1 . 中国において焼餅(シャオビン)は、多くの人に愛されている伝統的な軽食で、そこには地域の文化や歴史が込められている。地域( ア )、シャオビンの作り方や味、風味などが違うという特徴があり、そのような違いは、現地の人々の生活習慣や飲食文化を反映しており、いずれも重要なご当地グルメにもなっている。
では、中国の「シャオビン」にはどれくらいの種類があるのだろうか?
北方エリアでは朝食としてシャオビンを食べることも多い。表面はサクサク、中はしっとりした食感 で、こんがりとした(烤得恰到好处)焼き色は人々の食欲をそそる。また、西北エリアの「羊肉焼餅」は、とても香ばしく、羊肉のうまみが口の中で広がることで知られている。
( イ )、南方エリアでは、江蘇省南京のダックの油を使って作られた「鴨油酥焼餅」が有名だ。こんがりと焼き上げられた表面はサクサクとした食感で、なんとも香ばしい。同じく江蘇省の揚州市の名物である「草爐焼餅」も、南方エリアのシャオビンの「筆頭格」と言える。稲や麦のワラ(秆)を燃やして焼き上げられているため、独特の香ばしさを漂わせ、ちょっとした甘さを感じられる。浙江省麗水市縉雲県の伝統的な軽食である「縉雲焼餅」は主に豚肉と縉雲菜干を具にしたシャオビンで、現在、世界でも販売されるようになり、カナダやイタリア・ミラノでも店舗が展開されるようになっている。
このように中国全土には実に様々なシャオビンがあり、どのシャオビンにも地域の特徴が見られ、独特のおいしさがある。
1.文中の( ア )に入れるのに最も適当なものはどれか。A.にとって | B.に対して | C.によって | D.に従って |
A.一方 | B.それで | C.しかし | D.しかも |
A.「羊肉焼餅」と「鴨油酥焼餅」 | B.「鴨油酥焼餅」と「草爐焼餅」 |
C.「草爐焼餅」と「縉雲焼餅」 | D.「羊肉焼餅」と「縉雲焼餅」 |
A.「羊肉焼餅」は羊の肉を使って作られたのだ |
B.「鴨油酥焼餅」はダックの油を使って作られたのだ |
C.「縉雲焼餅」は豚肉を使って作られたのだ |
D.「草爐焼餅」は石炭を燃やして焼き上げられたのだ |
A.北方エリアも南方エリアもシャオビンが美味しいであること |
B.「草爐焼餅」は南方エリアのシャオビンの「筆頭格」であること |
C.「縉雲焼餅」は全世界で人気があること |
D.中国全土において、どのシャオビンにも地域の特徴と独特のおいしさがあること |
2 . 正しい仕事の任せ方というのは、一体どのようなものだろうか。
理想的なのは、部下の実力より少し上のレベルの仕事——部下が何とか自分の力で判断・実行することができ、時には小さな失敗を招くであろうレベルの仕事を任せることだ。
そういう仕事を段階的にレベルを上げながら与えていくことで、部下は着実には仕事力を磨いていくのだ。
ところが、そのような仕事を部下に与えたとしても、日本の会社では、「ホウ・レン・ソウ」(報告·連絡·相談)などといって、上司がいちいち部下の仕事に干渉しがちだ。そして結局は、部下に自分の力でハードルを乗り越えさせないことが多い。
( ア )、あるプレゼン資料を部下に作らせるとする。日本の会社の多くの上司は、全体像を示さず、ただ「こういうものを作れ」 と部下に曖昧に命じ、持ってこさせる。そして、「ここをこう直せ」と要求し、部下はその意図が分からないまま上司の指示通りに修正する。そんなことを何度も繰り返す。その結果、部下に身につくのは、エクセル(Excel)やらパワーポイント(ppt)の操作法だけということになる。これでは、レベルの高いプレゼン資料を自分で考え、つり上げる力はつかないだろう。
そうではなく、「この資料は、こういう目的で、こういう相手に対して、このように説得するために使用すべきだ。」その上で、見本を見せて、後は部下の創意工夫に任せ、部下に最善だと思う資料ができるまで口出しはしないことだ。
