1 . 私が中学二年生のときのことである。父の仕事の都合で、生まれ育った大阪から、福井へ引っ越した。当然、福井の中学校のクラスメートは、みんな福井弁を話す。授業中、私が教科書を( ア )たりすると、教室のあちこちから、くすくす笑い声が聞こえてくる。いちばんショックだったのは、英語の時間。英語は私の得意科目だったし、特に読むほうは自信があった。私は、大阪の中学校では、学校代表で英語のスピーチコンテストに出場したくらい、英語が好きだった。
( イ )、名前を呼ばれて、私がテキストを読み始めると、いっせいに、くすくす。読み終えるころには、もっと大きな声で、げらげら。
先生まで困った顔をして、「なんか、大阪っぽいなあ。」と言ったのだ。
私が、大阪のおばさんを思い出したのはそのときだった。私が、ショックから立ち直ったのは、おばさんのおかげである。子どものころ、おばさんはよく、私の話を聞いて、「この子は、ほんとうにきれいな大阪弁をしゃべるなあ。なにもまざってない、ほんものの大阪弁や。」と言ってくれた。私は、心の中で自信を取り戻した。
1.文中の( ア )に入れるのにもっとも適当なものはどれか。A.読まれ | B.読まされ | C.読ませ | D.読まなかっ |
A.英語の授業中、みんなに笑われたこと |
B.英語の先生に大きな声で笑われたこと |
C.みんなのように福井弁が話せなかったこと |
D.英語のスピーチコンテストに出られなくなったこと |
A.それで | B.それでは | C.それなのに | D.それにしても |
A.英語の発音が少し変だという意味 | B.英語の発音がすばらしいという意味 |
C.日本語の発音が少し変だという意味 | D.日本語の発音がすばらしいという意味 |
A.大阪の言葉は、福井の言葉よりきれいだとわかったから。 |
B.大阪のおばさんが話す大阪弁は、とてもきれいだったから。 |
C.自分の大阪弁を褒めてくれた大阪のおばさんを思い出したから。 |
D.大阪では、英語のスピーチコンテストに出たことを思い出したから。 |
2 . 予定がないと不安になる人がいる。先日、喫茶店で見かけた女性がそうだった。
彼女はバッグのなかから赤い手帳を取り出して、しばらく眺めていた。そして突然電話をかけ始め、次々と飲み会や食事やデートの約束をして、手帳に予定を書き込んでいった。( ア )、どうしても予定の埋まらない一日があるようだった。
空白の木曜日。それが彼女には我慢できなかったらしい。最後には、いつも行っている美容院に電話をかけ、この間かけたパーマが気に入らないので、もうー度かけ直してほしい、来週の木曜日しか空いていないから木曜に予約を入れてほしいと主張し、とうとう木曜日の予定を( イ )に入れた。彼女は、真っ黒に埋められたページを見っめて、満足そうにほほえんだ。
一方、私の手帳は真っ白だ。正確にいうと、昨日までの過去にはいろいろ書かれているが、今日から先はまるで白紙。未来には何も書かれていない。彼女のように私も手帳を開いた。しかし、見つめても見つめても、予定は何も思い浮かばなかった。
1.下線の「喫茶店で見かけた女性」はどんな人だと言っているか。A.彼女はとてもいそがしくて、空いている時間がない。 |
B.彼女は電話が好きで、話す相手がいないと不安になる。 |
C.彼女は髪型を変えるのが好きで、よく美容院へ行く。 |
D.彼女はスケジュールが埋まっていないと不安になる。 |
A.または | B.しかも | C.だから | D.しかし |
A.心 | B.手 | C.頭 | D.身 |
A.美容院の予約ができたこと | B.木曜日の予定がなくなったこと |
C.手帳の空白がなくなったこと | D.いろんな友達と約束ができたこと |
A.いろいろ書かれているので、予定がわかりにくい。 |
B.あちこちに何も書かれていない白いページがある。 |
C.これからの予定はひとつも書かれていない。 |
D.手帳は持っているが、中は真っ白だ。 |
3 . アメリカの大学が、「人の行動は45%ぐらいが習慣的な行動」という研究結果を発表しました。
習慣的な行動は、頭で思考しなくても体が行動する「自動行動」です。(ア)、ご飯を食べる時に「食べ物を口に入れる」「スープを飲む」などのことを頭で思考しながら(一边……ー边……)行動する人は(イ)いません。これは習慣的な行動ですから、意識しなくてもすることができます。
1.文章の内容によると、どんな行動が習慣的な行動ですか。A.人の行動 | B.頭で思考しながらする行動 |
