私たちは満足しているかと言うと、そうでもない。もちろん、人間は欲深いから、どんなに豊富な物に囲まれても、まだまだ欲しいという面もあるが、今の不満は量や新奇なものをほしがるのとは少し違う。
たとえば、今では当たり前のことになったが、冬でもトマトやキュウリが出まわっている。①トマトが手に入るのは、お料理をする人間としては嬉しいことである。
でも、私たちは、トマトが実をつけるには、かなりの温度と充分な太陽光が必要だということを知っている。だから、冬のトマトは、石油を燃やして温室で作っていることが分かっているので、②「本物」の気がせず、ありがたいと思う一方、なんだか不満である。
台所の中にはプラスチック製品がたくさんある。色とりどり(各种各样)で、きれいで、割れなくて便利であるが、これもどこか「本物」でない気がする。(中略)
これまでに「本物」という言葉を使ってきたが、それでは本物とは何かということになる。こう考えると難しいが、その一つに自然をうまく利用しているもの、自然とうまく溶け合うものの場合、何となく安心感があると言えるのではないだろうか。
バイオテクノロジー(生物技術)は、③そのような願望を実現しようとする技術である。
私たち人間は、暮らしていくために食べ物、衣服、住居を必要とする。それらを何から作るか。食べ物はもちろん植物や動物、魚など、そのほとんどが生き物である。衣服も、麻や綿、毛織物に絹とすべて生物由来のものであった。住居さえ、日本の場合木や草、紙を使ってきたから、これも生物を利用してきたというわけである。
このような生物依存の生活、ついこの間まで(三、四十年前であるが、それは人類の歴史の中では「この間」である)そうでした。近年、石油を材料にしたプラスチックが生まれ、合成繊維が安価で大量に生産され、化学肥料が合成されるようになり、④私たちの生活は急速に生物離れた。そのために、最初に書いたような豊かさが生まれたのは確かである。
けれども、生物離れしたためのマイナスも少なくない。それが、やはり自然とうまくマッチした(协调)形で、できれば生物をもう少し上手に利用したほうがよいのではないかと言う気持ちを生んだわけである。⑤もう一度生物技術を見直そうと言うことである。
1.①「トマト」は日本では夏の野菜だが、今は冬でも手に入る。そのことを筆者はどう考えているか。A.冬のトマトはおいしいので、もっと多く作るべきだ。 |
B.冬のトマトは、ありがたいけれども、不満も感じる。 |
C.冬でもトマトが作れるのは、文明の進歩のおかげだ。 |
D.冬にトマトを作るのは不自然だから、やめた方がよい。 |
A.冬のトマトは工場で作られた化学肥料で育てるから |
B.冬のトマトは色は赤くてきれいだが、まずいから |
C.冬のトマトは低い温度の中で育ち、形が悪いから |
D.冬のトマトは温室の中で石油を燃やして作るから |
A.自然を利用し、自然と溶け合い安心感を得ること |
B.冬でもトマトが豊富に食べられるようにすること |
C.プラスチック製品などをより多く生産すること |
D.本物とは何かということを明らかにすること |
A.室内でビデオなどを楽しむことが増え、自然に接する機会が減ること。 |
B.人間の暮らしがコンピュータに囲まれ、他の人と話せなくなること。 |
C.住居が狭くなって、自分の家で動物や植物が育てられなくなること。 |
D.石油などから作られた物が増え、生物をあまり利用しなくなること。 |
A.天然資源が不足し、繊維を合成する必要が生じたから |
B.自然から離れたため、いろいろな問題が生じたから |
C.冬にトマトを食べるような生活は、ぜいたくだから |
D.自然を上手に利用して生産をもっと増やしたいから |
4 . 人は睡眠中に、極浅い眠り、浅い眠り、中くらいの眠り、深い眠りの四段落の眠りをします。この眠りをノンレム睡眠(深度睡眠)と言いますが、ノンレム睡眠の次にもう一つの眠りがきます。これが、レム睡眠(快速眼动睡眠)です。七〜八時間の睡眠のうち、ノンレム睡眠とレム睡眠を何回か繰り返しますが、 ① 夢を見るのはレム睡眠のときだけです。
② のときにはいつでも夢を見ていますが、その夢を覚えているのは、夢を見た後約8分だけだそうです。この間に目が覚めれば覚えているのですが、そのまま眠り続けてしまえば、夢を見たことすら忘れてしまいます。だから、ぐっすり熟睡して浅い眠りから深い眠りへすぐ移行してしまうと、夢はあまり見ません。
また、 ③ が長くなると夢を見ている時間が長くなります。眠る時間が長ければレム睡眠の長さも延びますが、同じ時間寝ていても、強いストレス(精神压力)を受けているときのほうがレム睡眠が長くなるそうです。 ④ 、ストレスを受けているときにはウツウツ(忧郁的样子)としてよく眠れず、目が覚めやすいということもあります。そういえば、テストの前とか仕事がうまくいかないときとか、叱られたときとか、嫌なことがあったときによく夢を見たなど、思い当たりませんか。
アメリカで行なわれた実験でも、 ⑤ 夢をあまり見ない人というのは、楽天的で自我があまり強くない人という結果が出ているそうです。何も考えないで、バタンキュー(倒下就睡)と眠ってしまうのが、最上の眠りのようです。
1.①夢を見るのはどんなときか。A.レム睡眠のとき | B.ノンレム睡眠のとき |
C.深い眠りのとき | D.7〜8時間寝たとき |
A.②ノンレム睡眠 ③レム睡眠 |