結果的に出来上がるものが、上司の想定するものと違うこともあるだろう。しかし、その資料を作る意図、全体像がつかめていれば、なぜいけないのか、どこが悪いのか、どう修正すればよくなるのかが分かるし、上司からの修正指示に納得もできるし、学ぶこともできる。
部下は、「いや、そういう目的なら、 自分だったらこうするけどな……」 と思うかもしれない。それならそれでいいのだ。そういうことを積み重ねながら、最終的には、部下は自分なりの仕事のやり方を確立していくはずだ。上司では考えられなかったようなレベルの高い資料を作ることも、いずれ(总有一天)はあるかもしれない。
1.文中に「正しい仕事の任せ方」とあるが、それは何を指すか。A.部下の実力以下の仕事を任せること |
B.部下の実力より少し難しい仕事を任せること |
C.部下にいちいち指導をしながら、仕事をさせること |
D.部下に援助をせずに、一人で全てをさせること |
A.ところで | B.すなわち | C.たとえば | D.ところが |
A.上司の命令が曖昧で、部下が意図が分からないままで仕事をすること |
B.部下にofficeツールの使い方しか教えないこと |
C.部下に正しい仕事の仕方を教えること |
D.部下が上司の命令もよく聞かずに盲目に仕事をすること |
A.部下からの資料が不合格なら、修正指示を出さないで、部下に自分で考えさせる。 |
B.部下からの資料が不合格でも、できるだけ褒めてあげる。それから自分で修正する。 |
C.部下に資料を作らせる時、見本を見せて、自分の考え方、創意などを教える。 |
D.部下に資料を作らせる時、資料の使い方、読む相手、目的などを詳しく説明する。 |
A.部下に干渉しすぎると、部下の成長に良くない。 |
B.部下にいい指導をやるなら、いずれ部下は上司を超える。 |
C.日々の積み重ねによって、部下は自分で正しい仕事のやり方を探し出せる。 |
D.上司からの指導が多いと、部下が文句があるかもしれない。 |
3 . 夢に本屋が出てきたことがある。書棚で何かを探しているのだが、( ア ) は昔故郷にあった小さな店なのだ。子供の頃から通っている。漫画雑誌の発売日に駆け込んでいた。文庫本の棚では好きな作家のおもしろさに出会った。
自分の中では、本屋の原型なのかもしれない。これからの子供たちには縁のない話になるだろうか。身の周りから書店がどんどん消えている。小さな街でも。そして大都市でも。
東京の赤坂駅周辺にいくつかあった一般書店が、全てなくなった。文教堂赤坂店では、店の前に従業員一同の名で紙が張り出されたという。「書店という事態は世の中に街に必要とされなくなっているのだろうか?」
インターネット通販は確かに便利だ。それでも書店に入るのは自分の感心を広げてくれる気がするからだ。書店員の「お薦め」に、こだわりを感じることがある。ネット通販の「あなたへのお薦め」では会えない本がある。
西曆79年、火山の噴火で滅びた古代ローマのポンペイ(庞贝) には、すでにこんな本屋があった。白く塗った壁に赤い文字がある。書かれているのは新作の発売日だったり、最新の翻訳版のお知らせだったりだ。
大げさに言えば、書店は人類の文明とともにあるのだろう。私たちの代で失われてしまうなんて絶対あり得ない。そう断言する自信が持てなくなるほどの書店消失が続いている。
1.文中の ( ア ) に入れるのに適当なのはどれか。A.ここ | B.そこ | C.あそこ | D.どこ |
A.今の書店では漫画雑誌などが少ないから |
B.書店より、今ネットで本を買うほうが人気があるから |
C.故郷では、書店はもうすべてなくなったから |
D.身の回りの書店はどんどん消えていくから |
A.書店がとても便利だから | B.書店は文化の証だから |
C.書店では感心を広げてくれるから | D.書店でこだわりが感じられるから |