C.意識しなくてもできる行動 | D.自分ですることができる行動 |
A.例えば | B.そして | C.どうして | D.でも |
A.習慣化的な行動 | B.頭で思考すること |
C.意識すること | D.食物を口に入れること |
A.あまり | B.さらに | C.ちょうど | D.すぐ |
A.人の行動は45%ぐらいが習慣的な行動ではありません。 |
B.習慣的な行動は頭で思考しなくてもすることができることです。 |
C.習慣的な行動をする時、私たちは意識しなければなりません。 |
D.ご飯を食べる時「ロを開ける」ことは習慣的な行動ではありません。 |
女:ここ 2,3 週間は 6 時間以下かな、忙しくて。
男:この記事によれば(根据)、20 年ぐらい前のイギリスでは平均 9 時間だそうだ。
女:「睡眠は無駄(没用)だ。5 時間で十分だ」なんて言う学者もいたよね。
男:でも、最近の研究では 7 時間では不十分、8 時間は必要だって。
女:へえ、そうなんだ。
男:睡眠時間が 1 時間減っても体力も知的能力も低下するらしい。
女:睡眠不足だと、注意力がなくなってくるよね、確かに。森さんは元気がなさそう(好像没有)ですね。どのくらい寝ているの?
男:20 年前のイギリスの平均より 1 時間長いよ。
女:意外ね。たくさん寝ているのに・・・・・・
1.高橋さんのこのごろの睡眠時間はどれか。
A.5 時間以下 | B.6 時間以下 | C.7 時間以上 | D.8 時間以上 |
A.睡眠時間が 1 時間減っても、体力も知的能力も低下する。 |
B.睡眠不足だと注意力がなくなってくる。 |
C.睡眠時間は 7 時間では不十分、8 時間は必要だ。 |
D.睡眠は無駄だ。5 時間で十分だ。 |
A.肯定 | B.驚く | C.賛成 | D.疑う |
A.6時間 | B.8時間 | C.9時間 | D.10時間 |
A.睡眠時間が 20 年前のイギリスの平均時間ほどだから |
B.睡眠時間は毎日六時間以下で短すぎるから |
C.森さんは体力も注意力も元気もないから |
D.森さんは睡眠時間が長いのに元気がないから |
5 . 昔、おばあさんと三匹の小豚がいました。
ある時、おばあさんが小豚たちに言いました。
「この家にはもう食べる物がないよ。みんなここを出て、幸わせをお捜し。」そこで、三匹の小豚は、それぞれに(各个)家を出ました。
初めに家を出た小豚は、藁(稻草)で家を造くりました。すると間もなく狼がやってきました。
「小豚や小豚。わたしを家に入れておくれ。」
「いやだ、食べられちゃうもの。」と、小豚が言うと、狼は笑って言いました。
「藁の家なんか、ふっふーのふーとひと吹きさ。」
そして、ふっふーのふーと藁の家を吹き飛とばして、小豚を食べてしまいました。二番目に家を出た小豚は、木の枝で家を造りました。すると、やはり狼がやってきて言いました。
「木の枝の家なんか、ふっふーのふーを二回さ。」
そして、ふっふーのふー、ふっふーのふーで家を吹き飛ばして、小豚を食べてしまいました。
三番目に家を出た小豚は、煉瓦で家を造りました。煉瓦の家は、狼が何回ふっふーのふーと頑張っても(努力)、吹き飛びません。
怒った狼は、「覚えていろ。必ずおまえを食べてやる。」と言って、帰っていきました。
次の日、狼がやってきて、小豚に呼よび掛けました(呼喊)。
「美味しい蕪(香蕉)がなっている畑(田)に行こうよ。」
「いいよ。何時に行くの?」
小豚が言うと、狼は、「六時だよ。」と答えました。そこで小豚は五時に畑に行って、蕪を全部取ってしまいました。狼は悔しがって、また言いました。
「明日の四時に、りんごを取りに行こう。」
そこで小豚は三時に行って、りんごを全部も取りました。
怒った狼は、小豚の家の屋根に登りました。煙突(烟囱)から家の中に入ろうというのです。小豚は、煙突の下で火を燃して、大きな鍋でお湯を沸かしました。
そして、狼が煙突から飛び込んできた時、鍋の蓋を取ったのです。
狼は、お湯でぐつぐつと煮られてしまいました。1.どうして、小豚たちは家を出ますか
A.外に出たいだから | B.食べ物がないから |
C.おばあさんに追い出された(赶出) | D.大人になったから |
A.建築材料は脆いだから | B.家を作らなかったから |
C.狼が大きいだから | D.小豚は狼を家に入れたから |
A.狼から買いました | B.狼が言った時間の前に行って取ったから |
C.狼を騙した | D.自分で植えた |