B.②ノンレム睡眠 ③ノンレム睡眠 |
C.②レ厶睡眠 ③レム睡眠 |
D.②レ厶睡眠 ③ノンレム睡眠 |
A.それに | B.しかし | C.それでは | D.だから |
A.睡眠時間が長い人。 | B.睡眠時間が短い人。 |
C.いろいろなことに悩む人。 | D.いろいろなことに悩まない人。 |
A.ストレスの多い人ほどレム睡眠が短い。 |
B.ストレスの多い人ほど睡眠時間が長い。 |
C.ストレスの多い人ほど睡眠時間が短い。 |
D.ストレスの多い人ほどよく夢を見る。 |
そう言われたら、実は困ってしまう人がけっこう多いんじゃないだろうか。
家を買って、車を買って、海外旅行して…。そんな小さいことを考えていたら、10 億円は使いきれない。個人が 10 億円使うというのは、実は大変なことだ。
「10 億円あったら…」といつも考えながら、夢を描いてみたらどうだろう。
何と言っても、10 億円を手にするなど想像したこともないから、最初は現実感がないだろう。( ア )、じっと考えていると、心の奥底にしまっていた本当にやりたいことが見えてくるはずだ。それがあたなの夢だ。
「いくら夢を描いても、実際には 10 億円も稼げないんだから、仕方ない。」
あたなはそう考えるだろうか。それは違う。確かに 10 億円稼ぐ(挣钱)のは不可能かも知れない。けれども、10 億円の夢を描けば、10 億円を手にすることは可能なのだ。
それは、あなたの夢に賛成する人が現れるからだ。夢に向かっていくあなたの真面目で一生懸命な姿勢に賛成して「お金を出そう」と言い出す人もいるかも知れない。「一緒にやろう」と協力を申し出る人もいるかも知れない。夢とは、そのぐらい価値があり、人を動かすことができるものなのだ。
大切なのは、10 億円を稼ぐ人間になることではなく、10 億円分の夢を描くことだ。そして、その大きい夢にふさわしい(适合)だけの大きい人間になっておくことだ。
1.文中の「けっこう多いんじゃないだろうか」に合うのはどれか。A.あまり多くない。 | B.とても多い。 | C.あまり少なくない。 | D.とても少ない。 |
2.文中の( ア )に入れるのに最も適当なものはどれか。
A.しかし | B.そして | C.それで | D.例えば |
3.「本当にやりたいことが見えてくるはずだ」とあるが、どうすれば見えてくるか。
A.10 億円よりも想像しやすい金額から夢を考え始める。 |
B.10 億円を使い切るには、どうすればいいかを考える。 |
C.10 億円があれば実現できることを常に考える。 |
D.10 億円を稼いだ自分の姿を想像し続ける。 |
4.「10 億円の夢を描けば、10 億円を手にすることは可能なのだ」とあるが、その理由は何か。
A.10 億円の稼ぎ方を教えてくれる人が現れるかも知れないから |
B.10 億円を稼ぐための具体的な行動を起こせるかも知れないから |
C.夢を実現するうえで、誰が必要か分かるようになるかも知れないから |
D.夢の実現を助けてくれる人が現れるかも知れないから |
5.この文章で筆者が最も言いたいことはどれか。
A.大きい夢を描いて、その夢にふさわしい人間になることが大切だ。 |
B.大きい夢を描いて、努力によってその夢を実現することが大切だ。 |
C.大きい人間になることで、大きい夢を描くことができるようになる。 |
D.大きい人間になれるかどうかは、大きい夢が描けるかどうかで決まる。 |
6 . クロ一ン人間とは全く自分と同じ人間のことを言います。実際そのような人間が存在するのかというと、今のところあり得ません。ところが、遺伝子の研究が進むにつれてクロ一ン人間を作ることはできるのではないかと考えられるようになりました。2050 年までにはクロ一ン人間を作る技術は確立すると思われます。けれど、クロ一ン人間を作ることは許されるでしょうか。決して許されるものではないと思います。それは人間の価値が変化してしまうからです。というのは、今では人間一人一人には、名前が付いていて、それで個人を判断しているわけですが、クロ一ン人間の存在を認めるとそれではいけなくなるからです。つまり、その一人一人の持っている遺伝子で個人を見分けることになってしまうからです。つまり、個人を見分けるとき大切なのは、遺伝子であり、その人間ではないのだということになってしまうのです。そうなると、人間は単なる遺伝子の乗り物にすぎません。「愛」が大切だと言っても、すべて分子の固まりでしかない、遺伝子に還元されてしまうのです。
1.「そのような人間」はどんな人間か。A.クロ一ン人間 | B.遺伝子の研究者 |
C.「愛」を大切にする人間 | D.人間をクロ一ンする人間 |
A.クローン人間を作ること | B.名前で人を判断すること |
C.人間の価値が変化すること | D.遺伝子で個人を見分けること |
A.交通機関 | B.人を乗せてあるところまで運ぶもの |
C.道路 | D.遺伝子を乗せてあるところまで運ぶもの |
A.今のところ、許されない。 | B.科学研究としたら許される。 |
C.いつまでも許されない。 | D.2050 年に許される。 |
A.遺伝子で一人一人を判別するのはもっともいい方法だ。 |
B.クロ一ン人間存在を認めても名前で個人を判断することもできる。 |
C.今の人間は遺伝子の乗り物だ。 |
D.将来、人間をクロ一ンする技術は確立できる。 |