A.それは世界初の書店だ。 | B.それは今の書店と似ている所がある。 |
C.それは火災でなくなった。 | D.そこの本は壁に書かれている。 |
A.書店は人類の文明そのものだ。 |
B.書店の価値は今もう消えてしまった。 |
C.書店の消失は残念なことだ。 |
D.書店は私たちの代で失う。 |
4 . 日本人は「友達からサッカーの試合の切符をもらったんだが、あしたいっしょに行かない?」と友達が誘う時、「あしたはちょっと・・・。」などと言って、よく曖昧に断る。これは「明日はちょっと用事があって、行くことができない。」という意味だ。相手の気持ちを傷つけないようにするために、「いいえ」とはっきり言わないのだ。
図書館で大きな声で話している人に「すみませんが、ちょっと声が・・・。」と言うなど、何か相手によくないことを言うときに最後まで言わないことがある。これも相手を傷つけないようにしたいという思いやる気持ちからだ。
( ア )、日本人は家族のことをあまり褒めない。だれかが自分の子どものことを「お子さんはよく勉強するね。」と言って、「いいえ、全然勉強しないんだよ。」と答える人が多い。これは自分や自分の家族を低くすることによって、相手の地位を高くして尊敬したいという考え方があるからだ。
日本ではこんな表現で相手を思いやることによって、人間関係をよくする( イ )。
1.「ちょっと声が・・・」はどういう意味か。A.ちょっと声が大きいです。 | B.ちょっと声が聞こえません。 |
C.ちょっと声が出ません。 | D.ちょっと声が聞こえます。 |
A.それから | B.ところが | C.でも | D.だから |
A.家族のことをよく思っていないから。 | B.相手を尊重したいから。 |
C.自分の地位が低いと思っているから。 | D.自分の家族を尊敬しているから。 |
A.ことができる | B.ことだ | C.ことがある | D.ことがいい |
A.日本人は相手を傷つけることを言わない。 |
B.日本人は相手との関係が壊れたり、相手が傷ついたりしないように、曖昧な表現を使う。 |
C.日本人は最後まで言いたくないときは途中まで言う。 |
D.外国でははっきり言いたいことを表現するので、人を傷つける。 |
5 . 皆さんは、説明をしたり、意見や考えを述べたりした時、「えっ、何ですか。」「何と言ったんですか。」などと、友違から言葉を挟まれたことはありませんか。周りからそう言われると、ますます自分のべースを乱され、ついにはしどろもどろ(语无伦次,前言不搭后语)、大汗をかいて終わるという苦い体験をした人は少なくないでしょう。これは、声量の不足、(①)声が小さすぎるのかもしれませんが、実際にはそうではなくて、話し方が速すぎるか遅すぎるかによることが多いのです。話は、速さによって聞き取りにくくも、聞き取りやすくもなります。
では、いちばん聞きやすい速さとはどれくちいでしょうか。それは1分間に300字が基準です。これは長い間の放送の経験を通じての結論です。時計の秒針を見ながら、②次の文章を声に出して読んでみましょう。
続いて気象情報です。(中略)
あさってからは、暖かい日と寒い日が交互に現れるようになるでしょう。
まずは、この約300字の文章を1分間で読む練習をしてください。そして、この速さの感じをつかんでください。ただ、それだけではいい話し方はできません。人の話には、起承転結があり、緩急があり、強弱があります。重要な部分の話はゆっくり、そうでない所は速くなるのが普通です。言い換えると、人の話には「③話の表情」があるということです。淡々と1分間に300字の速さで話せば、それは「無表情」だということです。無表情の人に魅力がないのと同じように、「無表情」の話し方では、分かりやすい、聞きやすい、理解しやすい話にはなりません。話の内容に合った「表情」が必要なのです。ですから、④1分間に300字という速さは土台だと考えてください。この速さで話せる土台(基础)があれば、だんだんと「話の表情」を豊かにし、⑤魅力的な話し方ができるようになります。