A.屋根から飛び出した | B.小豚を全部食べた |
C.鍋に落ちた | D.逃げた |
A.小豚は全部四匹だ | B.狼はおばあさんを食べた |
C.煉瓦はとても丈夫です | D.狼はバナナを小豚に送りました |
6 . 電話が苦手な若い人が増えています。「今自分がしていることを、途中で一度やめなければならない」「話の途中で切りにくい」などが理由だそうです。彼らは電話に気がついても出ないで、あとから「用事は何でしたか」とメールで聞きます。一番ストレスがないのがメールだからです。携帯電話のいいところでも連絡できることですが、これで は意味がありません。
また、会社や人の家にかけるのは、もっと苦手なのだそうです。この場合、本人以外誰かと話をして、相手を呼び出してもらわなければいけません。それを難しく感じるようです。携帯電話で相手に直接つながることに慣れてきた人間には、このようなこともストレスになるのでしょう。また、会社などで、自分が話している内容を人に聞かれたくないと思う人もいるそうです。
頼みにくいことはメールで伝える方が楽だという人もいますが、大切なことはやはり電話のほうがいいでしょう。恥ずかしくてちょっと言いにくいことも、そうです。それが本当に大切なことなら、直接言いましょう。その方が、相手に 伝わります。
1.これとは何か。A.電話ではなく、メールで人に質問すること |
B.携帯電話を持つことを面倒に思うこと |
C.携帯電話にかかってきても出ないこと |
D.メールをする場合のストレスに気をつけること |
A.その人 | B.あの人 | C.自分 | D.相手 |
A.会社で、みんなの前で電話をすること |
B.話したい人とすぐ話ができず、待たされること |
C.電話で話している内容を他人に聞かれてしまうこと |
D.電話をかけて、最初によく知らない人と話さなければならないこと |
A.メールにはない電話の良さを理解しておくべきだ |
B.電話に比べ、メールの方が言いたいことを簡単に伝えられる |
C.仕事では、電話よりメールの方が間違いがなくていい |
D.言いやすいことは電話で、言いにくいことはメールでと使い分けるとよい |
A.すっかり | B.きっちり | C.うっかり | D.しっかり |
7 . うちには小さな庭がある。そこで3年前から野菜を作っている。作り始めたのは、野菜が高くなってきたから、庭で野菜を作ってみようと妻が言い出したからだ。最初は「野菜を作るのはそんなに難しくないだろう」と思っていたが、それは大きな間違いだった。作り始めのころは、失敗のくり返しだった。できた野菜はひどく小さかったり、店で売っている野菜とは形が違ったりして、娘から「おいしくなさそう」とか「店で買ったほうがいい」とか言われた。野菜を作ることは大変なことなのだと思い 、本を読んで勉強した。
野菜を作っていると、野菜ができること以外にもいいことがある。毎日水をやっていると、だんだん野菜が子どものように思えてくる。気がつくと、野菜に向かって自然に声をかけている。すると、娘もおもしろがって声をかけるようになり、今では一緒に野菜を育てている。まだ店で売られているような形のいい野菜はできていないが、子どもと一緒に野菜作りを楽しんでいるのだ。
1.この文章を書いた人が野菜を作り始めたのはなぜか。A.野菜を作るのに、ちょうどいい場所があったから |
B.妻が作ろうと言ったから |
C.野菜を作るのは簡単だと思ったから |
D.妻が店で買うほうが安いと言ったから |
2.それとあるが、何のことか。
A.自分たちで野菜を作ること |
B.野菜を作る場所 |
C.野菜作りは難しくないということ |
D.野菜の作り方 |
3.この文章で一番言いたいことは何か。
A.野菜に声をかけて育てていると、子どもが野菜を好きになるだろう |
B.初めの目的と違うが、子どもと一緒に野菜作りを楽しんでいる |
C.家で野菜を作ると、店で買うより安いのでできれば家で野菜を作った方がいい |
D.野菜を作るのは大変なことなので、まず勉強をしてから始めなければならない |
A.私 | B.妻 | C.娘 | D.子ども |
5. に入る、最も適当な言葉はどれか。
A.なおして | B.はじめて | C.かけて | D.なんて |