これから皆さんは、聞き手によく分かる、魅力的な話し方ができるように工夫していきましょう。
(川上裕之『話し方はどうかな』により改)
1.文中の(①)に入る最も適当な言葉はどれか。A.つまり | B.そして | C.例えば | D.それで |
A.声の大きさ | B.声の表情 | C.読む姿勢 | D.読む速さ |
A.1分間に300字の速さで声を出して文章を読むこと。 |
B.淡々と1分間に300字の速さで話すこと。 |
C.重要な部分の話はゆっくり、そうでないところは速くなること。 |
D.人の話には、起承転結があり、また、重要な部分とそうでない部分があること。 |
A.その速さが基準なのだからきちんと守ってほしいという意味 |
B.その速さを基本にして話し方の工夫をしてほしいという意味 |
C.その速さは一例であるから各自の個性で話してほしいという意味 |
D.その速さは標準だからもっと速く話せるようにしてほしいという意味 |
A.ずっと一定の調子で話す。 |
B.1分間に300 字の速さを心がけて話す。 |
C.話の内容に合わせて緩急や強弱をつけて話す。 |
D.重要な部分に差しかかったら速さを落とす。 |
6 . 日本は過去において「ものづくり大国」と言われ、自動車や家電などの「メイドインジャパン(Made in JAPAN)」の表示が高品質の象徴として世界中に知れ渡った。しかし、それは過去の栄光だと言っても過言ではない。今では、①「メイドインジャパン」は影が薄くなってしまった。
日本人は、勤勉さや研究熱心さを特長として、欧米の先進的な工業製品に学びながら、ものづくりを進めてきた。その発展を支えたのは教育である。日本には、江戸時代から寺子屋というシステムがあり、明治の文明開化期にダイナミックな社会の変化を遂げる土台となった。(②)、100年後の科学技術立国へと続いていった。
ところが、その日本で最近、子どもたちの理科に対する興味や関心が低くなっており、いわゆる「理科離れ」が社会的問題として指摘されている。早く(③)解決策を見つけ出さなければならない。このままでは日本の研究開発力はますます低下してしまう。
私は民間の力を活用すべきだと考える。子どもが理科を好きになるか嫌いになるかには、小学校、中学校で教える先生の影響も大きい。自ら理科にやりがいを感じている人が教えることが大切だ。日本には世界に誇るべきものづくりの企業が多くある。それらの企業が、若いエンジニアを理科の先生として派遣するシステムができないだろうか。ものづくりの第一線で活躍しているエンジニアによる生きた授業が、子どもたちの興味を大いに刺激することは間違いないだろう。
これには下敷きがある。以前、あるシンポジウムで、ノーベル物理学賞を受賞されている小柴昌俊氏が「理科をやつている大学院生に自分の出身中学で、ある期間教えさせ、その代わりに、奨学金の返還を免除してやればいい。カナダなどではそうやっており、子どもの理科離れなんてない。」と語るのを聞いて考えた。
(滝久雄「あすへの話題」日本経済新聞2011年5月12日付より改)
1.文中に「①『メイドインジャパン』は影が薄くなってしまった」とあるが、その意味に近いのはどれか。A.日本のものづくりを担う人々が少なくなってしまった。 |
B.理科に興味や関心がある子どもたちが少なくなってきた。 |
C.「メイドインジャパン」の製品の価格が下がってきた。 |
D.日本のものづくりが以前の「輝き」を失ってしまった。 |
A.そして | B.それとも | C.けれども | D.なのに |
A.そのような | B.その | C.あのような | D.あの |
A.小学校や中学校で教えている先生こそ理科にもっと興味を持つべきだ。 |