8 . 「中食」という言葉が、だいぶ一般的になりました。「外食」は、レストランなど、外へ出かけて食事をすることです。それに対して「内食」は、家で作ったものを家で食べて食事をすることです。そして近年、一人暮らしの人や、仕事をする女性の増加もあって、外で買ったものを家で食べることが増えてきました。 44 「中食」と言います。ピザやお寿司などの配達は以前からありますが、それらはたいてい、特別なときなどに、たまに注文するものです。一方、 45 は弁当やおかず、デザートなどの商品の種類が豊富になり、普段の食事から利用されるようになりました。週に1回以上中食を利用するという人の数は、増え続けています。このような生活の変化を背景に、新しい言葉が 46 。
「時間を節約できる」「外食ほどお金がわからない」などはもちろん中食の長所ですが、それ以外に、中食が増えた理由があります。「少しの量でも買える」「値段が安くなった」などです。スーパーやコンビニで一人用のサイズが増えたのです。それによって、以前よりずっと 47 。一人の場合は、自分で材料を買って料理するよりも安いのではないでしょうか。中食を利用する人は、今後もますます 48 。
1.A.どれも | B.それも | C.あれを | D.これを |
A.最近 | B.昔 | C.これから | D.少し前 |
A.生まれそうです | B.生まれたのです |
C.生まれるかもしれません | D.生まれなければなりません |
A.買うところでした | B.買いやすくなりました |
C.買ってもしょうがありません | D.買うこともありません |
A.増えてはいけません | B.増えるにすぎません |
C.増えるとは限りません | D.増えていくでしょう |
9 . (三)
高校生の娘と一緒にお風呂に入っていたとき、左胸にしこり(硬块)のようなものを 発見しました。息子が憧れの高校の門をたたく直前、入試の一週間前のことでした。次の休日に検査に行き、触診、細胞診などで調べてもらった結果、「乳ガン」と診断されました。覚悟はしていたものの、先生からそう言われたとき、目の前が真っ暗になり、 泣いて泣いて①涙がかれるほど泣きました。
入試を控えた息子にどう話したらいいでしょう。夫と相談の②末、合格発表までは黙っておこうということになりました。小さいときからの目標への第一歩を、安心して踏み 出させてあげたかったのです。
受験から二日後、見事志望校に合格し、憧れ続けてきた高校への入学が決まりました。息子の夢が叶い、私もとても嬉しかったです。でも、③あのことを話さなければ。合格 発表の翌日、夫が息子に私の病気の話をしました。すると、息子は、「知ってたよ。お母さんを見てたらなんとなくわかった。でも、お父さんやお母さんが心配するから、W 知らない振りをしてた」それを夫から伝え聞いたときは、涙がウワーッとあふれ出てきてしまいました。子どもだとばかり思っていた息子が、知らない間に少しずつ成長していたんです。
『甲子園だけが高校野球ではない』
1.なぜ検査に行きましたか。A.息子が入試を控えているから |
B.左胸にしこりのようなものを発見したから |
C.息子が憧れの高校に入りたいから |
D.右胸にしこりのようなものを発見したから |
A.目の前が真つ白になったから | B.先生に言われたから |
C.「乳ガン」と診断されたから | D.息子に迷惑をかけるから |
A.結果 | B.おわり | C.結末 | D.尾 |
A.息子が志望校に合格したこと | B.私が病気になったこと |
C.息子の夢が叶ったこと | D.私が検査を受けたこと |
A.両親に心配をかけたくないから | B.受験に集中していたから |
C.ほんとうには知らなかったから | D.合格するかどうかわからなかったから |
10 . (一)
(44)みんなに言われますよ。「先生は公害とか浪費とかを批判しているけれども、 自動車に乗っているのは矛盾ですね」と。
私は(45 )考えにあまり賛成できません。ある特定のものを絶対悪として社会 から排除しようとするのはおかしいのです。現代の複雑な人間社会では、自動車など (46 )暮らしている人もいます。(47 )、乗るなら乗っても結構なのです。しかし、 エネルギー消費の最も少ないように、(48 )がないように乗りなさいということです。
鈴木孝夫 『日本人はなぜ日本を愛せないのか』1.
A.よく | B.つまり | C.やがて | D.ついに |
A.そういう | B.そのように | C.それから | D.そのうえ |
A.について | B.に対して | C.によって | D.にとって |
A.なのに | B.ところが | C.ですから | D.一方で |
A.むり | B.むだ | C.こうかい | D.えんりょ |