B.現場で活躍中のエンジニアが授業をすれば、生徒たちは理科に興味を示すだろう。 |
C.日本では、理科系の大学院生が出身中学で教えると奨学金の返還が免除される。 |
D.たくさんの日本企業が若いエンジニアを理科の先生としてすでに派遣している。 |
A.ものづくり世界一 | B.科学技術立国、日本 | C.生徒の理科離れ | D.理科の先生の育て方 |
7 . 気候の特性は、人がみずから自覚している以上にわれわれの体験の深みにからみ合っているものである。植物でさえも顕著に①それを示している。
日本においてわれわれが見る新緑は、春をまちかねた心が鮮やかな新芽の色を心ゆくばかり見まもる暇もないほど迅速に、伸び育ち色を増す。柳が芽をふいたと気づいてから②それが青々と繁りだすまでは、実にあわただしいと思うほど早い。
しかるにヨーロッパの新緑はちょうど③時計の針を見まもるような感じを与える。新芽は育っているに相違ないし、一月たてばかなり変わりもするが、決してわれわれの胸を打つような変化を示さない。④紅葉もまたそうである。八月にはもう黄ばんだ葉がからからと音をさせている。しかし、艶のない黒ずんだ緑は相変わらず陰鬱に立っている。そうして、いつ変わるともなく緑の色が徐徐に褪せて弱弱しい黄色に変わっていく。十月下旬にあらゆる落葉樹の葉が黄色になるまでのあいだ、かつてわれわれの目を見はらせるということがない。夜の間の気温の激変で初霜がおり、一夜のあいだに樹の葉が色づくというようなあの鮮やかな変化は決して見られない。
植物におけるこのような人の中に身を置いたとき、われわれ自身がいかにはなはだしく気分の細やかな変化を必要とする人間であるかに驚かざるを得なかった。単調になれたヨーロッパ人はちょうど樹の芽が落ち着いていると同じように落ち着いている。ヨーロッパ人のうちで最も興奮性に富むと言われるイタリア人ですら、その言葉の抑揚や身振りが変化に富んでいるほどにはけっして気分の細かな変化を求めない。もとより⑤この落ち着きは、偉い禅僧が獲得しているであろうような、根深い人格的な落ち着きではない。ただ気分の単調に憧れているというだけの、いわば気分の持続性である。それに比してわれわれは、夏の日に蝉の声を聞かず秋になっても虫の音を聞かぬというようなことにさえ著しく寂しさを感じるほどに、日常生活にさまざまの濃淡陰影を必要とする。
ヨーロッパの近代文明を忠実に移植している日本人が、衣食住においては結局充分な欧化をなし得ず、着物や米飯や畳に依然として執着しているということは、それが季節や朝夕に応じて最もよく気分の変化を現し得るという理由にもとづくのてはないであろうか。
(和辻哲郎「風土」による)
1.①「それ」とは何を指すか。A.気候の特性 |
B.人がみずから自覚していること |
C.われわれの体験 |
D.気候はわれわれの体験に深くからみ合っていること |
A.新緑 | B.柳の芽 | C.新芽の色 | D.春 |
A.ヨーロッパの新緑は早く緑になること |
B.ヨーロッパの新緑はいつ緑になるかわらないこと |
C.ヨーロッパの新緑は一月たてばかなり変わりもすること |
D.ヨーロッパの新緑は育っていることが、われわれの胸を打つような変化を示さないこと |
A.新緑と同じく、早く黄色になっていく |
B.新緑と同じく、一月たてばかなり変わりもする。 |
C.新緑と同じく、決してわれわれの胸を打つような変化を示さない |
D.新緑と同じく、時計の針を見まもるような感じを与える。 |
A.ヨーロッパ人の落ち着き |
B.イタリア人の落ち着き |
C.日本人の落ち着き |
D.われわれの落ち着き |
8 . 日本は1950年代後半から経済の成長が著しく、供給がどんどん増加し、国民一人あたりの所得も上がってきました。この時期を境にして、需要と供給のバランスが逆転しました。現在の日本は完全に供給が過剰になり、需要が不足している時代です。
ものを作る企業はこういうときにどうするでしょうか。なんとか買ってもらって、利益を生み出さなければなりません。他の企業に負けないで自分たちの作った商品を買ってもらうためには、他と違うこと、いわゆる差別化をしなければいけません。
( ア )宣伝が必要になります。新聞の折り込み広告、ダイレクトメール(邮送广告)、テレビといったメディアから毎日送られてくるコマーシャルを見るとわかります。コマーシャルを熱心にする商品ほど消費者の取り合い(争夺)が激しい商品と言ってよいでしょう。
供給過剰状態を解消するには、需要を作り出せばよいわけです。普通の状態では消費者が100のものを消費するところを、いろいろな工夫によって120とか150とか、場合によっては200も300も消費者が使うように仕向けます(促使)。あるいは10年間使えるものを、2年、3年で新しいものに買い替えたいと思うようにもっていきます。こうして消費者が買った商品がいずれごみになるわけですから、ものを作ること、売ること、そして買うこと、使うことはごみを出すことになります。供給過剰を解消しようとする経済活動がそのままごみを増やす行為になっているわけです。
(中略)
供給に対し、需要を増やそうとして実際それに成功しているのは生産者です。ごみを増やす主導権を取っているのは消費者ではなく生産者と言えるでしょう。
1.文中に「こういうとき」とあるが、どういうときか。A.生産が多すぎて、消費が少ないとき |
B.生産が少なすぎて、消費が多いとき |
C.生産も消費も多すぎるとき |
D.生産も消費も少なすぎるとき |
A.他の企業に負けないようにすること |
B.他の企業の商品を軽く見て悪口を言うこと |
C.他の企業の商品との違いを出すこと |
D.他の企業の商品を買わせないこと |
A.それに | B.さて | C.なぜなら | D.そこで |
A.他の企業に商品に勝つには、宣伝が必要であること |
B.メディアから毎日コマーシャルが送られてくること |
C.企業は利益を生み出さなければならないこと |
D.日本は需要と供給のバランスが逆転していること |
A.消費者がものを長く使う行為 | B.企業が供給を作り出す行為 |
C.企業が需要を作り出す行為 | D.消費者が供給を工夫する行為 |
9 . 組織内にチームワーク意識(团队意识)を浸透させるためには、会議やミーティング、個々のメンバーとのコミュニケーションやフォローアップ(帮助)などを通じて、常にメンバー全員が目標(ビジョン)を共有し、目標に対して意識のベクトル(方向)を(ア)ことが必要です。
チームワーク意識のない組織に共通していることは、各メンバーが自分が何をしているのか、または何のためにそれをしているのか分かっていないということです。それぞれが、ただ上から指示されたからという理由で仕事に取り組んでいます。このような状態では、創造性も発揮されません。
(イ)、そのような組織では、会議やコミュニケーションが行われていないのかというと、そうではありません。むしろ必要以上にそれらに時間を割いていることすら(甚至)あります。
ただ、その会議はビジョンを共有したり確認したりするものではなく、目の前の障害のみ(只)に焦点を当て、その障害の原因追及で終わっていることが多いのです。チームワークを築くはずの会議が、犯人捜しや責め会などチームワークを破壊する場と化しているのです。これを防ぐためには、まずリーダー自身が目的、ビジョン、ゴールを明確にし、それを共有するためのコミュニケーションを積極的に図ることが必要になります。
ただ、日頃、リーダーが一方通行のコミュニケーションしかしていなければ、本音を語り合えるような双方向のコミュニケーション環境はなかなか作れません。
双方向のコミュニケーションを行うには、その前提として信頼関係が必要になります。信頼関係を築くには、過去にできてしまった「感情の痼(疙瘩)」を取り除いたり、新しい「痼」を作り出さないことが大切です。
1.文中の(ア)に入れるのに最も適当なものはどれか。A.使える | B.使う | C.揃える | D.揃う |
A.各メンバーはすべきことや目標が明確している状態 |
B.各メンバーはすべきことや目標が明確していない状態 |
C.各メンバーはただ上から指示聞かずに仕事に取り組んでいる状態 |
D.各メンバーは目標を明確し、指示を聞いて仕事を取り組んでいる状態。 |
A.だから | B.つまり | C.では | D.それで |
A.メンバーが目標を共有している組織 |
B.チームワークの意識がない組織 |
C.コミュニケーションが取れている組織 |
D.リーダーが仕事の指示をしない組織 |
A.リーダーがビジョンを明確に持ち、コミュニケーションを図ることでチームワークを作り上げることができる。 |
B.会議は、信頼関係を築き上げることとは何ら関係がなく、時間の無駄である。 |
C.直面する問題の原因が分からないままでは、チームワークの意識は浸透しない。 |
D.リーダーが本音を語ることで、チーム内のわだかまり(隔阂)が解けて信頼関係を築き上げることができる。 |
10 . 一軒の家の中で、家族がどのように動いているのかを三つの型に分類すると、イギリス型、イタリア型、日本型の三種類がある。イギリス型の家族はそれぞれに独立した部屋を持ち、個人の場所を大切にしている。団らんの場はあるが、そこにみんなが集まるのは食事やお茶の一時だけである。家族であっても、そこはみんなが集まる場所なのだから、一人だけで自分をの部屋にいると同じようにはすべきではないと考えられている。そこは世界で⼀番小さな公の場なのである。
イタリア型の家庭の中心は広いリビングルーム。みんなが集まり、楽しくにぎやかに語り合う。家族だけでなく、友達も仲間もいっしょになって、食べたり飲んだり歌ったりするし、話に夢中になってけんかになることもある。それでもみんないっしょにいることが好きなのだ。一人になりたかったら、団らんの場を離れて、自分の部屋に帰ればよい。そこは一人だけの世界である。
(①)日本型はどうであろうか。どの部屋もそれぞれにみんなのために使われている。こちらの部屋では食事をし、そちらの部屋ではみんなでこたつを囲み、あちらの部屋では夜になると布団を出して休む。今ではこの生活のしかたはだいぶ変わってきたが、まだイギリス型、イタリア型ほど個人の場と公の場がはっきりと分けられてはいないようだ。
1.イギリス型家族の特徴についての説明として、文章の内容と合っているものはどれか。A.団らんの時間が少なく、その代り個人の自由時間を大切にしている。 |
B.みんなが集まる時間帯に、個人のことをしてはいけないことになっている。 |
C.家族のみんなが集まる場は公共の場所だと考えている。 |
D.イギリス人にとって自分の部屋は世界で⼀番小さな公の場である。 |
A.家族団らんや友人の集まりを重視する一方、個人の場所はない。 |
B.たまにけんかすることがあっても、集まって話すのが好きだ。 |
C.団らん活動は家庭の中心となっているため、公の礼儀が厳しい。 |
D.イタリア人は家族と⼀緒に過ごす時間を何より大切に考えている。 |
A.では | B.つまり | C.そこで | D.しかし |
A.部屋の使い方や分け方に、個人と公のはっきりした区別がない。 |
B.部屋の使い方はだいたい家族みんなで相談して決める。 |
C.家族のみんなが同じ空間にいるので、個人の場所はない。 |
D.みんなが⼀緒に行動する中で、家族がもっと仲良くなる。 |
A.公の場所を⼀番重視しているのは日本型である。 |
B.日本型のリビングルームはイギリス型と似ている。 |
C.イタリア型家族はけんかの割合が⼀番⾼い。 |
D.個人の場所をすごく大切に考えているのはイギリス型である。 |